今日は憲法記念日である。占領期間中に憲法を押し付けられた国は、世界中で日本だけである。原文は英語であり、それを日本語に翻訳したのだから、日本の文化や伝統にも立脚していない。とくに問題なのは、前文において「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれていることだ。自国の平和と安全を他国に依存した国家は、最終的には滅亡するだけである。戦後の日本は、アメリカの軍事的なプレゼンスがあったために、安全保障についてまともな議論が行われなかった。それでも戦力としての武力は維持している。かろうじて尖閣諸島を防衛できているのは、自衛隊の最新式の潜水艦が配備されているからだ。平和を保つためには「固い決意と深い勇気とをもって始めて解決を見る」(『教育哲学』)と指摘したのは、哲学者の高山岩男であった。「平和は平和的な方法で守り得るか。これまた政治上の難問である。平和を尊重する立場、平和主義の人士が、平和を破壊する行動に対してもなお穏和な平和的態度をもって臨み、一切の非平和的方法を使用することを拒否するならば、とうてい平和を守り得ないことは、道理の上から明白であるのみならず、最近までの世界史の事実からも明白である。それだけではない。悪を見て見ぬ振りをすることは、それ自体が一種の悪である」(『同』)。私たち日本人は、憲法9条を押し戴くのではなく、平和を守るためにはどうすべきかを考えるべきなのである。
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