事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

グリーンハウス再建計画 ページ17~目を覚ませ東映

2008-04-14 | 映画

ページ16はこちら。

Yasukuni  映画「靖国 YASUKUNI」問題は急展開している。作品の中心である刀匠がシーンの削除を申し出たり(この時期にこんな話で出てくること自体が作為的)、監督協会や田原総一朗などが表現の自由を守れと動き出したり……

 しかし冷静になってみると、サヨクの側だってたとえば「憲法第9条」を否定する作品に文化庁から補助金が出ていたら心穏やかではいられないだろう。“靖国”と“9条”は両翼の象徴だし。まあこんなあざとい介入は自殺行為だからサヨクはやらないけどね。小泉チルドレンのレベルなんてこんなものさ、と苦笑すればすむ話なのかもしれない。

 しかし映画の観客としては異議を申し立てる。誰に?実は東映になのだ。
「靖国」の上映中止をいちばん最初に決めたのは新宿のバルト9。運営主体はティ・ジョイという会社で、ここは東映系の興行会社なのである。

 東映といえば、“なりふりかまわず儲かることは何でもやる”のがカラーだったはずではないか。右翼企業である東日本ハウスが金を出した、東條英機礼讃「プライド~運命の瞬間」を公開し、宗教批判が高まるなかでも幸福の科学信者めあてに「太陽の法」も製作。そして一方では“赤旗読者の大量動員が見込める”(笑)と、「実録・日本共産党」まで企画していたはずではなかったか。少なくとも先代の岡田茂社長にはそんな心意気、というかヤマっ気があったのに。

 興行には、実はかなりダークな部分が存在する。組織暴力系の方々との関連はよく言われることだし、海千山千の商売人たち(他の業界では考えられないほどモラルは低いらしい)が跳梁跋扈する世界だ。だいたい、映画とは完全に不良の娯楽なのだし。それが「同じビルに入っているテナントに迷惑がかかる」程度のことで腰がひけてるようでは、東映も地に堕ちたと言わざるを得ない。そんな言い訳が通用するなら全国のシネコンで上映される作品は、お子さま映画だけになってしまうではないか(現実にそんな傾向があるので泣ける)。

「おっと、マスコミでこれだけ騒がれているんなら宣伝費に換算したら何億円分だな。よーし公開するぞ。右翼?陰で金でも渡しとけ」これがまっとうな興行主というものだろう。目を覚ませ東映。映画製作の不振を不動産でカバーしている現況は、映画ファンにとってひたすらにさみしいぞ……

おっと今日のニュースでは

 映画は当初、都内4館と大阪市内1館で、12日から公開される予定だったが、「銀座シネパトス」に右翼団体の街宣車が乗り付けるなど騒ぎが拡大して上映中止の輪が広がった。しかし、一連の報道を受けて新たに上映に名乗りをあげる劇場が増え、5月以降に全国20館以上で公開される予定。【ZAKZAK】

……いるんだね気骨のある館主は。
それではようやく新シネコン概要へ。ページ18につづく。

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グリーンハウス再建計画 ページ16 ~ 靖国

2008-04-14 | 映画

ページ15はこちら。

Gunto029004  やはり「靖国」上映中止問題には急いでふれておこう。これは映画興行の根幹にふれる問題なのだ。最初に火をつけたのは週刊新潮。反日映画に文化庁の補助金が使われているのはどういうわけだ、というあの雑誌らしい切り口。その尻馬に乗ったのが小泉チルドレン。自民党の稲田朋美衆院議員が配給会社へ「見せろ」と要求。会社はそれを突っぱね、例の全議員と秘書を対象にした試写会につながった。そしてマスコミが騒いだことでこの映画に注目があつまり……

[eiga.com 映画ニュース]靖国神社を題材としたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」を4月12日から上映する予定だった銀座シネパトス(東京都中央区)、シネマート六本木(同港区)、Q-AXシネマ(同渋谷区)、シネマート心斎橋(大阪市中央区)の4つの映画館が相次いで上映自粛を決定。3月31日、同作を配給するナインエンタテインメント、アルゴ・ピクチャーズが発表した。
同作については、すでに新宿バルト9(東京都新宿区)が上映の取り止めを決定していたが、さらに上記4館が上映自粛を決定したことによって、予定されていた公開劇場がなくなるという異例の事態となった。

→ここで意地を見せたのがフォーラムグループだったという流れだ。しかし小泉チルドレンはなおも調子こいており……

自民議員が出演者聴取 “靖国”監督が反発
2008/04/10 山形新聞
 映画「靖国 YASUKUNI」の中心的出演者で刀匠の刈谷直治さん(90)夫妻=高知県在住=から有村治子参院議員(自民、比例)が事情を聴き「刈谷さんらは出演シーンの削除を希望している」と主張していることが分かった。李纓監督(44)は9日、共同通信のインタビューで「出演を納得してくれていた夫妻を変心させた。許せない介入だ」と訴えた。
 映画は「靖国刀」を作り続ける刈谷さんの姿と靖国神社をめぐる動きを描いたドキュメンタリーで、上映中止が相次いだ。シーンの削除になれば作品の成立自体を左右しそうだ。
 有村議員は9日夜「(監督の主張を)刈谷さんに電話で確かめたが、わたしの話で気持ちが変わったことはないということだった。監督の話は事実無根だ」と反論した。
 有村議員によると、「刈谷さんが困惑している」との情報があったため、3月25日、刈谷さん夫妻と電話で話し、削除希望を聞いたという。 これに対し李監督は「(削除希望は)信じられない。どうして政治家がそこまで介入するのか」と反発している。

