事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

寝屋川の事件 5番目の訪問者~殉職

2008-04-04 | インポート

4番目の訪問者はこちら。

Mail03a_2 なんだかね、斜めに見ちゃってるのかもしれないけど、この事件で被害者が子どもだったらもっと騒いでると思うのよね。入り口で目的確認とか不審者には対応とかいう通知が入ってたけど、誰がどんな風に、って具体的な指示は抜けてて、「通知を出していたのに遺憾です」というコメントのためとしか思えない……。職員の身の安全はどうでもいいのかよ。

Neyagawa02 古い話になるけど、校内暴力が流行った時、腹をけられて流産した女性教師もいたと聞いていたけどそんな話は表沙汰にならずにすぎちゃってる。おかしいじゃないの、人殺しじゃないの、教職員に人権はないのか!と腹が立ったことをいまだにこの手の事件があると思い出してフツフツするの、私。

……このあたりはとてもよくわかる。もしもひとりでも児童が死んでいたら、マスコミの論調は例によってエキセントリックに学校を糾弾するものになっていただろう。寝屋川の事件がまぎれもなく“教職員殺傷事件”であるにもかかわらず。それでなくても“半年前の不審者対応マニュアルを使っていた”だけで読売は鬼の首でもとったような報道をしていたし。

 それが、今回は一種の殉職だからまだしも冷静な対応が見られたのだ。学校の本当の安全とは何かについて、建設的な意見が散見されるのは池田小や宇治小の経験があったからばかりではあるまいと思う。

 しかし、教職員がまず児童生徒を守る姿勢を見せなければ世間は納得しないし、当然ある程度の自己犠牲を覚悟で向かっていくことにはなるだろう。苦い思いでそれを納得はしながらも、はたしてどこまで教職員が武器をもって異常者(差別用語なのかな。でもそのとおりじゃん)に立ち向かうべきなのか。これは難しい判断だと思う。むしろ彼らを逆上させて無用な血を見る結果も予想される。第一、日常的に暴力的対応を念頭においている教育ってどう考えても病んでいるわけだし。

 考えすぎ、と突っ込まれそうだが、根絶しなければならないはずの“暴力教師”待望論が、こんなことから出てきたらオレはやりきれない。いそうじゃないか「来るなら来い!オレが相手だ!」と力んでいるヤツが。

6番目の訪問者につづく。

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寝屋川の事件 4番目の訪問者~オレの後ろに立つな

2008-04-04 | 受験・学校

3番目の訪問者はこちら。

Mail03a 俺が不審者への対応訓練に、確か10月頃○○小へ警察の人と行ってきたときの話で、寝屋川の事件とからめてやはりと思った事がひとつ。

訓練のとき不審者を見つけた先生が不審者を教室から別の所へ誘導しようとするんだけど(そう言うマニュアルだから)先生がまったく手ぶらで不審者に近づくんですよね。しかも、不審者に非常に近い距離で話し、最後には誘導のために背中向けちゃう。この対応は訓練の際に警察の人から厳重に注意されていたことでした。

Sasumata01 つまり、生徒の安全に気を取られて、自分の安全のことを見落としちゃうんです。もちろん、生徒を守ることは大事なんだけど……
不審者らしい人に近づくときは何でもいいから手に持って(たとえばバインダーでも良い)、2メートル以上離れて話をして、不審者に背を向けない。これが訓練での教訓でした。

寝屋川の事件でも、不審者を連れ出そうとしたのはたぶんマニュアルどおりなんだろうけど、背中から刺されていることから考えると、おそらく○○小の訓練と同じ状態ではなかったかと想像される。あるいは、背を向けてはいけないというマニュアルも知っていたのかもしれない。しかし、なまじっかなマニュアル(あるいは身に付いていないマニュアル)では今回の不幸は防げなかったのでは……そんな気もする。

さらに言えば、守ろうとする対象がある分だけ、結果的に先生は非常にリスクが高くなってしまう。守る対象が無かったら自分の身の安全が第一で、いざとなったら逃げる手が……たぶん、先生にはその選択肢は無かったはず。
それにしても、本当にこんな田舎でも学校にガードマンが必要な時代を迎えたと言うこと?

……台風シリーズ(後日アップするか思案中。あまりにもタイムリーじゃないから)でおなじみ、町の防災担当者からのレス。ここに寝屋川の事件のキーポイントがあるような気がするのだ。教職員への一種の“期待”と自己防衛のバランス。池田小の職員を、今も苦しめ続ける永遠の課題。

次回のこのシリーズもレス特集で。それにしても「不審者に背を向けるな」このマニュアルを“デューク東郷”と名づけて忘れないようにしよう。

5番目の訪問者につづく。

※ちなみに、訓練ではこの読者の同僚が不審者役をやったのだが、役に舞い上がってしまい、やる前に警察の人から「不審者はあまりしゃべらないで」と厳しく注意されたにもかかわらず、本番では「愉快で良くしゃべる楽しいおじさん」になってしまったのだそうだ(笑)。ありがちありがち。

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寝屋川の事件 3番目の訪問者~オートロック

2008-04-04 | 受験・学校

2番目の訪問者はこちら。

こちらはオートロック導入…大阪・箕面市

Neyagawa  不審者の校内侵入を防ごうと、大阪府箕面市教委は18日、市立小学校の校門にオートロックシステムを導入すると発表した。
 13の市立小学校のうち、4校はすでに設置。来年度も約600万円の予算をかけて7校に取り付ける。
 市教委によると、各校に複数ある通用門に電子錠と小型カメラ、インターホンを設置。訪問者が呼び出しボタンを押すと、職員室の教職員がモニターで安全を確認し、門扉のロックを解除する仕組み。門扉は訪問者が手動で開閉する。
 大阪府池田市の校内児童殺傷事件をきっかけに2003年度、4校に導入。学校関係者や保護者らから「安心感が増した」と好評だったことから、導入校を増やすことにした。
 市教委の小谷功・学校管理課長は「寝屋川市立中央小の事件などを教訓に、不法侵入者をシャットアウトしたい」と話している。
 文部科学省学校健康教育課によると、同様のオートロックシステムは全国の小学校の約2%が導入しているという。
ZAKZAK 2005/02/19

まずは文字通りこの事件の“入り口”から考えていこう。大阪の読者にこの件について確認してみた。

Mail01j 門扉を全て閉じるなんて、そちらでは本当に行われているの?

Mail01b はい、そういうところがふえてきましたよ。もー大変。

Mail01j_2 門扉がすべて閉じられているってことは、宅急便だの給食の食材が届いたりすると、誰かが門を開くわけですね?それって凄いな(笑)

Mail01b_2 早朝だと業者が鍵を持っています。自動解除のロックをつけてるところ(すくないけど)以外はインターホンを聞くと開けにいくみたい。ぼくとこは閉めてるだけでかぎはかかっていない。(公にはかかっていることになっている)

Mail01j_2京都の学校が一つだけ門が開いていたってのは、そんな事情があったからなんですかね。

Mail01b_2そうだと思う。このことについてあまり語りたがらないねえ、みんな。ひとり死んだからね。あすはわが身だよね。教頭といつもどうすると話しています。大変です。

……いやはやこりゃホントに大変である。           

4番目の訪問者につづく】

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