hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

東京メトロ全駅スタンプラリー〜副都心線

2023-04-20 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その202。『東京メトロ全駅スタンプラリー』副都心線を回る。副都心線は和光市〜池袋の区間は有楽町線とほぼ一緒に建設され、池袋〜渋谷を結ぶことにより山手線のバイパス的な機能を加えた地下鉄線でその歴史は2008年全通と東京メトロの路線の中では最も新しい。





有楽町線とほぼ同じところを使っていると思われがちだが、和光市、地下鉄成増、地下鉄赤塚、平和台、氷川台の各駅はホームが共通。





しかし、千川、要町は地下2階が有楽町線、地下3階が副都心線とやや造りが異なる。





全駅スタンプラリーでは有楽町線は押印済のため、和光市〜池袋の各駅は完了。(スタンプも同一のデザインである。)



雑司ヶ谷駅は改札口外、渋谷駅寄りの2番出口近くにポスターが貼られている。ポスターには32系統の都電の写真、懐かしい。

スタンプは駅から至近のところにある鬼子母神の本殿、都会の割には落ち着くことができる。



西早稲田駅は早稲田大学理工学部方面の改札口外にポスターが貼ってある。

スタンプは早稲田大学51号館が描かれている。



東新宿駅は都営大江戸線との乗り換え駅となっている。改札口を降りて駅事務室前にポスターは貼られている。

スタンプは小泉八雲記念公園の噴水の意匠である。

新宿三丁目駅は丸の内線で既に押印済み、スタンプは伊勢丹本店である。



北参道駅は改札口のすぐ前にポスターが貼られていた。建設当時の写真が添えてある。

スタンプは国立能楽堂と小面の面が描かれていた。

明治神宮前駅は千代田線で既に訪問済。スタンプはもちろん明治神宮本殿である。

渋谷駅は銀座線で訪問済、銀座線渋谷駅ホームの様子が描かれたスタンプである。
つまり、16駅のうち12駅は訪問済であり、今回実際に訪れたのは4駅である。

これで東京メトロ全駅スタンプラリーもあとは南北線を残すのみ、これで144駅完全制覇となるのである。


Voracta〜人形町ランチグルメ

2023-04-19 05:00:00 | グルメ
日頃のランチはだいたい日本そばかラーメンという私だが、たまにはパスタもいいかなと街を歩いていると事務所のそばにイタリア国旗を発見。今まで気づかなかった方が不思議なほどである。

店の入り口にはランチ950円と書いてあり、パスタが5種類書かれていた。店の名前は『Voracta(ボラチタ)』という。外から見るより店内は広く、2人掛けの席が多い。先客は1名のみ。



パスタは『アサリのガーリック風味』『イワシとオリーブ・ケッパーのトマトソース』『若鶏とキャベツのガーリック風味』『豚ミンチとグリーンピースのトマトソース』『ベーコンとブロッコリーのラグー、ペンネ』である。やはり春キャベツの甘みを想像して若鶏とキャベツのガーリック風味にする。

注文すると大盛無料、普通サイズは100g、これを130gまたは150gにできるとのこと。ではと130gにしてもらう。

すぐにビンに入った水、次にサラダが運ばれてきた。レタスと水菜のサラダにゆで卵、キュウリ、トマトがトッピング、フレンチドレッシングがかかったとてもミニサラダとは言えない皿が登場。トマトも甘く、美味い。



フォッカチャに続き、パスタ到着。ガーリックの良い香りがする。ざく切りのキャベツにちょうど良いくらいに火が入り、甘い。小さく刻まれた鶏肉もたっぷり、麺も絶妙な火入れ。大変美味しくいただきました。

昼が近づくに連れて1人客がどんどん入店、私と同じように春キャベツのパスタが人気であった。

コスパのいいお店、サービスは男性1人でやっているが、全く問題なしである。ご馳走さまでした。

Voracta
中央区日本橋人形町3ー5ー8
05055934837

久我山歳時記㉒〜ハナミズキを愛でながら歩く

2023-04-18 05:00:00 | 日記
『久我山歳時記』㉒、ソメイヨシノが終わると翌週あたりから街角でハナミズキの花を見かけるようになってくる。

ハナミズキとソメイヨシノの関係は日本が日米平和のために1912年アメリカワシントンDCに送ったサクラの木の返礼として1915年にアメリカから日本に贈られたという縁がある。この時に贈られたのは白が40本、ピンクが20本、計60本で日比谷公園や小石川植物園などに植えられたのである。その原木は1本だけ都立園芸高校に残されている。

