魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

深海魚22.オオワニザメ

2009年06月06日 15時49分27秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

今回紹介するのは、トロールで漁獲された中では大型の魚であるオオワニザメOdontaspis ferox (Risso)です。

トロール船では季節によっては大型のサメも網に入ります。それらはクロトガリザメやドタブカなど、所謂「メジロザメ」の仲間で、餌を追いかけて表層から海底を行き来するものです。

しかし、このオオワニザメはこれらのサメとは分類階級の「目」のレベルから異なる種で(メジロザメはメジロザメ目、本種はネズミザメ目)生態も異なります。このオオワニザメは、普通、海底に生息しているようです。

オオワニザメはオオワニザメ科に含まれています。オオワニザメ科は世界で2属4種が知られ、日本には2属2種が知られています。大きく鋭い歯がありますが、それらは細長くて若干曲がっています。これは同じ科のシロワニにも見られる形状です。

オオワニザメを含むネズミザメ目の魚には凶暴であるが希少な「ホホジロザメ」や外洋性のしなやかなハンター「アオザメ」などを含みますが、本種は深海性のサメであるため、あまり人間に出会う機会がなく、危険性は大きくないと思われています。

本種はわが国でもこれまで報告されていますが、その大きさゆえ(最大で4m以上:Fishbaseによる)標本にし難いのか、標本に基く報告は少なく、わが国における本種の正確な分布はわかっていないようです。

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本日耳石図鑑アップデートです

2009年06月05日 20時09分56秒 | 魚類耳石関連

本日、約1年ぶりにウェブサイトをアップデートしました。これはもちろん私のプライベートページでなく、「日本産魚類耳石大図鑑」です。今まで内緒にしていましたが、実は私はこのページにもいちメンバーとして携わっていました。(2008-,現在進行形)

今回のアップデートにより、公開された魚種は計487種にも及びます。そのなかにはこのブログの読者の方ならば見覚えのある魚の名や、日付とめぐり合えるかも知れません。

どうぞ、こちらのページも、よろしくお願いいたします。

http://www.geocities.jp/fishotoliths/TOP2.html

更新したからといって、仕事はこれでお終いではありません!バグ直し、正誤表作成等、やるべきことは未だたくさんあります。次のアップデート用の写真もあり、こちらの作成もがんばって進めてまいります。

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深海魚21.ツラナガコビトザメ

2009年06月04日 18時53分10秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

今回紹介する魚は、サメの一種、ツラナガコビトザメSqualiolus alii Tengです。こんなに小さくとも、サメの仲間です。

ツラナガコビトザメはヨロイザメ目ヨロイザメ科の小型種です。ヨロイザメ科のサメは何れも深海性のもので本邦では5種類、世界で10種が知られます。ただ、深海性とはいいましても餌を追って垂直移動することがあります。夜間には赤いエビ類やイカを追いかけ、底曳網の水深までやってきます。この写真の個体も、夜間に採集されたものです。

ツラナガコビトザメは成魚でも全長20cm強しかなく、サメの仲間でも特に小型のものとして知られています。ツラナガコビトザメ属は2種からなり、もう1種のオオメコビトザメは本種よりも大きな眼を持つことで区別できます。

ツノザメやカラスザメ類に似ていますが、これらのサメは背鰭に棘があるのに対し、本種は棘を持っていません。体色は黒っぽく、深海性の種の特徴となっています。

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水槽で気になること 2009年6月3日

2009年06月03日 14時52分41秒 | 魚介類飼育(海水)

 今日は深海魚特集はお休み。

水槽内に入れたライブロック(いや、ライブシェル?)からこんなものが生えてました。

海藻のランナーです。おそらくイワヅタの仲間の「タカツキヅタ」でしょうか。よく見ると3方向にランナーを伸ばしており、勢力拡大を狙う感じです。比重急変に弱いらしいので、長期維持にはそこだけは気をつけるようにします。紫色はカイメンの1種、ムラサキカイメンとはまた違うカイメンでしょう。

もうひとつ気になることは・・・

水槽台から木屑がぽろぽろと落ちてくるようになりました。この水槽台は11年間水槽台として使用しているものですが、使用し続けるのは難しいかな・・・?私はできれば、補強を行なってまた使えるようにしたいものですね。とっても便利だし。

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深海魚20.アオメエソ

2009年06月02日 15時39分11秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

今回登場の深海魚は、「アオメエソ」です。アオメエソは水深200m以深に生息する深海魚の1種です。

アオメエソは「エソ」の名を冠しており、エソ同様のヒメ目に含まれます。しかしそれ以下の階級の扱いについてはまだ議論されています。日本では、エソをふくむエソ亜目とは別の「アオメエソ亜目」に含めることが多いです。

アオメエソ亜目には、「三脚魚」の名でも知られる有名な深海魚のナガヅエエソやイトヒキイワシ、フデエソの仲間が含まれますが、この仲間は一部を除き、食用魚ではありません。

しかし、このアオメエソの仲間は食用になります。一部の地域では「めひかり」という名で普通に市場にもでています。この仲間にはいくつか種類があり、そのなかの「トモメヒカリ」「ツマグロアオメエソ」を今回お世話になった有限会社 昭和水産様では一夜干しで商品化されています。

このトモメヒカリ、機会があればまた紹介いたしますので、お楽しみに!

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