革マル派創設時の幹部の一人でもあった、元JR東労組会長の松崎明が死去した。革命的なマルクス主義を主張しながら、最終的には連合の軍門に下った松崎は、徹底したリアリストであったのだろう。血塗られた他党派との内ゲバで殺されることなく、ここまで生き延びたのは、奇跡に近かったが、1956年のスターリン批判以来の日本の新左翼運動は、彼の死によって終焉を迎えたといえる。革マル派の創設者である黒田寛一も、一足早く2006年にこの世を去っている。新たな前衛党を追い求めた革マル派は、ある種の宗教であった。「おのれを自然と社会とをつらぬく物質の無限なる自己運動の尖端にたつものとして自覚し、この物質的自覚において人間の真実の歴史を創造してゆこうと決意し実践する革命的人間の形成」(黒田寛一著『現代における平和と革命』)と書いているように、イデアとしての共産主義社会を先取りしたプロレタリア的人間たらんとすることを、構成員一人ひとりに求めたのである。しかし、それはかなわぬ夢であったし、宗教的な自己絶対化をもたらしただけであった。疎外革命論の瓦礫のなかで、松崎は何を目指そうとしたのだろうか。今の民主党政権を支えているダラ幹と一緒であったとは思いたくないが、もはや今となっては、問い質すすべはない。
↑
会津っぽに応援のクリックをお願いします