『ヨシタケシンスケ展かもしれない』 世田谷文学館

世田谷文学館
『ヨシタケシンスケ展かもしれない』
2022/4/9~7/3



世田谷文学館で開催中の『ヨシタケシンスケ展かもしれない』を見てきました。

1973年に生まれ、イラストレーターや造形作家として活動してきたヨシタケシンスケは、2013年に初めての絵本『りんごかもしれない』を出版すると、世代を超えて愛され、絵本作家としても人気を集めて来ました。

そのヨシタケの初めての大規模な個展が『ヨシタケシンスケ展かもしれない』で、会場には発想の源であるスケッチや絵本原画をはじめ、愛蔵のおもちゃといった収集物、さらには新たに考案したインスタレーションなどが展示されていました。



まず冒頭で目に飛び込んでくるのが、何やら被り物をした人形のようなオブジェで、いずれもヨシタケが大学時代に制作していたという「カブリモノシリーズ」でした。



それに続くのが壁一面に並んだスケッチの複製で、いずれも約13センチ×8センチほどの小さな紙に書かれたものでした。ヨシタケは絵本作家としてデビューする前から、日々「大事なこと」あるいは「すぐに忘れてしまう」ことを描き留めていて、約20年余りの間でバインダーにして約80冊、1万枚以上も生み出されました。



今回は約2000枚を複製した上で並べていて、実に細かなスケッチが描かれる様子を目にすることができました。まさにこれこそがヨシタケのアイデアの源泉そのものと言えるのかもしれません。



『りんごかもしれない』や『つまんない つまんない』、それに『なつみはなんにでもなれる』などの人気絵本の原画や構想段階のアイデアスケッチも見どころではないでしょうか。



アイデアスケッチは先の日々のスケッチ同様、とても小さく細かに描かれていて、中には掠れていたりするなど、一体、何が表されるかすぐにわからないものも少なくありませんでした。



そして保存のためがジップロックの袋に入れられているのも特徴で、一部のスケッチは大きく拡大したパネルにて紹介されていました。ともかくスケッチの量は膨大で、物理的にすべてをじっくり見るのは困難とさえ思うほどでした。



一方、一連のスケッチとは別に絵本の世界を体感的に味わえるのが、ヨシタケが今回のために考案した主に参加型の立体インスタレーションでした。



そのうち「りんごでうるさいおとなをだまらせよう」では、「はやくおフロはいって!」などという大人のイラストの口の中へりんごを模した球を投げ入れることができて、それこそゲーム感覚にて楽しむことができました。



また絵本の世界から飛び出してきたような登場人物のパネルや、ヨシタケの直筆のメッセージの記された黄色い付せんなども見逃せないのではないでしょうか。世代を超えて楽しめるような創意工夫が随所に見られました。



混雑緩和のために日時指定制が導入されました。公式オンラインチケットのサイトにて事前に入場日時を予約することができます。ただし日時指定券が予定枚数に達していない場合は、窓口で当日券を購入することも可能です。



Penオンラインにて展示の様子をご紹介しました。


人気絵本作家、ヨシタケシンスケのインスピレーションの源とは?初の大規模な個展が世田谷文学館にて開催中|Pen Online



撮影も可能でした。7月3日まで開催されています。*掲載写真はすべて『ヨシタケシンスケ展かもしれない』展示風景

『ヨシタケシンスケ展かもしれない』 世田谷文学館@SETABUN
会期:2022年4月9日(土)~7月3日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~18:00 *入場、及びミュージアムショップの営業は17時半まで。
料金:一般1000(800)円、大学・高校生・65歳以上600(480)円、小・中学生300(240)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:世田谷区南烏山1-10-10
交通:京王線芦花公園駅より徒歩5分。
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