また、ソメイヨシノと同様に葉が出る前に花(実は花のように見えるのは総苞だが)が咲き、木全体に花が咲くところも似ている。

我が家から駅まで行く途中にもたくさんのハナミズキを見ることができる。最初はピンクと白の高い木が隣り合わせに植えられているもので透明感がある。

次も木にたくさんの白い花が付く4mくらいの高木で今がまさに盛りである。



まだまだ、あるが、同じハナミズキでも植木屋さんが剪定しているものは木の形が美しく、左右対称にしかも枝をちょうど良い頃合いで開いて咲く。

我が家の1.3mしかない盆栽ハナミズキは日当たりが良くないこともあり、周りの木に比べて毎年開花が1〜2週間は遅れる。4月8日の段階では総苞の色が赤っぽく変わり、そろそろ花という感じにはなってきたが、まだ小さい。



4月16日にはようやく総苞が開きかけてピンクの可愛らしい、しかし、まだ伸び切っていない段階であった。



もう1週間経てば開花宣言となるだろうか。まあ、枯れずに復活して毎年花を付けるだけでも嬉しいと思っている。




空庵〜中目黒ランチグルメ

2023-04-17 05:00:00 | グルメ
坂巡りを終わり、中目黒駅まで歩く。駅前には巨大なタワーもあり、かつての風景とはかなり変わっている。駅前商店街を歩くがあまり飲食店はない。右に曲がり、東急東横線のガードをくぐる。高架下には新しく飲食店が作られている。ただ、飲み屋と中華料理店、ラーメン屋が多く、あまりさっぱり食べる店がない。



ほぼ駅の入口あたりでようやくお蕎麦屋さんを発見、店の名前は『空庵』。店内は狭くほぼ満員、前の2人連れのお客さんが断られたので諦めかけるとお一人なら入れますと言われてカウンターに座る。

カウンター以外は2人席が2つ、4人席が1つ程度。黒を基調としたシックな店内は女性がキビキビと動き回っている。メニューを見ると『小丼と7割のそばのセット』(蕎麦の価格+350円、今回はざるそば800円+350円)ちょうどいい感じ。

小丼は『天然桜鯛漬け丼』『シラスとホタルイカ丼』『カツ丼』からチョイスとなっている。天然が気に入り、桜鯛の漬け丼とした。

お客さんは女性、特に年配の上品な女性が多い。皆おしゃべりに夢中で食べ終わっても中々出て行かない感じである。

割に早く注文のセットが到着、蕎麦は角が立って大変いい。まずはツユにネギとワサビを入れてツルッと一口。海苔もたっぷり乗っているのも嬉しい。喉越しもよく、コシもある素晴らしい麺でこれなら200円支払って10割にしておけばよかったと後悔。



小丼は酢飯の上に刺身が4切れ、さらにネギやカイワレが添えてある。ワサビを少し取り、刺身に付けて頂く。桜鯛と言うとおり、鯛は春が美味い。

程よく漬け醤油が染みて酢飯と良いコントラスト、見てよし食べてよしのランチとなった。最後に蕎麦湯を飲んですっかり満足した。

夜のつまみも美味い充実しており、ゆっくり飲みに来たいお店である。ご馳走さま。
空庵
目黒区上目黒3ー7ー3
0357085833

不動前駅〜中目黒駅の坂③

2023-04-16 05:00:00 | 坂道
『東京の坂、日本の坂』その172。目黒通りを左に向かう。左手には多摩大目黒高校が出てくる。

ほぼその前にあるバス停は『元競馬場前』、この場所に1907年〜1933年目黒競馬場があったのである。一周1マイルの競馬場は一時馬券販売禁止などの措置により廃れたが、1914年に馬券販売が再開すると人気が戻り、1932年日本ダービー(東京優駿)が創設されると多数の人が訪れた。しかし、土地が狭い上に周囲の宅地化から1933年に新たに作られた府中競馬場に移され、廃止された。



