8号室は4人部屋で
入口からはいって右手前(廊下側)が、これからの私の仮住処になった。
トイレとお風呂場、洗濯室は 私の部屋からはずいぶん離れていると感じた。
まだ十分に歩けるから運動と思えばちょうどよい。
廊下ですれ違う患者さんをよくみると、高齢者が多くて車イス。
自分で動ける人はほんの数人。それぞれに看護師さんがよりそっている。
しかも男性患者さんが多いのに気がついた。
初めての入院の時先生から
「この病気は中年以降の、特に女性に多い病気ですよ」と聞いていたから。
一人で歩ける男性患者さんも、足取りはトボトボで心もとない。
キッと呼吸も辛いのだろうな。
同じ部屋の一人で仲良しになった仮にYさんとしておきましょう。
小柄ながらとても愛嬌がよくて、病人さんとは思えないほどに明るい。
朝、顔をあわせると「今日も一日よろしくおねがいしま~す」と
笑顔でご挨拶をうける。
「こちらこそ、よろしく・・・」
病院にいることを瞬時忘れさせるほどに愛らしい。
時々見舞いに訪れる娘さんはまだ若いので、Yさんは70才前半だとおもう。
退院前にそっと教えていただいたのは
「肺ガンの手術をうけましてね。病巣が転移しているので7月初めに
また入院したのですよ」と意外の明るさにすくわれた。
他のお二人は喘息ときいた。間質性肺炎、肺気腫、気胸ほかいろいろ・・・
一口に呼吸器の病といってもいろいろあるなぁと、改めて知ることになった。
「私の友人にも数年前に同じ手術を受けた方がいますが
今はとてもお元気で、ひ孫さんのお世話もしっかりこなしてありますよ」
Yさんは、私の話を笑顔絶やさずに聞いてくださった。
退院の朝、「今度は病院以外の場所で会いましょうね」と約束をした。
ある日の昼食 好きな ”ちらし寿司”
これは珍しく完食、彩に誘われてとてもおいしくいただきました。