『いちはらのお薬師様-流行り病と民衆の祈り-』 市原歴史博物館

市原歴史博物館
『特別展「いちはらのお薬師様-流行り病と民衆の祈り-」』
2023/10/1〜12/24


市原歴史博物館 建物外観

市原歴史博物館にて特別展『いちはらのお薬師様-流行り病と民衆の祈り-』が開かれています。


市原歴史博物館 情報コーナー (特別展の撮影はできません)
 
これはコロナ禍を踏まえて「流行り病」と「民衆の祈り」をテーマに、かつて上総国の国分寺と国分尼寺の置かれたいちはらを中心とする周辺地域の民衆の祈りの姿を、仏像彫刻や古文書などの歴史資料から読み解とくもので、市内のお寺に安置された42体の仏像などが展示されていました。

まず冒頭の「いちはら流行り病史」ではいちはらと上総国にて流行った病を年表の形式にて辿っていて、古くは709(和銅2)年の上総・越中にて起こった疫病から、明治以降、ジフテリアやスペイン風邪などが度々流行してきたことを知ることができました。



そしていわゆる「赤物」や絵馬に込められた祈りのかたちなどが紹介されていて、疱瘡神を退ける力をもつ源為朝にあやかり奉納された飯香岡八幡宮(市原市八幡)の『源為朝大絵馬』などを見ることができました。

いちはらは上総国における薬師如来信仰の拠点とされていて、市内各地には平安後期の仏像などが多く残されました。いずれの仏像も露出にて並んでいて、中には初めて公開された秘仏といった貴重な仏像も少なくありませんでした。

このほか関東における飛鳥時代の希少な金銅仏作例として知られる龍角寺(印旛郡栄町)の『銅造薬師如来坐像』も見どころといえるかもしれません。


フォトスポット「なりきり薬師如来」

「いちはら歴史ミッションラリー」からフォトスポット「なりきり薬師如来」など、親しみやすく鑑賞できるように工夫された体験型の展示も目を引きました。


市原歴史博物館 民俗展示室

イロハニアートにおいても『特別展「いちはらのお薬師様」』の見どころについて寄稿しました。(こちらでは常設展や歴史体験館のプログラムについても紹介しています。)


特別展「いちはらのお薬師様-流行り病と民衆の祈り-」が市原歴史博物館にて開催中! | イロハニアート


市原歴史博物館 歴史体験館

会期は残り約1週間です。12月24日まで開催されています。

『特別展「いちはらのお薬師様-流行り病と民衆の祈り-」』 市原歴史博物館@imuseum2022
会期:2023年10月1日(日)〜12月24日(日)
休館:月曜日。月曜日が祝日の場合、翌平日休館。
時間:9:00~17:00
 *最終入場は16:30まで。
料金:一般800円、高校生500円、中学生以下無料。
住所:千葉県市原市能満1489番地
交通:【平日】JR内房線五井駅東口より小湊バス「市原歴史博物館・中央武道館」行き乗車約20分。「市原歴史博物館」(終点)下車、徒歩2分。【土日祝日】五井駅東口と市原歴史博物館の間で無料シャトルバスを運行。(特別展開催中。先着順、9名まで)
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