自民党は民主党と大連立を組むべきではない。民主党にはサヨクが巣食っているからだ。彼らがいる限り、政権運営がうまくいくわけがない。吉田茂は白足袋、葉巻、そして暴言がトレードマークになっていたが、立派だったのは、昭和24年の総選挙で敗れて、第一党の座を社会党に奪われると、さっさと政権を渡したことだ。自由党には、何が何でも政権にぶら下がっていたいという意見もあったが、社会党からの連立の申し出をキッパリと断ったのである。思想的に合わない者同士で一緒になっても、すぐに行き詰るのが目に見えていたからだ。もう一つ吉田茂が立派であったのは、占領軍に対して、卑屈にならなかったことだ。今の菅直人首相は、どこの国に対しても、ペコペコし過ぎである。吉田は「戦争で負けても外交で勝った歴史はある」というのが口癖で、言うべきことは、断固として主張した。自民党もこの点を見習うべきだ。いくら同盟国であっても、米国の言いなりになってばかりはいられない。戦後の日本政治の骨格をつくったのは、吉田であった。再軍備を拒否したエピソードばかりが語り伝えられているが、それ以上に忘れてならないのは、高坂正堯が『宰相吉田茂論』で褒め称えているように、信念を貫いた明治人の気骨なのである。
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