もう少し歩くと馬が上に乗った石碑が出てくる。これは目黒競馬場を忍ぶ碑であり、上に乗る『トウルヌル号』は第一回ワカタカ、第五回トクマサ、第六回ヒサトモなどのダービー馬の父にあたる馬である。



再び金毘羅坂を降りると山手通りとの交差点に『大鳥神社』が現れる。目黒区最古の神社であり、造営されたのは806年。主祭神が日本武尊、相殿に国常立尊、弟橘媛命が祀られている。この2人が夫婦ということから良縁や恋愛のご利益があるとされている。お参りをした後、山手通りを中目黒駅方向に歩く。



ラーメン二郎の少し先を左に曲がると道が右に曲がりながら坂になる。目黒3丁目と中目黒4丁目の境にある坂が『馬喰坂』、由来は悪路でこの地区の方言では風雨にさらされた穴が空いた状態を『ばくろ』といい、ここから来たもので馬とは関係はないようである。



坂の頂上を左に曲がって少しいくと急な下り坂となるが、これが『十七が坂』。



案内板によると『十七』は若者を指し、元気な若者が回り道をせずに急坂を利用したからとする説、板碑型庚申塔に十七人の名前が刻まれていたことに由来する説などがある。






長谷川酒店(再訪)〜日本橋ランチグルメ

2023-04-15 05:00:00 | グルメ
日本橋にある長谷川酒店は日本中の銘酒を販売している酒販店である。創業の亀戸店、麻布十番店、二子玉川店、ソラマチ店、東京駅地下やパレスホテルにも店はあるが、他の店と異なり日本橋のお店のみうどん屋さんを併設している。

日本橋室町の中心にある福徳神社のビルの1階のお店に入ると左側には北から南までの酒蔵の日本酒が並ぶが、右側はイートインになっていて博多うどんを食べることができる。ランチセットはAとBがあり、Aはうどんのトッピング1つとかしわめしor三角いなり、Bはうどんのトッピング2つとかしわめしor三角いなりとなり、Aは700円、Bは800円となっている。月・木曜日のAはごぼ天なので私はいつもこの日を選んで食べに行く。

11時40分に店に着くと開店直後のため、先客は2名のみ。レジにて先に会計してカウンターに座る。すると次々とお客さんはやってきて10分程度で8割かた席は埋まる。



すぐにうどんは提供される。いつものようにうどんには黄金色の透明なツユが張られ、ごぼう天(さつま揚げではなく、天ぷら)4つ、かまぼこ1枚、ワカメ少々、青ネギが入っている。



机に常備されている辛蔵という一味を少々、これを間違えてたくさん振るととても辛い。うどんを一箸頂くが、柔らかく茹でられた麺が優しい。ごぼう天も食べると少し甘く、うどんのタネとしては一番だなあと実感。ワカメもうどんとの相性がいい。

ツユはアゴだし、薄口醤油と味醂で味付けされ、控えめな味が堪らない。

かしわめしは簡単に言うと鶏の入った炊き込みご飯で鶏とごぼうがしっかりと味付けが成されていて、やや薄味のうどんと対照的である。かつて福岡の牧のうどんの味を思い出してしまう。

以前は事務所のそばの居酒屋で昼には博多うどんが食べられたのであるが、コロナで閉店、この柔らかく、控えめな味付けのうどんを食べられる貴重な一軒である。ご馳走さまでした。


長谷川酒店
中央区日本橋室町2ー1ー1武田グローバル1階
0362623111

不動前駅〜中目黒駅周辺の坂②

2023-04-14 05:00:00 | 坂道
『東京の坂、日本の坂』その171。目黒不動尊の独鈷の滝で水掛け不動様に水を掛けた後、本堂に向かう階段坂が『目黒不動男坂』である。



