脱原発を叫んでいる菅直人前首相が、離党するかどうか、私は大いに注目している。野田佳彦首相、枝野幸男経済産業相、藤村修官房長官、細野豪志原発事故担当相らが昨日の夜の会合で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼動を認める方針を決めた。これに対して、菅は異論があるだろうから、さっさと民主党を離れるべきなのである。その決断ができなければ、菅の信用はガタ落ちになるだろう。北朝鮮による弾道ミサイル発射で、国民の関心がそこに集まっている隙に、自分たちだけでコソコソと決めたわけだから、民主党内の脱原発のグループが怒ってあたりまえだ。それにしても、菅の声が聞こえてこないのはなぜだろう。平気で嘘を吐くのが民主党だとしても、近日中に菅が記者会見をして、今の民主党執行部を痛烈に批判しなければ、国民を騙したことになりはしないか。本来であれば、菅を中心とする脱原発のグループは、野田の暴走に待ったをかけるのが普通である。それとも、自民党政権ではダメだが、民主党政権であれば、何をしても許されるのだろうか。老婆心から私が心配しなくても、市民運動家上がりの菅は、離党を覚悟で首相官邸に乗り込み、野田らの原発推進論者を怒鳴りつけるのだろうか。東京電力の本社に乗り込んだときのように、喚きたてればいいのだ。しかし、それもできないならば、菅の脱原発は、原発事故の責任を回避するための、単なる方便ということになり、国民からソッポを向かれるに違いない。
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