
『江戸の坂・東京の坂』その55。今回は西日暮里から日暮里、谷中あたりの坂道を歩く。西日暮里駅は山手線では最も新しい駅で1971年に完成した。しかし、東京メトロ千代田線の方が開通は2年早い。東京メトロの出口は道灌山出口てなっている。

西日暮里駅前を向かいに渡ると緩い坂になっており、左手に向かうと開成学園の前に出る。

その門のあたりから戻るようにグネグネと曲がった坂道があるが、これが『ひぐらし坂』。



なかなか風流な名前だが、実は荒川区によって1990年に付けられたもの。この辺りは『蜩の里』と言われていたたも、この名前になったそうだ。この坂道はまさに道灌山を登っており、開成学園のグラウンドには縄文時代~弥生時代の竪穴住居跡も発見された道灌山遺跡が存在する。

坂を登りきるとすっかり静かな住宅街に入り、その先には左手が大きく広がり、山手線や東北新幹線などがよく見える。


その先を左手に折れ、道なりに歩くと向陵稲荷という小さな神社の横に出る。そこから弓なりに曲がる坂道が『向陵稲荷坂』、そのままである。この坂道は開成学園の2つの敷地の真ん中にあり、渡り廊下も付いている。


坂を下まで降り、右手に曲がると道灌山幼稚園の前に、その先を右に弓なりに曲がる坂道が『道灌山坂』である。


この坂道も幼稚園と保育学校をつなぐ渡り廊下が上に通っている。

山手線際にもかかわらず森のようなところもあり、意外に静かでかつて正岡子規が歌を詠んだ面影が残されたエリアであった。(以下、次回)