都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「晩秋の磐梯高原と会津への旅」 前編:磐梯高原と諸橋近代美術館
アジア屈指のサルバドール・ダリのコレクションを有する諸橋近代美術館は、福島県有数のリゾート地である会津磐梯高原に位置します。
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東京駅から「やまびこ」に乗車し、郡山駅で磐越西線に乗り換え、磐梯高原への玄関口に当たる猪苗代駅に着いたのは10時半前でした。
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猪苗代駅からは磐梯高原へのアプローチは路線バスで、駅からバスに乗ること約30分、樹々の色づく山々を車窓に見ていると諸橋近代美術館のバス停に到着しました。
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1999年に開館した諸橋近代美術館は、いわき市出身でスポーツ用品店「ゼビオ」の創立者である諸橋廷蔵氏が蒐集した西洋美術作品を公開する美術館で、とりわけ約340点余りに及ぶダリのコレクションで知られています。
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磐梯朝日国立公園内の5.5万平方メートル以上の広大な敷地内に建てられたのは、「中世の馬小屋」をイメージしたという約2000平方メートルの施設で、それこそヨーロッパの景色と見間違うような佇まいを見せていました。
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エントランスを抜けて受付を済ませると、すぐ裏にミュージアムショップ、そして右手にカフェがありました。ほとんどの来館者は車でやって来ているようで、駐車場にも何台か車が停まっていましたが、まだ午前中の比較的早い時間ゆえか人出はまばらでした。
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なおコロナ禍を踏まえ、入口で消毒と自動での検温の対応のほか、館内滞留人数の掲示などが行われていました。また受付でダリにちなみ、マスクに貼ることのできる髭のシールが配られるなどのしゃれた試みもなされていました。
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この日に開催されていたのはテーマ展「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」で、サルバドール・ダリのほか、キリコやエルンスト、ミロの作品に加え、同館がダリともにコレクションの中核にしているイギリスの現代美術家、PJ クルックの作品が公開されていました。
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PJ クルックの作品は、現在35点を有していて、1995年に諸橋廷蔵がクルックとパリのギャラリーで会ったことからコレクションがはじまりました。いずれの作品も時事的なモチーフを取り込みつつ、キャンバスだけでなく額縁へとイメージを拡張させていて、風刺的な味わいが感じられるとともに、シュールな世界を築き上げていました。
諸橋近代美術館のダリ・コレクションで興味深いのは、平面の作品とともに、外光を取り込むホールにて多くのブロンズなどの立体彫刻が展示されていることでした。少なくとも国内においてこれほどまとめてダリの彫刻を見られる美術館はほかにないかもしれません。
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一通り作品を鑑賞した後は、ミュージアム・カフェで新メニューの「マシュマロ入り ココバナナ」をいただきました。カフェにおいても彫刻ホールと同様、庭の庭園や磐梯高原の豊かな自然を望むことができました。なお同館では展示室内の撮影はできません。
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お昼を過ぎて美術館を出ると、徒歩で移動可能な磐梯高原の名所、五色沼へと行くことにしました。国道459号線を少し北に歩くとすぐに沼への案内看板が現れ、売店やレストハウスが並ぶ五色沼の入口に辿り着くことができました。さすがに人気の観光地ゆえに多くの人々で賑わっていました。
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五色沼とは磐梯山の北側に点在する大小30余りの湖沼群を指していて、毘沙門沼、赤沼、るり沼などを巡る全長4キロのトレッキングコースが整備されています。
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本来であればコースに沿って沼を巡っていくのが良かったかもしれませんが、あいにくバスの時間の関係もあり、毘沙門沼の周辺のみを少しだけ散歩することにしました。
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ボート乗り場もある毘沙門沼は裏磐梯ビジターセンター側に位置し、五色沼でも特に人の多いスポットでありつつ、磐梯山を望む展望台も設置されています。
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まだ見頃とまでは言えませんが、一部の樹木は朱色に染まっていて、写真を楽しむ人の姿も見受けられました。またお天気にも恵まれたからか、冷ややかな高原の風も心地よく感じられました。
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五色沼をしばし散策した後は、再びバスに乗車して起点となった猪苗代駅へ戻りました。そして磐越西線に乗車し、会津若松を目指しました。
「中編:会津さざえ堂と東山温泉向瀧」に続きます。
「コレクションテーマ展「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」 諸橋近代美術館(@dali_morohashi)
会期:2021年7月13日(火)〜11月7日(日) *会期終了後、11月8日より来年4月26日まで冬季休館
休館:会期中無休
時間:9:30~17:00 *入館は閉館の30分前まで
料金:大人1300(1000)円、高校・大学生500(300)円。中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093番23
交通:JR線猪苗代駅より磐梯東都バス「五色沼・磐梯高原」行きに乗車(約25分)、諸橋近代美術館バス停下車すぐ。無料駐車場あり。
