高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

秋の40kmウォーク

2014-10-12 20:08:46 | プログラム 子ども

秋の恒例、太平洋静狩浜から日本海寿都湾への40Kmウォーク。 札幌で幌平橋から支笏湖までの40Kmウォーキングをしていた時代がありました。 私が黒松内に移住した2001年からはぶなの森自然学校がねおすと共催で実施するようになりました。 夏休みにも実施しているので、通算40回くらいになっているでしょう。(毎年、ちゃんと数えようとして失念) なんと、全てに参加している(歩いたことは確か、3回か4回、他は支援スタッフ)のは、世界で私ひとりだけ、と自慢にならないような自慢。

毎年、コース設定に悩んで来ました。 太平洋と日本海は直線距離で20数Kmしかありません。ゆえに、どこをコースとするかに頭を悩ませます。 使われなくなった町営牧場の小山を登り降りするコースは夏の炎天下では直射を遮る木がない、秋になると熊が心配・・・。 車の往来が多い、ゴール近くで完歩後に入る温泉の前を通るのはモチベーションが落ちる、熱郛高原と呼んでいる丘陵地帯の農道から道道に降り再び登り返すのは辛い・・などなど意見を頂きながらも、不思議と続いてきた催事です。ここ2、3回はルートが固定していました。(丘陵の登り返しはある)多少長いが41Kmまではないというコースです。 ところが、今年はそれらを全て解消する(秋のクマだけは・・クラクションを鳴らしてクマさんにお知らせするしかない)妙案が、理論は巽くんから提示されました。

なんで、そんなことに考えが至らなかったのだろう!!! (考えたことはあるにはあったが、通路を刈払機で開けねばならぬなど労力的、交渉的な問題があり採用しなかった。) 

それは、スタートから計算して作るのではなく、ゴールから逆算する方法だった。 スタートは砂浜ですぐに町道に上がるルートだったが、その町道が直線で長い。砂浜との間は低い笹で覆われている。 というわけで、今回はスタートの寿都湾側から距離計測しながら、コースづけ(標識)を行いました。 車のメーターがきっちりと5Km、10Kmと刻むごとに逆算数字、35Km地点、30Km地点と切ってゆきました。 そして、最後・・・・・・・・・、つまりスタート地点は・・・・。

予想外に足りない分が出てしまった。 なんと、考えていた町道から交通量の多い国道に出てしまい、まだ、1Km以上足りない!!! 海岸からも離れてしまう。 国道横でまさか、勝手に刈払機を使って笹刈り、潅木切りはできないし、時間もない・・・・・あぉ~~~~~、

ともかくも、国道を少し辿ってみることにしました。 とことん困った時は、神様、天は味方をするものです!! きっちり40Km地点(車の距離計の誤差があるので、40.1Kmに表示が変わらない)に浜に降りることができる大きな道がついていたのでした。 ここを、スタート地点とすることにしました!!

ということで、一部変更の新ルートのスタートは、約1.5Kmほども太平洋の海岸浜を歩くことになりました。


途中には、先行者の善意の激励のチョーク落書き。 (厳密法律的にはいかんことですが、子どもの行事ということで、警ら巡回して頂いているおまわりさんからもお咎めはありません。2日もすると夜露朝露で泡沫消滅) これはけっこうな励みとなります。

今年の参加者のペースはとても早かった。 ゴールをイメージしながらみんなしっかりと日本海を目指していました。 日没前にほとんどが到着。 とはいえ、朝7時出発ですから、10時間以上あるいた子どもたちも大勢います。 最速は7時間ちょっとでした。 2年生以下は強い希望がない限りは20Kmウォークですが、それも含めてほぼ全員完歩。 本人の名誉のために詳細はかけませんが、スタッフの間には語り継がれるであろうドラマもありました。 かいつまんで・・少しだけ・・・

ゴールを目指して順調に歩いていたその子のその時は・・、突然やってきた。 人生始めての予想だにしなかった事態に遭遇したのでした。 しかし、それを何とかやり終えた・・、と思いきや、これも物心ついてから、(たぶん)初めての次の事態にあってしまったのです・・・。 それが、自分自身で許せなかった。 せっかく晴れ晴れしい気持ちでゴールを目指したかったのに、それが不意になってしまった。 私が巡回で合った時には、35Kmを超えた場所で、「いったい何事が起きたのだ」と心配するくらいに大声で泣きじゃくって歩いていました。 近づくと・・・

「○○××△◆・・×◎△△○○・・・」と何を言っているのかわからない。 とにかく、彼にとってとっても嫌なことがあって、「もういちど、やりなおしたい~~、このままゴールするのは嫌だぁ~」。リュックサックを背負っていなので、それを問うと、はたと正気に戻って・・・、「あっ、ない。 いつからなくなっているか、わからな~い」と、また、大声で泣き叫ぶ。何があったのか、それでも聞くと・・・パニクっている理由がいろいろと事態がわかってきた。 しかし、泣き叫びながら、彼は大声で言う。 事態対処の方法を提案するも・・・、

「しんぱいしないでぇ~~~。 あるけるぅ~~。 海まで行くぅ~~~!!!!」

この事態で、せっかく先頭グループ付近にいたのに、たいそう遅れをとってしまっていました。 それも自分が許せない理由だったようです。 心配な私はしばらくは伴走していましたが、ともかくもゴールは目指していることはわかったので、近くの中学生にお願いして、いったんその場を離れて別のサポートにゆきました。  しかし、この子の凄かったのは・・・、それからペースをあげて、なんと3番目にゴールしたのです!!!!  お風呂に入ったあとは、憑きが落ちたようにスッキリとしてたそうです。  よかったね。


今回は明るいうちにほぼ全員がゴールを果たしました。  ひとりだけが自然学校までとなりました。34,5Kmでゴールは7時すぎ。 今回一番長く歩きました。それも真っ暗な熱郛高原歩きも体験しました。 私は車で100~200m前を先導してサポート。 かつては子ども自然体験活動イエティくらぶの常連だったKEIにサポートされながら。 彼女は体力がなかったわけではありません。途中、動物や虫などいろいろと見つけながら歩いていたそうです。将来は天文学者になりたいという理科系女子の卵でした。 

 なが~い12時間以上のフィールドワークしながらのウォークに付き合うのは、イエティくらぶの真髄を体験してきたKEIだからできたことだなあ。  

ゴールの自然学校では、先に到着していた子どもやスタッフで総出迎えでした。


今回の40Kmウォークは私の中でも、新しい気づきや発見がたくさんあり、参加者の皆さんにも「ありがとう」と心から感じています。天にも自然にも感謝です。

 この催事を続けられたことを素直に喜べています。 

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