都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2022年7月に見たい展覧会【工藤麻紀子/東北へのまなざし/田中保とその時代】
あっという間に梅雨が明けたかと思いきや、記録的な酷暑ともいえる日々が続いています。
6月に見た展覧会では、アーティゾン美術館の『写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』のほか、東京の郊外にて行われている2つの展覧会、『孤高の高野光正コレクションが語る ただいま やさしき明治』(府中市美術館)と『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』(町田市立国際版画美術館)がとても印象に残りました。
7月も興味深い展覧会が目白押しです。気になる展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・『生誕100年朝倉摂展』 練馬区立美術館(6/26~8/14)
・『生誕150年 板谷波山 ―時空を超えた新たなる陶芸の世界』 出光美術館(6/18~8/21)
・『よめないけど、いいね! 根津美術館の書の名品』 根津美術館(7/16~8/21)
・『北斎 百鬼見参』 すみだ北斎美術館(6/21~8/28)
・『歌枕 あなたの知らない心の風景』サントリー美術館(6/29~8/28)
・『小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ』 川崎市岡本太郎美術館(6/25~8/28)
・『開館35周年記念展 美術館はおもちゃ箱・道具箱』 目黒区美術館(7/9~8/28)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館(6/25~9/4)
・『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』 世田谷美術館(7/2~9/4)
・『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/16~9/4)
・『とある美術館の夏休み』 千葉市美術館(7/16~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)
・『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』 国立西洋美術館(6/4~9/11)
・『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』 平塚市美術館(7/9~9/11)
・『茶の湯の陶磁器 “景色”を愛でる』 三井記念美術館(7/9~9/19)
・『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』 東京オペラシティ アートギャラリー(7/16~9/19)
・『東北へのまなざし1930-1945』 東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
・『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』 三菱一号館美術館(6/18~9/25)
・『キース・ヴァン・ドンゲン展―フォーヴィスムからレザネフォル』 パナソニック汐留美術館(7/9~9/25)
・『水のかたち―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで』 山種美術館(7/9~9/25)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 市原湖畔美術館(7/16~9/25)
・『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』 国立新美術館(6/29~9/26)
・『クマのプーさん展』 PLAY! MUSEUM(7/16~10/2)
・『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
・『ボストン美術館展 芸術×力』 東京都美術館(7/23~10/2)
・『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館(7/23~10/9)
・『アレック・ソス Gathered Leaves』 神奈川県立近代美術館 葉山館(6/25~10/10)
・『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』 SOMPO美術館(7/13~10/10)
・『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界』 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/10)
・『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで/MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』 東京都現代美術館(7/16~10/16)
・『鈴木大拙展 Life=Zen=Art』 ワタリウム美術館(7/5~10/30)
・『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』 森美術館(6/29~11/6)
ギャラリー
・『第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ・アピールズ」』 クリエイションギャラリーG8(7/12~8/20)
・『髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/11~8/25)
・『野口哲哉「this is not a samurai』 ポーラ ミュージアム アネックス(7/29~9/11)
・『A Quiet Sun 田口和奈展』 メゾンエルメス8階フォーラム(6/17~9/30)
・『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』 TOTOギャラリー・間(6/8~9/11)
まずは現代美術家の個展です。平塚市美術館にて『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』が開かれます。
『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』@平塚市美術館(7/9~9/11)
1978年生まれたの画家、工藤麻紀子は、色彩鮮やかな構成や装飾的な表現によって日常の生活をモチーフとした心象風景を描き、国内のグループ展に参加するなどして活動してきました。
