『メトロに乗って』その60。仲井堀親水緑道を歩くと500mくらいで終点となる。少し戻り、左手に向かうと新中川に出る。
ここには涼風橋という新しい橋が架かっているが、これは『すずかぜばし』と読む。2006年に出来たばかりの橋であり、確かに橋の真ん中あたりは涼しい風が通り、気持ちが良い。
隣の春江橋やひとつ先の瑞江大橋のような1960年に新中川ができた際に作られた橋よりデザイン性もかなり高い。
橋を渡ってしばらく歩くが、この辺りは全てがフラットで川と道路が平行になく、また、住宅街であることからどこに向かうのかが分からなくなる。
途中で見当を付け、左に曲がると大きな木が立ち並ぶ場所を発見、ようやく大雲寺に辿り着く。
大雲寺は1620年に天蓮社梵誉上人が二代将軍秀忠に浅草に寺地3000坪を拝領して創建した由緒ある寺であるが、1668年に焼失、さらに関東大震災で焼失して1931年にこの地に落ち着いたものである。
この寺は通称『役者寺』と呼ばれ、江戸から明治にかけての歌舞伎役者の墓石がまとまってある。
その名前は市村羽左衛門、坂東彦三郎、寺嶋家、松本家、中村勘三郎、初代尾上菊五郎など12もの墓石が静かに並んでいた。大雲寺の向かいは葬儀場で一帯はしずかなものである。
ここからは瑞江駅まで15分くらい、これもフラットな道が続く。歩く人は殆どおらず、皆自転車で追い越して行く、江戸川区のフラットな地形を感じた町歩きであった。