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東京駅から「やまびこ」に乗車し、郡山駅で磐越西線に乗り換え、磐梯高原への玄関口に当たる猪苗代駅に着いたのは10時半前でした。
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猪苗代駅からは磐梯高原へのアプローチは路線バスで、駅からバスに乗ること約30分、樹々の色づく山々を車窓に見ていると諸橋近代美術館のバス停に到着しました。
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1999年に開館した諸橋近代美術館は、いわき市出身でスポーツ用品店「ゼビオ」の創立者である諸橋廷蔵氏が蒐集した西洋美術作品を公開する美術館で、とりわけ約340点余りに及ぶダリのコレクションで知られています。
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磐梯朝日国立公園内の5.5万平方メートル以上の広大な敷地内に建てられたのは、「中世の馬小屋」をイメージしたという約2000平方メートルの施設で、それこそヨーロッパの景色と見間違うような佇まいを見せていました。
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エントランスを抜けて受付を済ませると、すぐ裏にミュージアムショップ、そして右手にカフェがありました。ほとんどの来館者は車でやって来ているようで、駐車場にも何台か車が停まっていましたが、まだ午前中の比較的早い時間ゆえか人出はまばらでした。
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なおコロナ禍を踏まえ、入口で消毒と自動での検温の対応のほか、館内滞留人数の掲示などが行われていました。また受付でダリにちなみ、マスクに貼ることのできる髭のシールが配られるなどのしゃれた試みもなされていました。
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この日に開催されていたのはテーマ展「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」で、サルバドール・ダリのほか、キリコやエルンスト、ミロの作品に加え、同館がダリともにコレクションの中核にしているイギリスの現代美術家、PJ クルックの作品が公開されていました。
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PJ クルックの作品は、現在35点を有していて、1995年に諸橋廷蔵がクルックとパリのギャラリーで会ったことからコレクションがはじまりました。いずれの作品も時事的なモチーフを取り込みつつ、キャンバスだけでなく額縁へとイメージを拡張させていて、風刺的な味わいが感じられるとともに、シュールな世界を築き上げていました。
諸橋近代美術館のダリ・コレクションで興味深いのは、平面の作品とともに、外光を取り込むホールにて多くのブロンズなどの立体彫刻が展示されていることでした。少なくとも国内においてこれほどまとめてダリの彫刻を見られる美術館はほかにないかもしれません。
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一通り作品を鑑賞した後は、ミュージアム・カフェで新メニューの「マシュマロ入り ココバナナ」をいただきました。カフェにおいても彫刻ホールと同様、庭の庭園や磐梯高原の豊かな自然を望むことができました。なお同館では展示室内の撮影はできません。
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お昼を過ぎて美術館を出ると、徒歩で移動可能な磐梯高原の名所、五色沼へと行くことにしました。国道459号線を少し北に歩くとすぐに沼への案内看板が現れ、売店やレストハウスが並ぶ五色沼の入口に辿り着くことができました。さすがに人気の観光地ゆえに多くの人々で賑わっていました。
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五色沼とは磐梯山の北側に点在する大小30余りの湖沼群を指していて、毘沙門沼、赤沼、るり沼などを巡る全長4キロのトレッキングコースが整備されています。
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本来であればコースに沿って沼を巡っていくのが良かったかもしれませんが、あいにくバスの時間の関係もあり、毘沙門沼の周辺のみを少しだけ散歩することにしました。
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ボート乗り場もある毘沙門沼は裏磐梯ビジターセンター側に位置し、五色沼でも特に人の多いスポットでありつつ、磐梯山を望む展望台も設置されています。
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まだ見頃とまでは言えませんが、一部の樹木は朱色に染まっていて、写真を楽しむ人の姿も見受けられました。またお天気にも恵まれたからか、冷ややかな高原の風も心地よく感じられました。
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五色沼をしばし散策した後は、再びバスに乗車して起点となった猪苗代駅へ戻りました。そして磐越西線に乗車し、会津若松を目指しました。
「中編:会津さざえ堂と東山温泉向瀧」に続きます。
「コレクションテーマ展「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」 諸橋近代美術館(@dali_morohashi)
会期:2021年7月13日(火)〜11月7日(日) *会期終了後、11月8日より来年4月26日まで冬季休館
休館:会期中無休
時間:9:30~17:00 *入館は閉館の30分前まで
料金:大人1300(1000)円、高校・大学生500(300)円。中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
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交通:JR線猪苗代駅より磐梯東都バス「五色沼・磐梯高原」行きに乗車(約25分)、諸橋近代美術館バス停下車すぐ。無料駐車場あり。
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