『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』が開催中です

今年創立150周年を迎えた東京国立博物館は、国宝89件、重要文化財648件を含む、実に約12万件にも及ぶコレクションを有し、総合文化展などで期間や作品を入れ替えながら公開してきました。



その東博の国宝89件のすべてを公開する『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』の見どころについて、WEBメディアのイロハニアートへ寄稿しました。

国宝以外も見どころ満載!『国宝 東京国立博物館のすべて』でたどる東博150年の歩み | イロハニアート

まず第1部の「東京国立博物館の国宝」では、89件の国宝を、絵画、書跡、東洋絵画、東洋書跡、法隆寺献納宝物、考古、漆工、刀剣の8分野に分けて展示していて、絵画では長谷川等伯の『松林図屛風』をはじめ、合戦絵巻の代表作として知られる『平治物語絵巻 六波羅行幸巻』などを鑑賞できました。

なおこれらの国宝は会期中、考古、及び刀剣の全点を除くと展示替えが行われていて、一度にすべての国宝が公開されているわけではありませんでした。

会期はおおむね10月18日~30日、11月1日~13日、11月15日~27日、11月29日~12月11日の4つに分かれていて、一部の国宝に関しては出展会期がさらに短い場合もありました。詳しくは公式サイトより出品リストでご確認ください。

『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』出品リスト
http://tohaku150th.jp/pdf/list_jp_1007.pdf

こうした一連の国宝の展示に続くのが、第2部の「東京国立博物館の150年」で、明治時代から今に至る東博の歴史を所蔵品から紹介していました。



ここでは東博誕生のきっかけになった1872年の旧湯島聖堂大成殿で開催された博覧会をはじめ、上野の内国勧業博覧会やキリンの剥製といった戦前の意外な収集物などを公開していて、東博の長きに渡る歩みを目の当たりにできました。

また関東大震災での被害や戦時中の疎開などもパネルや映像にて紹介されていて、東博の所蔵品がどのように引き継がれていったのかについても知ることができました。

このほか、戦前では1940年に開かれた正倉院展を描いた絵巻物、『くちなわ物語』も面白い作品といえるかもしれません、そこには東博へ大勢の観客が詰めかけながら長蛇の列を作る光景が表されていて、20日間の会期で40万名の入場者を記録したという展示の熱気すら伝わってきました。

戦後では東博がコレクションを拡充していった経緯を辿りながら、保存や修復などの活動について紹介していて、尾形光琳の『風神雷神図屏風』などに目を引かれました。


『金剛力士立像』 平安時代・12世紀

最後にチケットの情報です。事前より注目の美術展だっただけに人気が極めて高く、すでに現時点で購入可能な会期のチケットは売り切れています。


菱川師宣『見返り美人図』 江戸時代・17世紀 *『金剛力士立像』とともに撮影が可能です。

今後、11月15日以降の入場については11月1日、11月29日以降の分については11月15日にそれぞれチケットが販売されます。


私も『夏秋草図屏風』が出展する11月15日以降に再訪する予定ですが、後半も完売する可能性が高いため、それぞれ発売開始日に確保しておいた方が良さそうです。

12月11日まで開催されています。

『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』@tohaku150th) 東京国立博物館 平成館(@TNM_PR
会期:2022年10月18日(火) ~12月11日(日)
休館:月曜日
時間:9:30~17:00
 *金曜・土曜日は20:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2000円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料。
 *当日に限り総合文化展も観覧可。
 *事前予約制
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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