かつてジャパンカップが始まったとき、日本馬のモンテプリンスだとかゴールドスペンサーだとかに期待して馬券も買ったのにまったく通用せず、勝ったのがアメリカの牝馬メアジードーツでしかもレコードだったのには度肝を抜かれました。この様子だと日本の馬はずっと勝てないんじゃないか、と思ってしまいましたね。しかしその後、キョウエイプロミスが2着して、その翌年にはカツラギエースが逃げ切りました。続いてその翌年はシンボリルドルフが勝ち、その後は外国場が続いたものの、ルドルフの子供のトウカイテイオーが勝ってから、また日本馬が続いて勝ちました。ま、ジャパンカップは地元の利がありますからね。
では凱旋門賞はどうでしょうか。7年前にエルコンドルパサーがモンジューの2着して日本の馬にもチャンスが出てきたような気がしていましたが、その後のマンハッタンカフェ、タップダンスシチーともに二桁着順でした。20年前のシリウスシンボリもたしか14着(勝ったのはダンシングブレーブ)でした。馬場の違いなんですかね。血統的にはモガミにしてもサンデーサイレンスにしても2400メートルは大丈夫だと思うんですけどね。かえってエルコンドルパサーはキングマンボでミスタープロスペクター系だし、自身もNHKマイルカップを勝っているように2400メートル向きとは思えなかったので、2着に逃げ粘ったのには驚きました。あるいはオグリキャップのように血統を超えた「突然変異馬」かもしれないと思っていました。その後同じキングマンボのキングカメハメハがダービーで強い勝ち方をしたので、ミスタープロスペクター=短距離というのが私の思い込みであることと、エルコンドルパサーが「突然変異」でもなかったことが判明しました。キングカメハメハもNHKマイルカップを勝っていますし、キングマンボはかなり優れた種牡馬なんだと、そういうことです。
それで凱旋門賞なんですが、シンボリルドルフの祖父スピードシンボリやメジロムサシも挑戦しましたが、着外に終わりました。つまりエルコンドルパサー以外の5頭はみんな惨敗している訳です。コースは同じなのに年毎に勝ちタイムが大きく違うという、天候やペースに左右されるかなりタフなレースなので、日本での競馬よりもずっと、スピード、スタミナ、精神力、パワー、切れ味が要求されるのでしょう。スタートして深い芝にスタミナを削られながら、縦長だったり団子だったりする展開に対応して、最後の直線では相当な瞬発力を発揮してゴールまで真っ直ぐに走り切ることができないと、勝つのは難しい。ダンシングブレーブは大川慶次郎さんも絶賛の凄まじい末脚を披露してくれました。日本の馬にあの芸当はどうでしょうか。それでもディープインパクトならあるいは、と期待するところがありますね。心配なのはやはり体格ですね。負担重量は天皇賞よりもさらに重い59.5㎏になるでしょうから、天皇賞のときの馬体重442キログラムに対して13.46%となってしまうので、これはきつい。凱旋門賞までに少しでも馬体重が増えてほしいと思います。