Mちゃんの左の瞼は大きく腫れあがり、今にもつぶれそうな目。
足元もふらついてあぶなかしくて、壁によりかかってようやく立っている。
「この間も自転車で転んでねぇ。足はふらつくし、時々頭痛もあるし。自転車はもう危ないから止めたよ」 声にも元気がない。
大分まえに、お風呂場で転んだとも聞いたことがある。
私は、Mちゃんの姿を見て もう自転車どころではなかった。
「病院には?」
「昨年12月末に市立病院でMRI検査してもらったら、頭の中に(脳)なんかできているって」
「なんかって何?」
「うん、2月初めにもう一度検査してみましょう」って。
「手術を進められたけど、もう年も年だし手術に耐えられるかもわからん。術後のことも思うとねぇ、自然に任せようと決めたっですよ」
ご主人がこんな風に話してくださった。Mちゃんはだまって聞いていた。
「そのままで、だいじょうぶ?」という私に、Mちゃんがいった。
「歩くのもふらふらして、物が二重に見えるけど慣れるより仕方なかねぇ。なんとかなると思うよ」
我慢強いMちゃんは、ちょっと笑って言った。
余計なことはあまり聞けないと思った私は「Mちゃん、くれぐれも用心してね」とだけしか言えなかった。
帰ってすぐにインターネットで調べてみた。
転んだ時に頭を打ったのが原因か?
もしかしたら 脳動脈瘤ではないだろうか・・・
(コメント欄は、とじさせていただきました)