その工藤の美術館としての初の個展が『花が咲いて存在に気が付くみたいな』と題した展示で、新作とインスタレーションを含む120点余りの作品が公開されます。工藤といえば、小山登美夫ギャラリーなどのギャラリーの個展をはじめ、東京オペラシティアートギャラリーの『絵画の在りか』などでも作品を見る機会がありましたが、今回は作品数を踏まえても充実した展覧会となりそうです。
東北の豊かな文化を改めて認識するような展覧会となるかもしれません。東京ステーションギャラリーにて『東北へのまなざし1930-1945』が開かれます。
『東北へのまなざし1930-1945』@東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
これは1930年から戦中にかけて、東北地方の建築や生活用品に着目したブルーノ・タウトや柳宗悦、それに東北の出身でもある今和次郎や吉井忠らの活動を紹介しながら、東北に関するさまざまな文物を展示するもので、東北のものづくりに向けられた視点をたどっていきます。
なお展示は4月の岩手県立美術館にはじまり、福島県立美術館にて開かれてきた巡回展で、ここ東京ステーションギャラリーが最後の開催地となります。
最後は埼玉県立近代美術館では25年ぶりとなる回顧展です。『シアトル→パリ 田中保とその時代』が行われます。
『シアトル→パリ 田中保とその時代』@埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
1886年に岩槻に生まれ、18歳にして移民としてシアトリに渡り、1920年にパリに移住した田中保は、サロン・ドートンヌなどの展覧会にて出品を重ねると、同地にて人気を博し、肖像や裸婦像などを描いては活動しました。
その田中は日本の美術教育を受けず、そもそもアメリカにて身を立てていたため、生前に日本の画壇に受け入れられることはありませんでした。そうした田中の画業を振り返るのが『シアトル→パリ 田中保とその時代』で、同時代の画家を含めた100点の作品が公開されます。最新の研究を交え、田中の実像が明らかになる機会となりそうです。
WEBメディア、イロハニアートでも7月のおすすめの展覧会をまとめました。あわせてご覧いただければ嬉しいです。
ドンゲンからアリス、ボストン美術館展まで。7月のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート
それでは7月もどうぞよろしくお願いいたします。
6月に見た展覧会では、アーティゾン美術館の『写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』のほか、東京の郊外にて行われている2つの展覧会、『孤高の高野光正コレクションが語る ただいま やさしき明治』(府中市美術館)と『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』(町田市立国際版画美術館)がとても印象に残りました。
7月も興味深い展覧会が目白押しです。気になる展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・『生誕100年朝倉摂展』 練馬区立美術館(6/26~8/14)
・『生誕150年 板谷波山 ―時空を超えた新たなる陶芸の世界』 出光美術館(6/18~8/21)
・『よめないけど、いいね! 根津美術館の書の名品』 根津美術館(7/16~8/21)
・『北斎 百鬼見参』 すみだ北斎美術館(6/21~8/28)
・『歌枕 あなたの知らない心の風景』サントリー美術館(6/29~8/28)
・『小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ』 川崎市岡本太郎美術館(6/25~8/28)
・『開館35周年記念展 美術館はおもちゃ箱・道具箱』 目黒区美術館(7/9~8/28)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館(6/25~9/4)
・『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』 世田谷美術館(7/2~9/4)
・『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/16~9/4)
・『とある美術館の夏休み』 千葉市美術館(7/16~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)
・『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』 国立西洋美術館(6/4~9/11)
・『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』 平塚市美術館(7/9~9/11)
・『茶の湯の陶磁器 “景色”を愛でる』 三井記念美術館(7/9~9/19)
・『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』 東京オペラシティ アートギャラリー(7/16~9/19)
・『東北へのまなざし1930-1945』 東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
・『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』 三菱一号館美術館(6/18~9/25)
・『キース・ヴァン・ドンゲン展―フォーヴィスムからレザネフォル』 パナソニック汐留美術館(7/9~9/25)
・『水のかたち―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで』 山種美術館(7/9~9/25)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 市原湖畔美術館(7/16~9/25)
・『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』 国立新美術館(6/29~9/26)
・『クマのプーさん展』 PLAY! MUSEUM(7/16~10/2)
・『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
・『ボストン美術館展 芸術×力』 東京都美術館(7/23~10/2)
・『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館(7/23~10/9)
・『アレック・ソス Gathered Leaves』 神奈川県立近代美術館 葉山館(6/25~10/10)
