都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」
2019/11/22〜2020/3/8
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」を見てきました。
1953年に設立された日本デザインコミッティーには、現在、26名のデザイナーや建築家が名を連ね、プロダクトデザインの選定やデザイン展などを行っては、「日本のデザインに貢献」(解説より)してきました。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」展示風景
そうしたデザイナーらの原画などが21_21 DESIGN SIGHTへと一堂に会しました。そして単に原画といえども、手書きのスケッチなどに留まらず、デザインのプロトタイプからスタディ模型、或いはメモや日記帳、はたまた蔵書や自転車、展覧会チケットまでもが紹介されていました。
黒川雅之「COBRA」 株式会社ヤマギワ 1974年
まさか「原画」と名付けられた展覧会で、照明器具が公開されているとは思いませんでした。建築家でプロダクトデザイナーの黒川雅之の「COBRA」は、1974年にヤマギワより発表されたデスクライトで、ネックの部分がそれこそ蛇のように可動するため、様々な場所へ明かりを照らせるように設計されました。
松永真「ウーノのロゴタイプ」 株式会社資生堂 1992年
ベネッセや国立西洋美術館のCI計画や、スコッティや資生堂ウーノのデザインなどでも知られる松永真は、一連のロゴタイプに加えて、1990年より書き続けたオリジナルの日記帳を展示していました。
松永真の日記帳(現物) 株式会社第一紙行 他 1996年
松永は1日1ページしかない従来の日記帳がスペースに不足すると考え、左が絵、右に文字を記す1日分を見開きとして日記帳をデザインしました。いわば愛用の必需品として作り続けていくそうです。
面出薫「東京駅丸の内駅舎ライトアッププロジェクト」 2012年
照明デザイナーの面出薫で目を引いたのは、展示台の上に置かれた東京駅丸の内駅舎の模型でした。これは同駅舎のライトアッププロジェクトの際のデザインの際に用いられた模型で、実際にスイッチを入れ、明暗をコントロール出来るようになっていました。
隈研吾「高輪ゲートウェイ駅 屋根の細部スタディ」
同じく駅舎といえば、駅名決定の際に物議を醸した高輪ゲートウェイ駅のスタディも興味深いかもしれません。言うまでもなく手掛けたのは建築家の隈研吾で、折り紙をモチーフに障子を思わせる大屋根の模型などがいくつも並んでいました。
平野敬子「大分県立美術館(OPAM)サインの模型」 大分県 2015年 / 「東京国立近代美術館60周年のトートバック試作手縫い」 東京国立近代美術館 2012年
美術館に関したデザインでは平野敬子の展示も見過ごせませんでした。ここでは東京国立近代美術館のシンボルマークや、2015年に開館した大分県立美術館の立体サイン模型が展示されていました。2012年に近代美術館60周年を記念して作られた、試作のトートバックも珍しい資料かもしれません。
原研哉「東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムのスケッチ」 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 2015年
原研哉の手書きのスケッチ類にも目を奪われました。中でも竹尾ペーパーショウのアートポスターや、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムスケッチ案は、いずれも繊細なタッチで描かれていて、大変に魅力的でした。
田川欣哉「メルカリのデザイン検討資料」 メルカリ 2018年〜
今回の展示のディレクションを担ったデザインエンジニアの田川欣哉は、メルカリのデザイン検討資料とともに、マル秘展そのもののコンセプト資料などを公開していました。
田川欣哉「マル秘展のコンセプト資料」 21_21 DESIGN SIGHT 2015年
そこには展示、ウェブサイト、デジタルアーカイブ、インタビュー、トークイベントの5本の柱から構成された展覧会全体のプランが事細かに記されていて、マル秘展の成立プロセスを見知ることも出来ました。展覧会の生い立ちを辿れる資料と呼べるかもしれません。
「作家たちの椅子」展示風景
この他、日本デザインコミッティーの新旧のメンバーの使った椅子も置かれていて、実際に座ったり、各種資料を閲覧することも可能でした。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」展示風景
展示資料は想像以上に膨大でした。時間に余裕を持って出かけられることをおすすめします。
会場内の撮影も可能でした。3月8日まで開催されています。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2019年11月22日(金)〜2020年3月8日(日)
休館:火曜日。但し12月24日、2月11日は開館。年末年始(12月26日〜1月3日)。
時間:11:00~19:00
*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」
2019/11/22〜2020/3/8
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」を見てきました。
