鳩山政権や民主党は、世界が平和に向かっていると思っているのだろうか。とんでもない勘違いだ。世界はそれこそ暴力の海なのである。そこで国民の生命と財産を守るには、それなりの覚悟がいるのである。韓国の哨戒艦が沈没したのも、今の段階では事故だとみられているが、もし北朝鮮による挑発行動であれば、一挙に東アジアは緊張が走るのである。油断は禁物だ。普天間基地の移設にしても、米軍を厄介者扱いにして、誰かが貧乏くじを引かなくてはならない、という考えは間違っている。安全保障上の観点がすっぽりと抜け落ちているからだ。鳩山由紀夫首相が今恐れているのは、県内ということになれば、自分の嘘が明らかになるからだろう。そう思われたくないから、訓練する場所だけは県外に持っていきたいのだ。それを許さないような空気を醸成させたのは、誰あろう鳩山首相自身なわけで、自業自得というのは、まさしくそのことだ。その場の空気に手向かいできないから、コロコロと発言を変えることになるのだろう。その空気に水をさすのがネットであり、それでかろうじてバランスがとれるのである。民主党は政権交代を果たしたのだから、不祥事は大目に見てやるべきだという暴論が、絶対的な空気となった時期もあった。それを一新させたのもネットの力であった。山本七平は「ある一言が水を差すと、一瞬にしてその場の空気が崩壊するわけだが、その場の水は通常、最も具体的な目前の障害を意味し、それを口にすることによって、即座に人びとを現実に引きもどすことを意味している」(『「空気」の研究』)と書いているが、その一刺しによって、多くの日本人が目を覚ましたのではないか。先の総選挙では、消化酵素としての水があったとしても、それを差す作業を怠ったために、手遅れになったのである。今一番大事なことは、ネットの力を発揮し、空気の支配に水を差すことだ。
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