三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

「ICO」

2006年07月01日 | アニメ・コミック・ゲーム
 近所のツタヤでプレイステーション2用の中古のゲームソフトを買ってきました。「Kunoichi」と「MAX PAYNE」それに「ICO」の三本。 みんなタイトルがローマ字なのは単なる偶然です。

 で中身はというと、

「Kunoichi」は芳しくなかったねえ。主人公のアクションが人間離れして速いのはまあいいとしても、ストーリーもそこそこにやたらと敵が出現して、ゲーム中はほぼずっと戦闘中なんで、これはアーケードゲームの「ゼビウス」とかとほとんど変わらない印象を受けました。ま、作ったのがセガだからしかたがないと言うしかないでしょう。同じ忍者ものでも「天誅」シリーズのように緩急あり特色あり必殺技ありのゲームと比べると足元にも及ばない、いいところなしのゲームでした。ゴミ。

「MAX PAYNE」は期待していたのに、操作性や視点関係が悪すぎて、パッケージには「銃の弾道や薬莢までをリアルに再現!!」なんて書かれてあるのに、やってみたらぜんぜんリアルじゃないの。多分製作者は「リアル」の意味を誤解している。素人が撮った写真とプロが撮った写真、違いますよね。素人の写真が全体に平板で印象の薄いのに対し、プロのそれは見る人に伝えたい対象やテーマがあって、その部分を突出させている。絵画なんかも同じで、たとえば富士山を遠景で見たままに描いてもそしてそれがいくら実際に見たのと同じように描かれていても、まったくリアルじゃない。むしろ不自然な大きさ、ありえない形の富士山に見る人はリアリティを感じる。このゲームは素人が撮った写真、素人が描いた絵を一冊にまとめて売っている感じ。

「ICO」は一番期待していなかったゲーム。パッケージになんとあの有名作家の宮部みゆきさんの推奨の言葉があったりしたので買ってみました。
で、やってみると、これがメガトン級に面白い。登場人物はほぼ二人だけ。これがいつも手をつないでとにかくある城から脱出するだけのゲームなんだけど、独特の世界観というか雰囲気があって、ゲームをしつつ同時にアニメーションの世界に浸っているような気分になれます。かつてバイオハザードをはじめてプレイしたときにも匹敵するような感動がありました。文句なし。満点。

ファイナルファンタジーも嫌いではありませんが、ゲームに引き込まれる度合いからいくと断然「ICO」に軍配が上がります。このゲームって発売当時、話題になったのかなあ? どれくらい売れたのか分かりませんけど、少なくとも「メタルギアソリッド3スネークイーター」と同じくらい(80万枚以上)売れてもぜんぜん不思議じゃない出来のよさですね。製作はSONY。外人が最高責任者になったりしているけど、やっぱり腐っても鯛。作るものはすごい。もちろん私はSONYの回し者じゃありませんけど、この「ICO」は突出して面白いのでかなりおすすめです。