2021年12月に見たい展覧会【深堀隆介/池内晶子/ミヤケマイ×華雪】

関東の平野部でも紅葉のピークに達し、いよいよ冬本番を迎えようとしています。



今年も残すところあと1ヶ月を切り、来年の展覧会のスケジュールを特集した雑誌も目につくようになってきました。また専門家諸氏による1年の展覧会の振り返る企画も、年末に向けて新聞紙面に掲載されるかもしれません。

12月も興味深い展覧会が少なくありません。まずは気になる展覧会をリストアップしてみました。

【展覧会】

・「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」 パナソニック汐留美術館(10/9~12/19)
・「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」 根津美術館(11/3~12/19)
・「上野アーティストプロジェクト2021 Everyday Life : わたしは生まれなおしている」 東京都美術館(11/17~2022/1/6)
・「開館60周年記念展/千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 日出づる処の天子」 サントリー美術館(11/17~2022/1/10)
・「つくる・つながる・ポール・コックス展」 板橋区立美術館(11/20~2022/1/10)
・「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」 国立科学博物館(10/14~2022/1/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~2022/1/16)
・「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」 三菱一号館美術館(10/15~2022/1/16)
・「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」 市原湖畔美術館(10/16~2022/1/16)
・「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」 川崎市岡本太郎美術館(10/23~2022/1/16)
・「アイヌプリ―北方に息づく先住民族の文化―」 國學院大學博物館(11/18~2022/1/22)
・「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」 群馬県立館林美術館(11/23~2022/1/26)
・「ミヤケマイ×華雪  ことばのかたち かたちのことば」 神奈川県民ホールギャラリー(12/20~2022/1/29)
・「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」 水戸芸術館(11/13~2022/1/30)
・「矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法」 神奈川県立近代美術館 葉山(11/27~2022/1/30)
・「ザ・フィンランドデザイン展 自然が宿るライフスタイル」Bunkamuraザ・ミュージアム(12/7~2022/1/30)
・「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」 上野の森美術館(12/2~2022/1/31)
・「大林コレクション展 安藤忠雄 描く/都市と私のあいだ/Self-History」 WHAT(9/25~2022/2/13)
・「Viva Video! 久保田成子展/クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]/ユージーン・スタジオ 新しい海」 東京都現代美術館(11/20~2022/2/23)
・「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」 世田谷美術館(11/20~2022/2/27)
・「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」 府中市美術館(12/18~2022/2/27)
・「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか」 すみだ北斎美術館(12/21~2022/2/27)
・「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」 ポーラ美術館(9/18~2022/3/30)
・「21_21 DESIGN Future SIGHT」 21_21 DESIGN SIGHT(12/21~2022/5/8)

【ギャラリー】

・「名和晃平 TORNSCAPE」 SCAI THE BATHHOUSE(11/2~12/18)
・「大竹伸朗 : 残景」 Take Ninagawa(10/30~12/18) 
・「第15回 shiseido art egg 中島伽耶子展」 資生堂ギャラリー(11/23~12/19)
・「塩田千春  Cold Fever - 冷めた熱」 KENJI TAKI GALLERY / Roppongi(11/13〜12/25) 
・「篠原有司男 吾輩のパンチがオーロラに炸裂!」 ANOMALY(12/4~2022/1/15)
・「岡本瑛里展 素兎を南に追って」 ミヅマアートギャラリー(12/1~2022/1/15)
・「144人のクリエイターと豊橋の職人がつくる 百年前掛け」クリエイションギャラリーG8、ガーディアン・ガーデン(12/9~2022/1/22)
・「植田正治を変奏する」 東京工芸大学写大ギャラリー(11/29~2022/1/29)
・「Landscape やわらかな地平のその先に」 ポーラ ミュージアム アネックス(12/10~2022/1/30)
・「ドヴァランス_デザインのコモンセンス」 GYRE GALLERY(12/10~2022/2/13)
・「石川直樹―STREETS ARE MINE」 ギャラリー エー クワッド(12/10~2022/2/17)
・「クリスチャン・マークレー Voices[声]」 ギャラリー小柳(11/24~2022/2/26)
・「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築」 TOTOギャラリー・間(10/22~2022/3/20)
・「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/10~3/12)

今月はいずれも現代美術に注目したいと思います。まずは金魚を描く画家の個展です。上野の森美術館にて「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」が開催されます。



「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」@上野の森美術館(12/2~2022/1/31)

1973年に愛知県に生まれた深堀は、器の中に樹脂を流し込み、絵具で金魚を立体的にでかつリアルに描く作品で知られ、これまでにも国内外にて広く注目を集めてきました。その深堀の意外にも東京の美術館としては初めての個展が「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」で、約300点もの金魚をモチーフとした作品が展示されます。


近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れている深堀だけに、また新たな制作の方向性を示すような展示となるかもしれません。

続いては絹糸を用いた作品で知られる池内晶子の展覧会です。府中市美術館にて「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」が開かれます。



「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」@府中市美術館(12/18~2022/2/27)


1967年に生まれた池内晶子は、1980年代の終盤から糸を作品に取り込むようになり、絹糸をつないだかたちを空気を含んだ彫刻や絵画のように展開するインスタレーションなどを制作してきました。今回の美術館での初個展となる「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」では、展示室を大胆に用いて、ほぼ現場での制作による新作が公開されます。30年以上も糸とともに作品を作る池内の現段階での集大成とも呼べる展示となりそうです。

ラストは気鋭のアーティストのコラボレーション展です。神奈川県民ホールギャラリーにて「ミヤケマイ×華雪  ことばのかたち かたちのことば」が行われます。



「ミヤケマイ×華雪  ことばのかたち かたちのことば」@神奈川県民ホールギャラリー(12/20~2022/1/29)


日本の伝統的な美意識や工芸的手法を現代へとつなぎ、書画などの作品を制作してきたミヤケマイは、展覧会だけでなく企業とのコラボや本の装丁などで幅広く活動してきました。そのミヤケマイとともに展示に取り組むのが書家の華雪で、港に面した県民ホールギャラリーの立地に鑑みて、舟や水を用いた大規模なインスタレーションなどが公開されます。これまでクロスすることのなかった2人の邂逅とともに、特徴的なスペースを有するギャラリーの空間をいかに用いるかにも注目を集めそうです。

なお12月のおすすめ展覧会をイロハニアートへも寄稿しました。そちらもお出かけの参考にしていただければ幸いです。


タイガー立石から佐藤雅晴、それに「金魚」を描く深堀隆介まで。12月に見たいおすすめ展覧会5選:イロハニアート

それでは今月もどうぞよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「和田誠展」... 「第15回shise... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。