草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

岡田外相が見倣うべきは伊東正義の潔さ

2010年03月19日 | 思想家

 どんな人間でも過ちは犯す。それをいちいち荒立てるつもりはないが、岡田克也外務大臣の弁解は酷すぎる。普天間基地の県外、国外移設は難しくなったこともあり、鳩山由紀夫政権はほぼ県内移設の線で固まったようだ。「鳩山首相が例え先の総選挙で訴えたとしても、マニフェストには書いてなかった」ということだけで、岡田外相が押し切ろうとするのは、あまりにも大人気ない。ここまできたならば、責任をとって外務大臣を辞すべきだろう。沖縄県民に向かって、できもしない御託を並べ立てたことは、打ち消せないからだ。今こそ岡田外相は、会津っぽ政治家であった伊東正義の身の処し方に学ぶべきなのである。鈴木善幸内閣で伊東は外務大臣を務めたが、日米首脳会談の共同声明で、鈴木首相が「日米同盟は軍事同盟ではない」というようないい加減な発言をしたことに反発し、会津人の「ならぬことはならぬ」という精神で、辞表を出したことで知られる。その潔さが買われて、一時は総理大臣候補にもなったのである。同じようにすれば、岡田株が上がり、一国の総理として担がれることになるはずだ。このままでは、不甲斐ない鳩山内閣の閣僚として、名前をとどめるだけで終わってしまう。岡田外相は団塊の世代のすぐ後であり、戦後の民主主義の教育を受けた最後の世代だ。同じ年代の者として、国家意識が乏しいのはよく分かる。しかし、国の外交を担うにあたっては、国益を優先させるべきであり、それに反するような首相であれば、毅然として、たもとを分かつべきなのである。

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臆病な独裁者の反対派粛清劇

2010年03月19日 | 政局

 民主党の小沢一郎幹事長は、独裁者になることを何とも思わない政治家である。それは若いときから一貫している。自民党時代も幹事長として同じようなことをして、それで孤立してしまった。よくよく考えてみると、小沢幹事長は小心者なのだと思う。他人を信じられないから、臆病になり、警戒心が強いのである。マスコミ関係者を手なずけたがるのも、身を守るためだろう。しかし、いくら小沢幹事長がにらみをきかせても、民主党内の反小沢の動きは押さえようがない。高嶋良充筆頭副幹事長が幹事長職辞任を求めたことで、副幹事長を辞めさせられるという事態になった。生方副幹事長は当選四回の衆議院議員で、旧社会党系のグループに属する。あまりにも小沢幹事長のやることが目にあまったので、ついつい声を上げてしまったのだろう。さらに、民主党内の左派は、沖縄県民を弄ぶだけの普天間基地移設をめぐる鳩山政権の対応に、憤りを感じているのだと思う。また、かつての小沢幹事長自身の言葉を借りれば、現在の日本は「普通の国」ではない。政治的な最高権力者と目される二人が、「平成の脱税王」とか「平成の闇将軍」とか呼ばれているのに、知らぬ存ぜぬで通そうとしているからだ。さらに、内政外交とも鳩山政権や民主党は、無能ぶりをさらけ出している。それにもかかわらず、反発する議員が一握りに過ぎないようであれば、国民の多くは民主党を支持しなくなるだろう。しかも、今回の処分は、スターリンがやった反対派の粛清とまったく一緒であり、民主党離れを一挙に加速させることになるはずだ。

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