年が明け、最初のグルメだが、昨年末の居酒屋探訪から。仲間内の忘年会で約4年ぶりに築地にある『やまだや』にお邪魔した。前回にお邪魔したのはコロナ前の2019年、足が遠のいてしまったが、とにかくメニューが凝っていて驚かされるお店との印象が強かった。
忘年会だけに、珍しくメンバー7人は集合時間5分前に全員集合、幹事が『好みのドリンク』を聞いてまわるが、やはり生ビールである。
この店はフレンチではお馴染みのブリフィクス、つまみ2品とメイン1品を選択することができる。
しかし、凝ったつまみ11品から2品を選択するのは難しい。(メインは2品から1品を選ぶ。)これにかなりの時間を割いたが、いよいよスタート。
まずは前菜3品から。左から『海鮮真薯』『蓮根のすりながし』『季節野菜柚味噌』。海鮮真薯は色々な海鮮をすりつぶしてトロロで和え、蒸したもの。
季節野菜柚味噌は春菊、下仁田ネギ、椎茸、さつま芋、海老、練り物に酢味噌を付けて頂くが、この練り物がクミンなどの香辛料が入っていてさらに燻製してある手の込んだもの。いずれもよく味わって頂く。
酒はおすすめを2合ずつ頂く。まずは喜久酔(静岡県)。ツルッと喉に収まる優しい味、燗にしてもいいとのこと。
続いてお造り、30kg級のブリの叩き、アオリイカ、金目鯛。醤油も出てきたが、いずれも粗塩で頂く。まずはアオリイカ、その身の甘いことには驚く。迫力があるのはブリ、厚く切った身がカツオとは違う旨味たっぷり。金目鯛は繊細な白身、いずれも素晴らしかった。
合わせた酒は陸奥八仙(青森県)、いつもの水色のラベルと違い、白麹を使い、辛口に仕上がっている。やや癖はあるが、力強く刺身との相性がいい。
つまみ2品、私は『燻製魚のなめろう〜赤味噌と薬味』『帆立貝クリームコロッケ』をチョイス。クリームコロッケは思っていたより帆立貝の旨味が強い。
燻製魚のなめろうは面白く、酒が進んで仕方がない。隣の人の『タカマッシュ』を頂く。燻製にした里芋に鯖とへしこバターを加えて練り合わせた高橋シェフ自信の一品だが、まるでフォワグラとマッシュポテトをきめ細かく仕上げた味、完成度の高さに驚く。
合わせた酒は田酒(青森県)、雪の茅舎(秋田県)。やや酸度が高く、甘みも感じる酒はつい飲み過ぎてしまいそうになる。
メインは『あんこう包み焼き』と『焼き胡麻豆腐、湯葉、塩水ウニ』からの選択だが、焼き胡麻豆腐の方にする。まずは焼き胡麻豆腐、胡麻の滋味を強く感じることができる。湯葉も大豆の旨味、これに塩水ウニの甘さを足すことにより蕩けるような味が出来上がる。
これには会津中将と同じ蔵の『永寳屋』(福島県)、米は八反錦でかなり辛口の酒、さらに酔右衛門(岩手県)まで飲んでしまった。
締めは香箱蟹の炊き込みご飯、前回も頂いたが、蟹味噌が溶け込んだ絶品ご飯。最後に風の森(奈良県)も頂いた。
冬にお邪魔してこのご飯を頂くのが楽しみだが、あっという間に今年も終わりに近い。親しい仲間と美味い酒、工夫され尽くしたあて、素晴らしい忘年会となった。ご馳走さまでした。
最後に東司に貼ってあった金言を一つ、面白い店である。
やまだや
中央区築地7ー16ー3
0335444789