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『東京23区よもやま話』その3。東京35区を23区(当初は22区)にするため、統合したのは主に中心部であった。新たな区()内が元の区であるが、千代田区(麹町、神田)、中央区(日本橋、京橋)、港区(芝、麻布、赤坂)、新宿区(四谷、淀橋、牛込)、文京区(小石川、本郷)、台東区(下谷、浅草)、墨田区(本所、向島)、品川区(品川、荏原)、大田区(大森、蒲田)、北区(滝野川、王子)、江東区(深川、城東)となる。
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この中で元の名前を付けたのは品川区だけであり、それ以外はいずれも新たな名前を付けることになった。新たな名前は(1)位置的なもの、中央区、北区、江東区、港区。(2)町の中心をつけたもの、千代田区(江戸城を千代田城と言っていた)新宿区。などがあるが、かなり苦労の跡が見受けられるものもある。
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(大田区)
まずは大田区、これは旧区の『大森』の『大』と『蒲田』の『田』を足して新たな区の名前にしたもの。そのため、大田区の大には点はない。
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(台東区)
台東区は『日出でる処衆人集まって栄える場所』を意味する中国・清の康熙辞典にある言葉から取った。よく間違えるが、『だいとうく』ではなく、『たいとうく』と濁らない。
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文京区は東大やお茶の水女子大、東京教育大(現在、筑波大学)など教育施設が多く、文教地区からこの名前になった。
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(墨田区)
墨田区は隅田川が流れているからでつけられたのだが、隅田川堤を墨堤と呼んでいたのでこの『墨』と隅田川の『田』をあわせて命名した。隅田区にならなかったのは『隅』が当用漢字になかったからと言われている。同じように港区の候補として『愛宕区』というのもあったが、同じ理由で見送られた。
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(新宿区)
新たな名前を歴史のある所につけようとすると必ず揉めるのは今も昔も変わらない。単なる表示では済まされない愛着のある名前は簡単に諦められないようである。