hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

防府市内をめぐる②〜夏旅行(3)

2018-08-30 05:00:19 | 旅行

防府市めぐりの続き。国分寺から俊乗房重源ゆかりの阿弥陀寺を目指すが、その途中に毛利家庭園・博物館の横に出る。これは見ない手はないと車を停めて炎天下、庭園を目指す。ところがさすが毛利氏、駐車場から池に沿って広い道を歩くと門があり、その横を歩くと橋がある。その先が開けて、ようやく入口にたどり着くが、これが遠い。

左側に博物館、右側に庭園があるが、時間がないので庭園のみにする。入場券を買って中に入るが、パンフをみて驚く。とにかく、広いのである。

まずは目の前に池、その奥には築山が設えてあり、磯庭園と並ぶくらいの大きな石灯籠が作られている立派な庭園。前に立つ元毛利家の屋敷も規模が大きい。しかし、これだけでは終わらない。


左手奥に池を発見、ひょうたん池と名付けられていて、現在はスイレンの花が美しく咲いているのだが、この池が大きい。結局、一周回るのに20分以上かかってしまう。さらに炎天下ひいひい言いながら駐車場に戻る。

毛利家庭園から阿弥陀寺は少し距離がある。ひっそりとした入口には石で『周防阿弥陀寺 東大寺別院』と書かれている。門をくぐる際に仁王像を見るが、不在で説明板には金剛力士像は修理のため宝物館にあるとのこと。すると突然、竹を叩くような音がするが、これはししおどし。


その先、右手には2つ石が置かれているが、左の石は重源が座った霊石、右の石は阿弥陀菩薩が立った影向石らしい。ただ、霊石は尖っていてよく重源が座れたなあと思う。さらに階段を登り、本堂に到着。


もちろん、本堂は誰もいないが、中には秩父34霊場の寺の故事が書かれた絵などもあり、面白い。朱印をもらうついでに宝物館への見学を申し出ると住職に説明していただけることに。宝物館には国宝の水晶製の仏舎利の他、重文の重源坐像、後白河院坐像などが並んでいる。仏舎利はとてもそれだけ時間が経過しているとは思えない透明感のある水晶でできていて美しい。また、重源は東大寺再興を60歳代後半に引き受け、周防国で木材を集め、大仏殿を建てたという偉業を行なったのだが、まさに70歳代頃と言われている重源坐像は東大寺のものより若く、まだ、大仏殿完成前の厳しさを感じさせる。60代などと言っている自分のことを考えると重源のバイタリティと比較して、とにかく恥ずかしいことこの上ない。


他にも木材切り出しの人々を癒した風呂用の大きな鉄製の湯船(重文)などもあった。その際に住職からは寺の入口近くに石風呂があり、サウナのように使うのだが、現在も日を決めて一般の人も入ることができることを教えてもらう。

また、門のところにあった金剛力士像も宝物館の中で修理中だが、もうすぐ完成だという。2m以上ある像は東大寺南大門のものとよく似ていて、これも慶派の作品らしい。小ぶりだが、その迫力がすごい。また、完成後は見れなくなる後ろ姿をしみじみ見せてもらうが、2つの像でかなり異なる。さすがに東大寺別院だけのことはある。このあと、石風呂などを観て阿弥陀寺を後にした。