橋下徹とか、小沢一郎よりも、私が今もっとも注目するのは、石原慎太郎と加藤紘一だ。前の二人は明らかにポピュリズムで、根っこがまったくない。それと比べると、後の二人は違う。確信犯であり、腰が据わっている。今の日本人の多くは、前者の二人を過大評価しているが、歴史に名をとどめるのは、石原と加藤ではないか。この二人は、対立軸がはっきりしている。石原にとっては、国益を重視するというのは、尖閣を手放さないことである。尖閣の島々に日の丸がはためいていないと、気が気でならないのだ。加藤の方は、それとは180度違う。日中が反目するのであれば、それを避けることを最優先させる。戦後民主主義の落とし子であり、経済オンリーで、リベラルそのものである。私は石原の意見が正しいとは思うが、加藤がどんなことを言うかについても、注意を払っている。政治家は命がけで、ことにあたらなくてはならない。生半可な思いつきでやられたのでは、国民は大いに迷惑するのである。野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁の党首討論よりも、私は石原と加藤の大人の議論を聞いてみたい。国民が頼りにしている指導者は、本当のところは数少ないのである。横山ノックや青島幸男を大阪や東京の知事にした二の舞を演じるようでは、日本もおしまいである。今こそ第二の石原と第二の加藤が出てこなければならないし、それを待望しているのは、私だけではないと思う。
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