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『江戸の坂、東京の坂』その108。今回は赤塚付近の坂道を歩いてみる。この企画も実は弱い部分がある。東京の中心部にある坂道を行き尽くしつつあることではなく、夏これだけ暑いと体力的に厳しく、日が照りつける中地図を見て歩く厳しさ、さらに坂を登る辛さが加わるともう少し涼しくなってからと考えてしまう。今回は都営地下鉄三田線新高島平駅を降りて赤塚方面を目指す。
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高島平というくらいで駅周辺には整備された道路と規則正しく並んだ高層住宅群が並んでいる。駅を降りてその中をまっすぐ行くと右手には都立高島高校、さらに首都高速5号線を目指す。
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高速道路と交わる高島大門の交差点を越えた先に上り坂が出てくるが、これが『山の坂』。
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これは諏訪神社の東側に『山の家』と呼ばれた田中家があり、その家の裏からの坂道であったため、山の坂と言われた。但し、当時とは少し道が改修されている。
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この長い坂を登って行くと右手に赤塚諏訪神社が出てくる。この神社は田遊びという豊作祈願の神事を行うことで有名である。向かい側には都内では珍しいブドウ園、となりは竹の子公園となっている。
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このあたりからは下り坂となり、新大宮バイパスと平行に走る道に出るが、これを右に曲がると下り坂になる。この坂が『馬坂』。現在は新大宮バイパスができたため、大きく改修されたが、元は牛や馬が通れるよう開削した道であったため、この名前がついた。
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人はというと現在は赤塚公園の中にある『しったり坂』をもっぱら使ったようである。大門は高く、高島平方面は低い地形であったため、田んぼのある高島平に通うための道として使われた古道。階段のくねくねした道でその由来は急坂のため、腰を落として歩くから『尻垂れ坂』、これが転じたなどと言われる。現在は一部の公園利用者しか使っていない薄暗い道である。
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赤塚公園を後にして新大宮バイパスを歩道橋で越えていくと赤塚溜池公園に出る。その向かい側にある崖と下の道をつなぐ階段が『赤バッケ坂』、昔は階段でなく赤土そのものの坂道で、崖はハケと同義語、つまり赤い崖の坂からこの名前が付いている。因みにこの辺りには同様の階段が多くあるが、以前は坂道であったようである。今回はこの坂道で終了、改めて残りの坂道を歩いてみたい。