・『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』 SOMPO美術館(7/13~10/10)
・『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界』 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/10)
・『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで/MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』 東京都現代美術館(7/16~10/16)
・『鈴木大拙展 Life=Zen=Art』 ワタリウム美術館(7/5~10/30)
・『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』 森美術館(6/29~11/6)
ギャラリー
・『第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ・アピールズ」』 クリエイションギャラリーG8(7/12~8/20)
・『髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/11~8/25)
・『野口哲哉「this is not a samurai』 ポーラ ミュージアム アネックス(7/29~9/11)
・『A Quiet Sun 田口和奈展』 メゾンエルメス8階フォーラム(6/17~9/30)
・『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』 TOTOギャラリー・間(6/8~9/11)
まずは現代美術家の個展です。平塚市美術館にて『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』が開かれます。
『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』@平塚市美術館(7/9~9/11)
1978年生まれたの画家、工藤麻紀子は、色彩鮮やかな構成や装飾的な表現によって日常の生活をモチーフとした心象風景を描き、国内のグループ展に参加するなどして活動してきました。
【おすすめ】市制90周年記念『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』@ 平塚市美術館7/9〜9/11|身近な出来事に対する思いを作品に投影し、現実と夢が混在した心象風景を描き続ける画家、工藤の個展。新作とインスタレーション作品を含む約120点を出品。#ARTiThttps://t.co/4CbQccQhIr pic.twitter.com/Y2wUzlHpIs
— ART iT (JP) (@ARTiT_Tokyo) June 25, 2022
その工藤の美術館としての初の個展が『花が咲いて存在に気が付くみたいな』と題した展示で、新作とインスタレーションを含む120点余りの作品が公開されます。工藤といえば、小山登美夫ギャラリーなどのギャラリーの個展をはじめ、東京オペラシティアートギャラリーの『絵画の在りか』などでも作品を見る機会がありましたが、今回は作品数を踏まえても充実した展覧会となりそうです。
東北の豊かな文化を改めて認識するような展覧会となるかもしれません。東京ステーションギャラリーにて『東北へのまなざし1930-1945』が開かれます。
『東北へのまなざし1930-1945』@東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
これは1930年から戦中にかけて、東北地方の建築や生活用品に着目したブルーノ・タウトや柳宗悦、それに東北の出身でもある今和次郎や吉井忠らの活動を紹介しながら、東北に関するさまざまな文物を展示するもので、東北のものづくりに向けられた視点をたどっていきます。
【レビュー】「東北へのまなざし 1930-1945」展 福島県立美術館で7月10日(日)まで。 ブルーノ・タウトや柳宗悦、今和次郎、吉井忠らが東北に向けた眼差しを追体験。この地の魅力を再確認する注目展です。7月には東京ステーションギャラリーにも巡回します。 https://t.co/jqSuA5wqqr
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) June 11, 2022
なお展示は4月の岩手県立美術館にはじまり、福島県立美術館にて開かれてきた巡回展で、ここ東京ステーションギャラリーが最後の開催地となります。
最後は埼玉県立近代美術館では25年ぶりとなる回顧展です。『シアトル→パリ 田中保とその時代』が行われます。
『シアトル→パリ 田中保とその時代』@埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
#田中保とその時代 の広報物には隠れたデザインテーマがあります。「もし田中保の人生が映画化されて、ミニシアターで上映されていたら?」その時のポスターやチラシのイメージで作っていただけるよう、デザイナーさんにお願いしたところ…ノスタルジックで素敵な雰囲気に仕上がりました😊 pic.twitter.com/SEFqTRBarq
— 埼玉県立近代美術館 (@momas_kouhou) June 29, 2022
1886年に岩槻に生まれ、18歳にして移民としてシアトリに渡り、1920年にパリに移住した田中保は、サロン・ドートンヌなどの展覧会にて出品を重ねると、同地にて人気を博し、肖像や裸婦像などを描いては活動しました。
その田中は日本の美術教育を受けず、そもそもアメリカにて身を立てていたため、生前に日本の画壇に受け入れられることはありませんでした。そうした田中の画業を振り返るのが『シアトル→パリ 田中保とその時代』で、同時代の画家を含めた100点の作品が公開されます。最新の研究を交え、田中の実像が明らかになる機会となりそうです。
WEBメディア、イロハニアートでも7月のおすすめの展覧会をまとめました。あわせてご覧いただければ嬉しいです。
🏖️7月のおすすめ展覧会5選🏖️本日公開の記事では・・初月恒例!#ドンゲン から #アリス 、#ボストン美術館展 など7月の #おすすめ展覧会 を紹介しています。涼しく静かな会場でのアート鑑賞。夏のお出かけにはぴったりですね!https://t.co/N26BnP8KPn
— イロハニアート編集部 (@irohani_art) July 1, 2022
ドンゲンからアリス、ボストン美術館展まで。7月のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート
それでは7月もどうぞよろしくお願いいたします。
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