『切手シリーズ』その81。紆余曲折ありながらも、いよいよ東京オリンピックが開幕するようである。今回は1964年の東京オリンピックの為に発行された6枚の切手に描かれた建築物などの今の姿を追いかけてみることにした。
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1964年10月10日に東京オリンピックは開催されたが、同時に6種類の切手と小型シートが発行された。
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まずは5円切手であるが、ご存知の通り『聖火台』である。聖火リレーは1928年アムステルダムオリンピックの際に電気局の職員のアイディアでオリンピックスタジアムに聖火台を作り、好評を博した。次の1936年ベルリンオリンピックにおいて初めて聖火リレーが行われ、その後毎回夏季・冬季を問わずに行われている。
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また、1964年東京オリンピックで使われた聖火台は埼玉県川口市の鋳物職人鈴木万之助・文吾により苦労の上製作されたものであり、2021年のオリンピックでも新国立競技場に設置された。
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私が見に行ったのはレプリカで、鋳物の街川口を記念して川口市青木町公園に置かれている。西川口駅から徒歩12分ほどのところにあり、野球場、競技場、プールなどの施設の中央に置かれている。
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レプリカとは書いたが、実は聖火台第一号として作られたが、途中に損傷し、完成に至らなかった物を後に補修した聖火台なのである。鈴木万之助氏はその失敗が元で倒れ、急逝してしまう。息子の文吾氏らが引き継ぎ、現在、新国立競技場に置かれた聖火台が作られたのである。損傷した聖火台は鈴木氏の仲間たちが修理、完成させ、この地に置かれている。
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川口市は東京から至近の距離にあり、近年鋳物工場は減り、マンションの街と変貌しつつある。しかし、かつてこの場所に鋳物職人たちがいたことを忘れないように聖火台は置かれているのである。
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(おまけ)公園内には大正年間に製造された9600式蒸気機関車が静態保存されている。