あまり触れたくないのですが、靖国神社に小泉さんが参拝するのかどうかが大問題であるかのようにマスコミは扱っています。しかし国民にとって、本当のところははどうなのでしょうか。
私の周りでは誰も、靖国参拝のことを真剣に考えている人などいません。どうでもいいことを大げさに騒いでいるな、というのが正直な感想です。朝鮮人や中国人が騒いでいるというのも、テレビや新聞を見る限りは大騒ぎしているように感じますけれども、マスコミが報じているのはごく一部の人々の動きに過ぎないかもしれないし、もしかすると、天安門広場でデモをしたり騒いだり日の丸を燃やしたりしている人々が実は中国政府に雇われた人たちかもしれないわけで、本当のところはよくわかりません。
よくわからないというと、61年前の戦争の真実も闇の中で、
天皇が直接に攻撃命令を出したのか、
真珠湾攻撃はアメリカが用意したスクラップの船を壊しただけなのか、
軍人はどこまで戦争責任を問われなければならないか、
民間人には戦争責任はまったくなかったのか、
大本営の発表とマスコミとの関係はどうだったのか、
マスコミの戦争責任は問われないのか、
そういったことはこれまでもこれからも、決して明らかになることはないと思います。それぞれの立場の人にそれぞれの都合があったり思い込みがあったり、信じている真実が人によって違ったりしますから、誰もが本当のことを話したとしても、矛盾だらけになってしまうでしょうし、誰もが本当のことを話すなんてことを期待することも、無理な話です。
と、ここまで書いたところで、テレビが小泉さんが終戦記念日の今日、まもなく靖国神社に参拝する、と報じました。
そうですか、やっぱり参拝しますか。
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あまり触れたくないと冒頭に書いたのは、小泉さんが参拝するとかしないとかより以前に、靖国神社や61年前の戦争に何の興味も関心もない人間としては、これといった感想が何もないので、書くことが何もないからなんです。マスコミが取り上げなければ、世間はこれほど騒ぐことはないでしょう。
現に、イラクで武器をせっせと運んでいる航空自衛隊のことはどのマスコミも取り上げないので、国民はほとんど知らない状態です。マスコミが報じるのは無意味な総裁選の行方やら鈴香容疑者やら停電やら北朝鮮やらで、北朝鮮がどんな国なのか散々知らされる一方で、日本政府が海外で何をやらかしているのかについてはまったく何も知らない、ということになってしまいがちです。
ことほどさように、政府なり権力者なり権力者に影響を及ぼす圧力団体なりの思惑がマスコミの報道内容を左右して、そこからしか情報を得られない国民は、マスコミによって操作されやすくなっており、たとえば中国や朝鮮の反日運動なんかを報じると、誰もあまりいい感じはもちませんよね。中には反発を覚える人やここぞとばかりに愛国心を高揚させる人まで出てきます。日の丸を燃やしている映像を見てその行為の可否を論じたりすること自体、マスコミに操作されていると思わなければなりません。
マスコミが真実を報道するのは甚だ困難で、それはマスコミも存続を前提として営業活動を行なっている企業に過ぎず、資金の流れを滞らせることは決して行なわないからです。だから反日運動は誰がどのような目的でやっているのか、その内容まで突っ込んで調査したり報道したりすることは決してありません。
実はそれは中国や朝鮮においても同じことが言えるわけで、それぞれの国民はそれぞれのマスコミを通じて、権力が知らせたいことだけを知らされているのです。そのことを肝に銘じておかなければ、戦争の不用意な肯定になってしまったり無用な愛国心を喚起されたりします。つまり61年前に逆戻りですね。
今はインターネットがあってそこからも情報を得ることができますが、テレビや新聞の情報に比べてずっと、取捨選択が困難な情報源であり、パソコンの操作や知識の違いがありますので、人によって得られる情報が異なります。とんでもない嘘の情報から真実に近いであろう情報まで、さまざまな情報があって、どれを採用してどれを切り捨てるかという作業が非常に難しいものとなっています。マスコミにもインターネットにも頼らず自分で調査するのはもっと大変です。ですから、時間的にも物理的にも経済的にも一般の人々にとって真実の情報を得ようとするのはかなり無理な話なんですね。
そこでやっぱりマスコミの情報から取捨選択するしかないのですが、この取捨選択という作業をしないで、マスコミが報ずるそのままに信じてしまう傾向が強い。複数のマスコミが同じ報道をしているのを見たり聞いたりすると、間違いなくそれが真実だと信じてしまうでしょう。実はそれが一番の問題なんですね。
これは中国や朝鮮の国民も含めて、戦争の真実もさることながら、現在の各国の状況はどうなのか、報じられる情報が真実なのかどうか、常にその疑いを持って情報に接しないと、国民感情が煽られっぱなしになってしまいます。
とここまで書いたところで、ついに小泉さんが靖国神社に到着しました。
とまれ今日は敗戦の日です。戦争で亡くなった方々にはご冥福を祈らずを得ません。