会津人は頑固だから、口先だけのごまかしを許さないし、不正を徹底して憎む。就任早々菅直人首相が、長州人にこだわるあたりは、片腹痛い。薩長に錦旗をでっちあげられて、会津が逆賊になったことが、ついつい思い出されてしまうからだ。長州は、裏では密貿易をしていたくせに、幕府を追いつめるために、攘夷を叫んでいたマキャべりストなのである。その末裔がまたもや、この国を動かせば、日本を滅ぼすことになりはしないか、会津人としては、はなはだ心配だ。菅首相の持論は、「最小不幸社会を目指す」というものである。ハックスリーの『すばらしい新世界』を読んで思いついたのだそうだ。菅首相はかなりピンぼけで、ユートピアなるものが、人間にとっては不幸であることを教えてくれているのに、「不幸を取り除くことの大切さ」を学んだのだという。痛烈な社会主義批判としては受けとめずに、勝手な解釈をしたのだった。さらに、長州人は口が巧いから騙されてしまうが、清潔さを売り物にしている今回の内閣にも、疑惑を持たれた人材が紛れ込んでいる。汚職で逮捕された佐藤栄佐久前福島県知事の娘婿である玄葉光一郎議員だ。菅首相は、内閣の一員に選んだだけでなく、民主党の政調会長に就任させたのだから、とんでもない勇み足である。新政権はご祝儀相場もあって、期待が高いのは確かである。だが、長州にしてやられたことのある会津人は、菅政権について懐疑的である。福島県を舞台にした汚職事件で矢面に立たされた政治家を、何もなかったかのように起用したからだ。清廉潔白を宣伝文句にしたいのならば、まずは身体検査をきちんとすることだ。
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