『メトロに乗って』その45。今回は東京メトロ銀座線に乗って上野駅で降りる。上野〜浅草は日本で最初に地下鉄が開通した区間。工事を開始したのが1925年、つまり大正時代。
開通は1927年、つまり来年で90周年にもなるのだ。銀座線は未だに第三軌道方式で6両、しかも車両も短い。そのため、日中も混雑が激しい。そのため、2020年の東京オリンピックに向けて銀座線全線に渡り改修中で上野駅も最中にある。
駅を降りて地上に上がろうとするが、通路がわかりにくい。やっとの思いで上がると東京地下鉄本社前に出る。
目の前には昭和通り、左に向かう道が浅草通りである。巨大な歩道橋を上るとクラシックなJR上野駅前に出る。今日はこの駅を歩いてみる。正面入口横には旧貴賓室入口がある。かつては皇族が東北方面に向かう際に一休みをした場所である。
正面入口から中に入ると天井が高い。そしてかつては出発案内板が並べきれないほど並んだ中央改札も電光掲示板にかわられている。すぐ横あたりには朝倉文夫作の翼の像があり、待ち合わせ場所となっている。
中央改札上には猪熊弦一郎作の壁画『自由』が掲げられて上野駅を代表する風景となっている。
そのまま改札を抜けると13〜17番線のいわゆる地平ホーム(暗いが地下ホームではない)がある。
これらは上野駅始発の櫛形ホームとなっており、上野・東京ライン開業後は発車する列車が激減。特に常磐線特急に関してはひたちが15本中、朝の2本のみ、ときわも9時半から17時半までは一本もない、つまり日中は殆ど稼働しない寂しいホームとなっている。
かつてはホーム内に改札もあったが、今はなく、夜行急行『八甲田』『津軽』や寝台特急『ゆうづる』『あけぼの』などで旅行した私などにとっては隔世の感がある。
しかし、コンコースには朝倉文夫作『三相』という彫刻が何も変わらないように置かれていた。(以下、次回)