漫画ごときで騒ぐのも大人げないが、「美味しんぼう」最新号を論じないわけにはいかない。原作者の雁屋哲は真実を描いたとしているが、それは本当だろうか。私は会津に住んでいるが、福島県を危険視するならば、東日本全体を問題にすべきだ。雁屋哲の指摘通りであるならば、栃木県の那須や宮城県の南部、茨城県の北部がどうして安全なのだろう。私は線量計を常時持っている。それらの地域では、会津よりも高い数字が出ているのを、何度となく確認している。雁屋が福島県にこだわるのは、サヨク的プロパガンダがあるからだろう。しかも、雁屋は本当の敵を見逃している。福島第一原発の事故は民主党の菅直人政権時代のことなのである。一番深刻だったときに、福島市や郡山市からの避難を握りつぶしたのは、誰あろう菅直人元首相であり、民主党の応援で当選していた佐藤雄平知事ではなかったか。自民党の安倍首相は、それを引き継いだだけだ。さらに、雁屋哲に言われなくても、福島県人は低線量被曝の危険性を知らないわけではない。黙々と耐えているのである。実験道具になってやっているのだ。放射能で汚染された山河を取り戻そうと、それこそ必死なのである。「福島県に住めない」と言うのであれば、民主党政権時代に口にすればよかったではないか。福島県人は多くの不安を抱えながら生きている。それでも、できれば土地を離れたくはないのである。たとえ離れることになっても、すぐに帰れる場所にとどまりたいのだ。会津地方にも大熊町の人たちが住んでいる。避難するのであれば、もっと早いタイミングがあったはずだ。ここまでくれば、歳月が経ってしまえば、福島県人は腹をくくっているのであり、よそもがとやかく言うことではない。
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