1953年に設立された日本デザインコミッティーには、現在、26名のデザイナーや建築家が名を連ね、プロダクトデザインの選定やデザイン展などを行っては、「日本のデザインに貢献」(解説より)してきました。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」展示風景
そうしたデザイナーらの原画などが21_21 DESIGN SIGHTへと一堂に会しました。そして単に原画といえども、手書きのスケッチなどに留まらず、デザインのプロトタイプからスタディ模型、或いはメモや日記帳、はたまた蔵書や自転車、展覧会チケットまでもが紹介されていました。
黒川雅之「COBRA」 株式会社ヤマギワ 1974年
まさか「原画」と名付けられた展覧会で、照明器具が公開されているとは思いませんでした。建築家でプロダクトデザイナーの黒川雅之の「COBRA」は、1974年にヤマギワより発表されたデスクライトで、ネックの部分がそれこそ蛇のように可動するため、様々な場所へ明かりを照らせるように設計されました。
松永真「ウーノのロゴタイプ」 株式会社資生堂 1992年
ベネッセや国立西洋美術館のCI計画や、スコッティや資生堂ウーノのデザインなどでも知られる松永真は、一連のロゴタイプに加えて、1990年より書き続けたオリジナルの日記帳を展示していました。
松永真の日記帳(現物) 株式会社第一紙行 他 1996年
松永は1日1ページしかない従来の日記帳がスペースに不足すると考え、左が絵、右に文字を記す1日分を見開きとして日記帳をデザインしました。いわば愛用の必需品として作り続けていくそうです。
面出薫「東京駅丸の内駅舎ライトアッププロジェクト」 2012年
照明デザイナーの面出薫で目を引いたのは、展示台の上に置かれた東京駅丸の内駅舎の模型でした。これは同駅舎のライトアッププロジェクトの際のデザインの際に用いられた模型で、実際にスイッチを入れ、明暗をコントロール出来るようになっていました。
隈研吾「高輪ゲートウェイ駅 屋根の細部スタディ」
同じく駅舎といえば、駅名決定の際に物議を醸した高輪ゲートウェイ駅のスタディも興味深いかもしれません。言うまでもなく手掛けたのは建築家の隈研吾で、折り紙をモチーフに障子を思わせる大屋根の模型などがいくつも並んでいました。
平野敬子「大分県立美術館(OPAM)サインの模型」 大分県 2015年 / 「東京国立近代美術館60周年のトートバック試作手縫い」 東京国立近代美術館 2012年
美術館に関したデザインでは平野敬子の展示も見過ごせませんでした。ここでは東京国立近代美術館のシンボルマークや、2015年に開館した大分県立美術館の立体サイン模型が展示されていました。2012年に近代美術館60周年を記念して作られた、試作のトートバックも珍しい資料かもしれません。
原研哉「東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムのスケッチ」 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 2015年
原研哉の手書きのスケッチ類にも目を奪われました。中でも竹尾ペーパーショウのアートポスターや、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムスケッチ案は、いずれも繊細なタッチで描かれていて、大変に魅力的でした。
田川欣哉「メルカリのデザイン検討資料」 メルカリ 2018年〜
今回の展示のディレクションを担ったデザインエンジニアの田川欣哉は、メルカリのデザイン検討資料とともに、マル秘展そのもののコンセプト資料などを公開していました。
田川欣哉「マル秘展のコンセプト資料」 21_21 DESIGN SIGHT 2015年
そこには展示、ウェブサイト、デジタルアーカイブ、インタビュー、トークイベントの5本の柱から構成された展覧会全体のプランが事細かに記されていて、マル秘展の成立プロセスを見知ることも出来ました。展覧会の生い立ちを辿れる資料と呼べるかもしれません。
「作家たちの椅子」展示風景
この他、日本デザインコミッティーの新旧のメンバーの使った椅子も置かれていて、実際に座ったり、各種資料を閲覧することも可能でした。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」展示風景
展示資料は想像以上に膨大でした。時間に余裕を持って出かけられることをおすすめします。
【新着】『㊙展』で覗くデザイナーたちの仕事の裏側。https://t.co/JYAor5lowR pic.twitter.com/hmIj3M6wOO
— Pen Magazine (@Pen_magazine) January 22, 2020
会場内の撮影も可能でした。3月8日まで開催されています。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2019年11月22日(金)〜2020年3月8日(日)
休館:火曜日。但し12月24日、2月11日は開館。年末年始(12月26日〜1月3日)。
時間:11:00~19:00
*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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