今の内閣の鳩山由紀夫首相や閣僚の批判ばかりしたくはないが、あまりにも目にあまるので、槍玉に挙げないわけにはいかない。とくに異常なのは、懸案になっている問題の方向性を示すのが、五月に集中していることだ。タイムリミットをそこに設定することで、参議院選挙を有利にしたいのだろう。普天間基地の移設問題ばかりでなく、IT戦略本部の予算措置を含めた工程表もそうだし、新しい年金制度の基本原則がまとまるのもその頃になるという。今さらそんなことをしなくても、先の総選挙のマニフェスト通りにやればいいいのに、それができないので、時間稼ぎをしているのだけだ。ミスター年金とか言われていた長妻昭厚生労働大臣にしても、野党時代は元気が良かったのに、今は人が変わったようだ。衆参の予算委員会の答弁では「御意見をお伺いして」「ただ今検討しておりますから」の連発で、無能ぶりをさらけだしている。期待はずれもいいところである。いつも同じことの繰り返しだから、あれでは答弁を求める必要もないくらいだ。自分で結論が出せなくて、先送りをしているだけなのである。普天間基地の移設問題がこじれていることで、日米同盟に亀裂を生じさせていることに気がつかない鳩山首相も、頓珍漢なことばかり口にしている。「米国は現行案だけにはとらわれない幅広い考え方を持ち合わせていると思う」と真顔で述べるわけだから、神経が疑われてならない。外交が交渉ごとだというのを無視して、希望的観測を平気で口にするのは、あまりにも無責任だ。それでもまだ、世論調査では約3割の国民が鳩山内閣や民主党を支持しているとか。もう一度騙されないと目が覚めないのだろうか。人が好いのにもほどがある。今の内閣に期待する方が間違っているのである。
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