働きもせずに、国がばら撒くのを口をあけて待っている。そんな世の中が定着すれば、誰も働かなくなるだろう。民主党政権になってから、日本経済は暗いトンネルに入ってしまった。それと比べると、自民党の「社会資本整備に200兆円を投じる」という次期衆議院選挙のマニフェストは、メガトン級のインパクトがある。首都圏が大震災に襲われるのを待っているのではなく、積極的に手を打てば、それが経済成長にも結びつくからだ。リベラルだとかレッテルを貼られて、誤解されているのに石橋湛山がいる。その石橋が蛇蝎のごとく嫌ったのが、デフレであった。敗戦間もないということもあったろうが、昭和21年7月26日に行った蔵相としての財政演説において石橋は「国に失業者があり、遊休生産要素の存する場合の財政の第一要素は、これらの遊休生産要素を動員し、これに生産活動を再開せしむることにあると考える。この目的を遂行するためならば、たとえ財政に赤字が生じ、ために通貨の増発をきたしてもなんらさしつかえない。それどころか、かえってこれこそ真の意味の健全財政であると信じる」と述べたのである。それを今の時代にあてはめれば、公共事業を活発化して、雇用の場をつくることではないか。しかも、国土強靭化といった目標があってのことだから、無駄金ではないのである。私たち日本人は今一度、額に汗して働くことの意義を噛みしめるべきだろう。リベラルの石橋も、内需を拡大しようとしたのであり、仕事を出すことで、国が大盤振る舞いをすることの意義を説いたのだ。
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