植苗病院で続けている森林療法(ねおす・私としては自然療育)時間と空間づくりが、やっと、「これだ!」というプログラムフローになってきました。
まだまだ樹木によっては芽吹きが進んでいませんが、遠く近くに目を向けると、産毛のある透き通た若葉が広がり始め、足元には小さな野の花が咲いています。 春を見つけながら森を歩き、 森づくりボランティアチームがつくってくれた広場にシートを広げてリラックスタイム。
今日は、背筋を伸ばして座して胸を開いて深呼吸。 鼻から喉を通って肺に入る新鮮な空気の流れをゆっくりと意識します。 大地に寝ることができる人は仰向けになり、自分の呼吸を意識しながら、耳もそばたて風の音や鳥のさえずりを感じます。 自分の感覚器官を使い、外界と自分、自然環境の中にいる「自分」を感じてもらいます。
これができるようになるには、訓練が必要です。 訓練と言っても難しいことではありません。 呼吸をまず意識できるようになることから始まります。
その後、焚き火用の薪を作るために、森づくりチームが切っておいた枝や幹を持ち帰ります。 ここまで、30分ほど。
そして、病院の庭に広げた野外喫茶・CHANOVAで、ハーブティ、足湯手湯を楽しみゆっくりした時間を過ごします。 身体を動かしたい人にはノコギリで薪を切ってもらい、自然の枝や花を素材にしたクラフトもできるようにしておきます。 自分のペースで自分の時間を他者と関わりながらできるような、時間と空間をデザインします。
参加者は精神疾患がある方々ですが、症状は、他者(自然・まわりの環境、そして人)との関わりが上手にできなくなっている状態ですから、ゆっくりゆったりとした、それでいて、何かと繋がれるような時間と空間をご提供しています。