順番が逆になった。前号の方が第二弾だったのだ。まあいいや。前に究極の“インサイド”(ほんとにそのマンションの住人だったから)レポートをお送りしたケースを情宣裏版で。
発行日は2003年5月28日でした。
山形市の閑静な住宅街で二十日夜に響いた銃声は、暴力団という「裏の世界」が身近に存在することを改めて市民に痛感させた。今月十五日に起きた男性銃撃事件に続き、栃木県内で起きた指定暴力団山口組系と住吉会系の抗争が飛び火したと見られる今回の発砲。犯行グループは依然逃走中で、山形署を中心に厳戒態勢が敷かれ、不安に駆られた市内の学校では集団下校など児童生徒の安全確保に努めている。一方、男性銃撃事件以降、現場では同署員らが二十四時間態勢で警戒していたが、それをあざ笑うかのような犯行に、住民からは警備態勢に疑問の声も上がっている。
【読売新聞山形版 5月22日】
……暴力団、あるいはやくざと呼ばれる反社会的集団は、学校という世界とは縁遠いものだと感じられるかもしれない。極道の娘がセンセイをやるというドラマが高視聴率だったのは、その意外性がシャレになっていたからだろう。しかし彼らは今回の事件に見られるように、市民社会の中に意外な形で唐突にあらわれる。
※縁遠いとはいっても
・面談に着流しでやってきた
・幹部がPTA会長だったので運動会前のグランドのライン引きを若い衆が全部やってくれた
……などの事例はきいていますが。
この事件をとりあげるのは、わたしの知人の主婦が、今では山形県でもっとも有名なマンションの、発砲された暴力団事務所の真上に住んでいて、まさしくインサイドレポートをメールで送ってくれたからだ。闇の世界との唐突な接触は、このような形で起こった……
『センセイ、昨日の私のレスで、この建物にヒットマンが来たりして…云々書きましたが、なんと今から30分前の午後8時40分頃に、マジにこの建物を標的にした発砲事件が発生しました!私たちが住んでるのは5階の角部屋の○○○号室で、例の組事務所は2階下とはいえ真下の△○○号室なんですよ。
「パンパンパンパン」と乾いた連続音を直に聞いちゃいました。この建物周辺は、蜂の巣をつついたように警察がぞくぞく集まってきてます。建物正面玄関には、機動隊が張り付いてましたが、犯人は建物裏から徒歩で侵入し、△○○号室めがけて発砲し、すぐ逃亡したようです。……私、まるで現場リポーターですな(笑)
あわてて廊下に出て行ったうちの野次馬オヤジは、警察から事情聴取受けた模様。しかし、何といっても山形県警は大失態を演じた気がします。機動隊員から50メートルと離れていない場所からの犯人の発砲を未然に防げなかったばかりか、まんまと逃走も許してしまうおマヌケさ。かねてからオヤジとも言い合ってたんですよ。「機動隊って正面玄関前にしか張り付いてないよねー。建物の裏から狙われたらどーすんだろうねー」……まさかその言葉が現実になろうとは。
ちなみに現在では、全方位からの警戒態勢にシフトしてますが、時すでに遅しでは?
今までは何とか目をつぶってきた、善良なここの住民の皆さんも、身の危険を感じる今となってはさすがにもう黙っていられなくなったようで、今夜緊急の臨時集会が開かれることになりました。もちろん私も出席するつもりですが、果たして今後どうなるものやら』
……この事件の背景にあるのは、ご存知のように広域暴力団同士の抗争。酒田にしても無縁ではなかったわけで、年輩の人の中には、酒田駅前に勢揃いした黒服の軍団にびびった経験や、元幹部の葬式のために田舎道が黒い車で埋まった光景をおぼえておられる方もいるだろう。あの恐怖を、つい思い出す。
おっとなんとか組合の情宣らしくまとめなくては。彼らとのつきあいのなかで、絶対にやってはいけないこと。それは“借りをつくること”だ。交通事故の示談などで、あの人たちにお願いすれば……と考えがちだけれど、それは待った方がいい。借りたものは、返さなければならないのだ。どんな形であっても。事故にあったら、それはもちろん、教職員共済へ(強引)。
※かなりスケールは小さいがわたしの経験も。店をうつった馴染みのホステスにどうしても会いたいという(笑)友人とともに日吉町の“花の名前のついた”小さなスナックへ。が、どうも店の雰囲気がおかしい。
「おい、この店…」
「うん、○○組の組長の奥さんやってる店なんだ。」
そういうことは入る前に言えっ!