昨日の参議院での菅直人首相の答弁を聞いていると、官僚が書いた文章を棒読みをしているだけで、覇気がないのには驚いてしまった。歴代の首相のなかで、一番元気がないのではなかろうか。いかに奇兵隊内閣とぶちあげてみても、年寄りのたわごとに聞こえてならなかった。それから、代表質問に立った自民党議員などの舌鋒に対しては、できるだけ冷静さを装っていたが、同じことの繰り返しでお茶を濁しただけであった。しかし、日本が国難に直面しているときだけに、そんな体たらくでよいのだろうか。沖縄返還のときに総理大臣の座にあった佐藤栄作は、菅首相と同じ長州出身であったが、言葉に勢いがあった。しかも、普天間基地の移設どころではない難題を抱えていたのである。あくまでも、当時は名目に過ぎなかったとはいえ「核抜き本土並み返還」ということに、佐藤はこだわったのだった。その功績が評価されてノーベル平和賞をもらうことになったのである。菅首相は老いが人より早いのではなかろうか。予算委員会も開催せずに、民主党は党利党略だけで参議院選挙に突入することになった。あの答弁では、政権が窮地に追い詰められるというのを、民主党幹部の多くが心配していたので、批判を承知で強行したのだろう。鳩山政権に続いて、またもや菅政権も短命政権に終わりそうな雲行きである。そもそも民主党政治に期待した国民が愚かなわけだから、しかたがないことではあるが。
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