47段の石段で真ん中には鉄の欄干がある。ちょうど付近の保育園児が訪れていて保育士の女性が緩やかな女坂から行きましょうと声を掛けたが、一部の男の子が男坂がいいと言って私と一緒に登り始めたが、この速度があまりに早くて私は取り残された。


ようやく頂上に着くと目の前には大きな『目黒不動尊』と書かれた提灯、ここに向かい数段石段を登り、無事参拝完了。



帰りは『目黒不動女坂』から降りる。踊り場が2箇所設けられていて緩やか。途中、銅製の役行者像があり、お参りする。御朱印は階段下を少し歩き、左に行ったところにある寺務所で頂く。

バス停の横を通り、先ほどの道を今度は右に曲がると坂道となるが、これが『三折坂』。名前の通り3回曲がりながら登っていく細い坂で向こうから来る自転車は早いスピードで来るため見通しが悪く、危ない。



名前の由来は多分3回折れているからと思うが、別の説として目黒不動尊にお参りするために降りて行くので『御降坂』から来たとする説もある。

坂を登り切ると右側に不動公園があり、春休みのためか、子どもたちがたくさん遊んでいる。

ここから目黒通りまでは真っ直ぐ緩い上り坂となっている。この左から右に降る坂が『金毘羅坂』である。



江戸時代にはこの坂の西側に金毘羅現社があり、江戸名所図会の挿絵にも姿を残すが、明治の初めに廃寺となってしまった。(以下、次回)


酒菜や ささごと〜小伝馬町ランチグルメ

2023-04-13 05:00:00 | グルメ
人形町のランチの店はかなり行き尽くしたので暇な時は運動も兼ねて、最近一駅先の周辺をぶらぶら歩くことがある。今回は小伝馬町駅から横山町方面に歩く。このあたりも蕎麦屋はかなり行き尽くし感はあるが、まだまだ定食屋はある。



角にある『ささごと』という居酒屋はランチもかなり有名で刺身はもちろん、珍しく『サーロインステーキ定食』(1320円)がリーズナブルと聞いて行ってみた。まだ、少し早かったがカウンターはかなり混み始め、一人客もボックスに入れ始めたタイミングで入店。サーロインステーキ定食は当日はなく、ガッカリ。
和定食は煮物、焼き魚と刺身で920円はお得だが、前日魚を食べたので鳥の唐揚げ定食(850円)をチョイス。ただ、大海老フライ定食(940円)も気になった。なにしろ牛ロースカツとサーロインステーキ以外は税込1000円以内は嬉しい。

お隣のご婦人は和定食、おかずも豊富で美味そうである。私の唐揚げ定食も到着、大きな唐揚げが5つ、タルタルソース付である。他にご飯、味噌汁、漬物も付く。

まずは唐揚げをがぶり、柔らかい鶏もも肉でジューシー、もちろん揚げたてでご飯にはピッタリである。タルタルソースを付けると悪魔的に美味くなる。



定食屋だけあってご飯も美味い。唐揚げを食べるとどうしてもご飯が進みすぎる。おかわり無料だが、さすがにやめておく。ワカメの味噌汁を啜り、胡瓜の漬物を頂く。実に定食という感じ、いつもほぼ麺類だが、たまに食べる白米はやはり美味い。

気がつくと細長い店内はほぼ満席、この店は大箱と認識されているのか4人、6人というお客さんが多い。ご馳走さまでした。店を出ると外には列ができていた。



酒菜や ささごと
中央区日本橋小伝馬町14ー10
0336391170

今年のタイガースのスタート〜阪神ファンの戯言

2023-04-12 05:00:00 | 阪神タイガース
2023年の阪神タイガースのスタートは万全なものとなった。DeNA戦3連勝、広島戦は1試合雨で流したが1勝1敗、ヤクルト戦は接戦続きだったが1勝1敗1分、つまり8戦終わって5勝2敗1分なのである。

昨年は開幕試合で大きく躓き、ヤクルト、広島、巨人に全敗、初めて勝ったのが10戦目の甲子園でのDeNA戦である。

しかし、その後もDeNAに1敗、広島に2連敗(1分)、中日に3連敗とこの時点で1勝15敗1分ととんでもないスタートであったということで前年との比較は全く意味をなさないが、今年の戦力を分析してみたい。

