『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』 ANOMALY

ANOMALY
『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』
2022/9/10〜10/8

(*)

ANOMALYで開催中の『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』を見てきました。

1980年に埼玉県で生まれた画家の高橋大輔は、絵具を厚く盛った厚塗りの抽象絵画で知られ、「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、2014年)といった国内のグループ展に参加するなどして活動してきました。

その高橋の近作と最新作によるのが『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』で、会場には油彩による30点の絵画が展示されていました。


『無題』 2022年

まず目を引くのは、比較的サイズの小さな数点の絵画で、何らかのかたちこそ見え隠れするものの、具体的なモチーフは示されていませんでした。


「外壁」シリーズ

この一連の絵画は「外壁」シリーズと呼ばれていて、高橋が日頃の生活で目にするという近所の建物の外壁の色を抽出して描いたものでした。そしていずれも明るい色彩による絵具が塗られているものの、決して厚塗りではありませんでした。


右:『Toy(キリン)』 2021年

こうした外壁シリーズと同様、かつての厚塗りの絵画とは大きく異なって見えたのが、「Toy」と題した動物をモチーフとしたシリーズでした。ここでも明るい色彩と素早いタッチによって動物が描かれていて、明らかに具象的なイメージが立ち上がっていました。

今回の個展でとりわけ鮮烈な印象を与えたのは、自動筆記によるドローイングを契機に生み出されたという「白昼夢」と呼ばれるシリーズでした。


『白昼夢 #4』 2022年

中でも『白昼夢#4』は縄文から令和への時代や年号の漢字のみを一面に描いていて、それぞれの文字はどこか記号を示すように連なっていました。


『Toy(キリン)』(部分) 2021年

一見するところ、いずれのシリーズもかつての厚塗りの絵画とは大きく異なっているようでしたが、下地の色やストロークの痕跡、また色が滲むようなタッチなど絵具に対するこだわりとも言える表現も垣間見ることができました。


『無題/One Yen Coin』 2021年

身近なモチーフを描くようになった高橋の新たな方向性の示された展覧会だったかもしれません。その清新でかつむしろ大胆な表現に心を引かれました。


厚塗りの抽象絵画から新たな境地へ!画家、高橋大輔の個展がANOMALYで開催中|Pen Online

10月8日まで開催されています。*は『Toy(虎)』 2021年

『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』 ANOMALY
会期:2022年9月10日(土)〜10月8日(土)
休廊:日、月、祝祭日。
時間:12:00~18:00。
料金:無料
住所:品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩約8分。東京モノレール羽田空港線天王洲アイル駅中央口より徒歩約11分。京浜急行線新馬場駅より徒歩12分。
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