太田記念美術館にて『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』が開かれています

3歳にて来日し、生涯を日本で送った画家、ポール・ジャクレー(1896〜1960年)は、ミクロネシアの島々や朝鮮、また中国などにたびたび滞在すると、同地の人々の暮らす様子を版画に表現しました。



そのジャクレーの版画を紹介するのが『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』で、画家のたどった軌跡と見どころについてWEBメディアのイロハニアートへ寄稿しました。

ポール・ジャクレーの新版画、華やかな色彩の世界への招待。@太田記念美術館 | イロハニアート

今回の展覧会の最大の特徴は、ジャクレーが手がけた全162点の新版画を前期と後期に分けてすべて紹介されることで、軽井沢町追分宿郷土館で開催された『軽井沢を愛したフランス人浮世絵師 ポール・ジャクレー全木版画展』(2021年)以来、首都圏では初めてのこととなります。

ジャクレーが最初の新版画を制作したのは38歳の時のことで、それから自らが彫師と摺師を指揮する私家版の手法にて独自の芸術性を追求しつつ、作品を世に送り出しました。



仕事に対して厳格であったジャクレーは、工房でも彫師や摺師のそばを離れることなく、版画制作の工程に目を光らせていて、使用する絵具や摺りの仕上がりにもこだわりを見せていました。

そして時に200回以上も摺りを重ねて作られた版画は、赤や水色、黄色や紫などの瑞々しい色彩を魅力としていて、衣服の細かな紋様なども実に精緻に象られていました。



私も早速初日に会場へ出向き、作品を目にしましたが、その色彩美に魅せられるとともに、顔のあごや細い指先などを表す滑らかでかつ艶やかな線にも大いに心を惹かれました。


改めて展示替えの情報です。会期中、前後期において作品がすべて入れ替わります。

『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』
前期:6月3日(土)〜6月28日(水)
後期:7月1日(土)〜7月26日(水)

なお会期中、2回目以降を観覧する場合は、半券の提示にて割引(200円引)となります。

7月26日まで開催されています。

『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』 太田記念美術館@ukiyoeota
会期:2023年6月3日(土)〜7月26日(水)
 *前期:6月3日(土)〜6月28日(水)、後期:7月1日(土)〜7月26日(水)
 *前期と後期で全点入れ替え
休館:月曜日、6月29日~6月30日(展示替えのため)。
時間:10:30~17:30(入館は17時まで)
料金:一般1000円、大・高生700円、中学生以下無料。
住所:渋谷区神宮前1-10-10
交通:東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 『ワールド・... 『横尾忠則 ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。