福島県民の一人として、菅直人前首相や官邸がスピーディを公表しなかったことに対して、怒りを覚えるのは私だけだろうか。菅前首相にいたっては、全てを自民党政権のせいにしている。しかし、菅前首相に大甘な朝日新聞特別報道部の『プロメテウスの罠ー明かされなかった福島原発事故の真実』ですら、民主党政権の「犯罪」について問題にしている。とくに第一章の「防護服の男」では、2011年3月12日夕方、枝野幸男官房長官が10キロ圏外は安全だと太鼓判を押していたときに、「なんでこんなところにいるんだ!頼む、逃げてくれ」と浪江町津島地区の住民に向かって、真剣な物言いをした二人連れがいた。二人は白い防護服を着て、ガスマスクをしていた。午後3時26分に福島第一原発の1号機が爆発したのを受けて、20キロ圏外への避難指示が出たのは午後6時25分であり、それ以前に民主党関係者や、役人は福島第一原発の北西部に放射性物質が拡散しているのを知っていて、それを隠したのである。良心の呵責を感じた者が、住民に本当のことを伝えたのだった。民主党政権は福島県民を見捨てたのである。そのときの官邸のスタッフを私たち福島県民は忘れないだろう。当時の菅首相、枝野官房長官のほかにも、経産相の海江田万里、官房副長官福山哲郎、首相補佐官の細野豪志、寺田学らがいたはずだ。その連中が脱原発を叫んでいるわけだから、度し難いにもほどがある。
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