……いやはやあまりにもひどい。映画の出演者、というよりドキュメンタリーの素材となった人物にわざわざ会いに行った?この時点で“介入”の意志は歴然。それにしても、靖国神社のご神体が、刀だったとは知らなかったなあ。

ページ17につづく。

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わたしのお気に入り My Bookmark6~検索エンジンふたたび

2008-04-14 | デジタル・インターネット

My Bookmark5はこちら。

Mail01j 私はgooだな-。タスクバ-(だっけ?)にダウンロ-ドしてる。
見比べたいので検索すると別ウィンドウで次々に開けるよう設定。
あれ?待って。Googleになってる。gooとは違うの?

05752lakemichiganmorningchicago2001 ……でええ。検索サイトの優劣を深く考えてみようと思ったら、こんな誤解をしている人もまだいる。gooはNTTがやってるヤツで、GoogleがいまマイクロソフトとYahoo!をめぐってバトルをくり広げているシェア世界№1検索サイトじゃないか。そこへ殴り込んできたのがこのシリーズで紹介された百度。あれからわたしも「お気に入り」に入れて愛用しているんだけど、ネット上にこんな記事が出ていた。

 2008年1月23日、そんな日本の検索市場に新規参入したのが、中国最大手の「Baidu」(百度)だ。検索エンジンとしては世界でも後発ながら、サービス開始から8年で中国全土におけるシェアの7割を獲得。単純なキーワードによるマッチングだけでなく、漢字そのものが持つ多様な意味を分析して検索結果に反映させる「意味理解」の技術を特色としている。同じく漢字圏である日本でその技術を活かす準備が整ったことが、日本進出の契機となったのだとか。
「キーワードに対してどんな検索結果が得られるかは、検索エンジンごとに異なる傾向があります。ヤフーでは、キーワードに関連する企業の公式サイトや大手サイトのトップページなどが結果の上位に表示されやすく、グーグルではより細かいページ単位の被リンク数(ページランクと呼ばれる)が重視されます。Baiduではページランクを主体とせず、キーワードの意味からユーザーの行動や目的を分析することで、さらに直接的な結果が得られることを目指しています」(Baiduの取締役・舛田淳さん)
(R25編集部)

……そうだったのかっ!検索結果の順位決定方程式は各サイトの秘中の秘なんだけど、まさか漢字の意味までとは。しかし百度は著作権に対する甘さがあって、レコード会社に訴えられたりしている。いかにも中国らしい。つまり『検索』という作業ひとつとっても、背景には文化や哲学がしっかりと透けて見えるということか。そしてわたしたちがどのサイトを選択するかが、その哲学への評価になるのだろう。この業界、やっぱり面白いです。でもね、この業界の何が不思議かといって、やたらに中国人あるいは中国系があらわれるのはなんで?

※画像は、マイケル・ケンナがあまりにすばらしかったのでもういっちょ。

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わたしのお気に入り My Bookmark5~作家の日常

2008-04-14 | デジタル・インターネット

My Bookmark4はこちら。

080320_hetappi ネット上には、多種多様な人たちが日記サイトをもうけている。典型が前に特集したブログの女王たちだろう。さるさるのようなメールマガジンサービスも、そんな需要に応えたものだ。

 他人の日記をのぞき見ることははっきりと悪徳。でも、およそ知り合うはずのない特異な職業の人間がどんな日常を過ごしているか、めちゃめちゃに面白いのもまた確かなのだ。わたしが日ごろチェックしている日記サイトは以下のとおり。

◇「大陰嚢でごめんね」http://www.furutachi-project.co.jp/sakka/sam/data/index.html 
変な読み方をしないでくださいよ。これで「おおふぐり」って読みます。放送作家の鮫肌文殊(「さんまのからくりTV」「ぐるぐるナインティナイン」などを担当)が、毎日毎日中古レコード漁りをしながら業界を渡り歩く。B級な食いものと阪神に目がなく、限界を超える飲酒に日々とりくんでいる。わたしはこのサイトをのぞくたびに、「あーオレはまだまだ健康だ」と安心することができるのである。

◇「佐々木譲のプッシュピン」http://blogs.dion.ne.jp/sasakijo/ 
警官の血」で久方ぶりにブレイクした佐々木譲。北海道警告発シリーズのためではないだろうが、北海道の某所に仕事場をおいている。ところがいつもいつもネット環境に苦労していて、結局は札幌に逃げ込むことになった。この人はけっこう短気な人で、彼の日記は罵倒の連続でもある。先日も評論家の呉智英と一騎討ちしていた。がんばれ佐々木。でも執筆中の「制服捜査2」には期待してるんだからちゃんと仕事もやってね。

◇「小路幸也のDiary」http://www.solas-solaz.org/sakka-run/newdiary.html 
東京バンドワゴン」の小路幸也も北海道在住。広告代理店勤務から作家に転身しただけあって、トレンドへの目配りも怠りなし。ほぼ同世代なので、コメントにはうなずけることが多い。ブレイク寸前のため、あふれるほどの仕事にあっぷあっぷしている。その意味で、これまたわたしの清涼剤サイトになっているのだ。つらいのはオレだけじゃない、とか(笑)。

My Bookmark6へつづく。

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