草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

クリストは「人の子」マリアは「永遠に守らんとするもの」!

2012年12月24日 | 思想家

 芥川龍之介の『西方の人』のイエス像に、心惹かれるのは私だけだろうか。クリスチャンでもない私は、せいぜい聖句を幾つか暗記しているだけだ。それでも、芥川の「十字架上のクリストは畢(つひ)に人の子に外ならなかった」との断定は、私たちと同じ血が通っていたことを、さりげなく述べたのだった。神の子であったとしても、神ではなかったのだ。ゴルゴダの丘での「エリ、エリ、ラマサバクタニ」の悲鳴は、その弱さから出たのだろう。芥川は「わが神、わが神、どうして私をお捨てになさる?」と悲鳴を上げたことに対して、「クリストはこの悲鳴の為に一層我々に近づいたのである。のみならず彼の一生の悲劇を一層現実的に教えてくれたのである」と書いている。あくまでも芥川は、日本人的な見方をしているのではないか。しかし、それを恥じていないところが立派だ。日本人は近代化を受け入れるにあたって、一緒にキリスト教も受け入れようとした。だからこそ、芥川は「永遠に守らんとするもの」をマリアと呼び、「永遠に超えんとするもの」を精霊と呼んだのである。善悪の彼岸に立つ精霊に振り回され続けたのが、日本の近代化であった。それだけに、私たち日本人は、内なるマリアを思い起こすことで、日本人であることを確認してきたのではないか。今日がクリスマスイブのこともあり、なおさら『西方の人』におけるクリストにこだわってしまう。今の季節の会津の雪原は砂漠に似ているが、あくまでも私たちは日本人なのである。


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迫りくる大震災に備えるのが安倍新政権の一番の仕事だ!

2012年12月24日 | 政局

 安倍新政権がまず手を付けるべきは国土強靭化だろう。政府の地震調査委員会が去る21日、「全国地震動予測調査」を発表した。東海道ベルト地帯は、軒並み危険性が高まっているという。とくに水戸市や千葉市では、30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率が、62・3%、75・7%となっている。それよりも切迫しているのは、静岡市と津市である。89・7%、87・4%と高い数字を示している。日本の繁栄などは、風前の灯であり、老朽化した橋や高速道路、トンネルなどの補強は、一刻の猶予もならないのである。それと同時に、藤井聡京大教授が指摘しているように、国の機能を地方に分散することも必要だろう。マスコミなどは公共事業を悪と決め付けているが、何もしなければ、かけがえのない日本が失われるのである。地震調査委員会が作成したマップを見れば、赤で塗りつぶされている危険な地帯は、ほとんどが人口密集地である。それ以外の場所となると、山間部の過疎地である。国土の均等ある発展を目指す上からも、関東平野より上の栃木県、福島県会津、山形県に国の施設を移転させる。それだって一つの備えではないかと思う。危機が迫っているのに、お花畑で能天気なのはマスコミである。どこまで「コンクリートから人へ」を金科玉条にすれば、気がすむのだろう。いくらマスコミに批判されようと、国民の安全と財産をどのようにして守るか、それが安倍新政権の一番の仕事なのである。


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