草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

身勝手な鳩山内閣の自己弁護と先送り

2010年03月21日 | 政局

 今の内閣の鳩山由紀夫首相や閣僚の批判ばかりしたくはないが、あまりにも目にあまるので、槍玉に挙げないわけにはいかない。とくに異常なのは、懸案になっている問題の方向性を示すのが、五月に集中していることだ。タイムリミットをそこに設定することで、参議院選挙を有利にしたいのだろう。普天間基地の移設問題ばかりでなく、IT戦略本部の予算措置を含めた工程表もそうだし、新しい年金制度の基本原則がまとまるのもその頃になるという。今さらそんなことをしなくても、先の総選挙のマニフェスト通りにやればいいいのに、それができないので、時間稼ぎをしているのだけだ。ミスター年金とか言われていた長妻昭厚生労働大臣にしても、野党時代は元気が良かったのに、今は人が変わったようだ。衆参の予算委員会の答弁では「御意見をお伺いして」「ただ今検討しておりますから」の連発で、無能ぶりをさらけだしている。期待はずれもいいところである。いつも同じことの繰り返しだから、あれでは答弁を求める必要もないくらいだ。自分で結論が出せなくて、先送りをしているだけなのである。普天間基地の移設問題がこじれていることで、日米同盟に亀裂を生じさせていることに気がつかない鳩山首相も、頓珍漢なことばかり口にしている。「米国は現行案だけにはとらわれない幅広い考え方を持ち合わせていると思う」と真顔で述べるわけだから、神経が疑われてならない。外交が交渉ごとだというのを無視して、希望的観測を平気で口にするのは、あまりにも無責任だ。それでもまだ、世論調査では約3割の国民が鳩山内閣や民主党を支持しているとか。もう一度騙されないと目が覚めないのだろうか。人が好いのにもほどがある。今の内閣に期待する方が間違っているのである。

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鳩山首相は天心の「アジアは一つ」の精神に学べ

2010年03月21日 | 思想家

 鳩山由紀夫首相や民主党が口にする東アジア共同体とは、あまりにも抽象的過ぎる。それをカバーするために、鳩山首相は「日本を開くという考えで、大胆かつ積極的な取り組みを、スピード感を持って立案して欲しい」と各閣僚に指示した。五月末までという期間を区切ったのは、普天間基地の移設で世論の集中砲火を受けるのを見越して、目くらましに使おうという魂胆があるからだろう。しかし、それ以前に鳩山首相自身が、自らの理念を語るべきであり、岡倉天心が主張した、アジアは一つという考えから出発すべきだろう。桶谷秀昭が指摘するように、天心が「アジアの文明を、西洋文明の膨張発展と対比して、調和の性質において強調した」(『昭和精神史』)のを思い出すべきである。天心にとってのアジアは、欧米の行きすぎた膨張主義を批判する根拠として提出されたのである。「ヨーロッパの栄光はアジアの屈辱である!歴史の進行は、西洋がわれわれに敵対するのを避けがたくする歩みの記録である。そもそもの初めから、地中海とバルト海沿岸の住民の飽くことを知らぬ本能は、狩猟と戦争、海賊と略奪から生まれ、農耕アジアの大陸的な足らざるも欲せぬ心とつよい対照をなしていた。全人類の神聖な言葉である自由は、彼らにとっては個人の享楽の投機であり、互いの生活の調和ではなかつた」(『東洋の覚醒』桶谷秀昭訳)という天心の叫びは、アジアの叫びでもあった。しかも、天心は仏教や儒教を生みし「普遍的なものに対する広やかな愛情」(『東洋の理想』佐伯彰一訳)を評価したのであって、鳩山首相のように、経済政策の必要上から構想されたわけではない。さらに、王道を重んじたはずの大国中国は、共産主義の一党独裁のままであり、かつての欧米列強のように、膨張主義をとろうとしており、その現実も直視しなくてはならないのである。

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