まずは投手力、先発は青柳、才木、大竹、西勇は素晴らしいし、負けてはしまったが、雨天の中でよく腕を振っていた西純矢も悪くない。気になったのは第二戦に投げた秋山だけである。



セットアップも浜地は手痛い1発で負け投手とはなったが、石井、ケラー、加治屋は調子がいい。岩崎も最初はやや心配したが、戻してきている。



さらにクローザーの湯浅はWBCで自身を付けて戻ってきたその調子を維持できている。ヤクルトの防御率0.77は異常だが、阪神の2.43はいい数字と思う。


問題は打撃力である。2番の中野、3番のノイジー、4番の大山は打撃10傑に入っているし、近本もよく打っていてチーム打率も.246とDeNAに次いで2位である。一見良さそうに見えるが中身が問題。現在の総得点が26だが、最初の4試合で23点、残りの4試合では3点、つまり1試合1点も取れていない。その大きな要因は5番を打つ佐藤輝明の不調である。どう見ても立ち遅れているのに早く矯正して回復してもらいたい。

もう一つ気にしているのはホームランが濱口の1本しか出ていないことである。セリーグではヤクルト・巨人・広島が各7本、DeNAが6本に対して阪神・中日は各1本は寂し過ぎるのである。

今日から巨人戦、相手は5連敗のチームだが、WBC組の戸郷が先発投手であり、簡単には打ち崩せない。西勇輝に好投してもらい、もらった少ないチャンスを生かして勝利を重ねることを祈りたい。(4月10日15時脱稿)

『土門拳の古寺巡礼』展を見に行く

2023-04-12 05:00:00 | 日記
ようやくコロナをあまり気にせず美術館巡りができるようになった。恵比寿の東京写真美術館で土門拳の『古寺巡礼』の展覧会をやっていると知り、早速行ってみた。



土門拳は日本で最も著名な写真家の1人であり、戦前から戦後すぐにかけては35mmのハンディカメラを持ち、初めは戦場、戦後混乱期の街角、特に戦災孤児、安保反対の闘争など社会派のカメラマンや日本の著名人のポートレート撮影家などとして活躍した。その後代表作に『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』がある。一方で文楽、仏像などの撮影も戦前から始めていた。

1960年に脳出血を発症、35mmカメラの撮影ができなくなったことから大型カメラを据え付けた『古寺巡礼』の撮影を開始した。会場には自ら書いた古寺巡礼の墨字も飾られ、彼が最初に撮影した室生寺、法隆寺などの写真が並ぶ。

(神護寺薬師如来)

(室生寺釈迦如来)

特に仏頭の写真が多く、土門が高く評価した京都・神護寺の薬師如来立像、中宮寺の弥勒菩薩坐像、薬師寺の観音菩薩立像、改修前の薬師寺東塔など殆どが実物を見たことのある仏像だが、土門拳の目を通すとここまで研ぎ澄まされるのかと驚く。しかも顔を正面から撮るばかりではなく、手の先、足のどっしりした様子、千手観音の手の凄さなど土門が意図したものが少し分かる気がする。
(浄瑠璃寺吉祥天)

(向源寺十一面観音)
他にも鳥取県三朝町にある三仏寺の投入堂や蔵王権現像、大分県臼杵市の石仏(頭部がまだ地面にある時の写真)など広範囲に活動していたこともよく分かる。また、琵琶湖の北側にある向源寺の十一面観音立像の大爆面について恐ろしい形相と評していたのは面白い。撮されている寺社、仏像は9割を見たことがあるが、実物を見ても気づかないことがあまり多いことに驚かされる。

(薬師寺観音菩薩)

室生寺は1935年最初に撮影したお寺だが、彼が何回逗留しても雪が降らなかった。しかし、辛抱強く待ち続け、静けさの中に雪が降る姿を捉えた写真には執念さえ感じることができた。写真集を買えばそれで済むと思われるかもしれないが、美術館にパネルを並べて、一つずつ凝視すると変わった姿が見えるのが不思議である。