どうせ小沢一郎は首の皮一枚なわけで、東京地裁で今日無罪を言い渡されても、手放しでは喜べないだろう。かろうじて無罪にはなったが、小沢の時代はとっくの昔に終わっているわけだから、間違っても勘違いすべきではない。虚心坦懐になって、今回の判決理由を読んでみればいい。あれは有罪を導き出すための文面ではないか。秘書が独断で多額の金銭を動かすことは、誰が考えても不自然である、と述べているし、帳簿外で処理していたことについても、小沢が「当然のこととして容易に認識し、了解したものと考えることができる」とまで断定している。普通であれば、関与していたことが明らかであれば、小沢の有罪は確定ではないか。それが無罪になったのだから、トンデモ判決と言われても、裁判官は返す言葉がないはずだ。小沢側近のなかには、民主党内で多数派を形成し、「小沢元代表を総理大臣にしよう」と持ち上げるお調子者もいると思うが、そんな無責任な発言を無視し、今こそ政界からの足を洗うことを、小沢は真剣に考慮すべきだろう。本来は罪に問われても不思議ではないのに、無罪になったのは「武士の情けだ」と感謝し、石をもて政界を追われないうちに、岩手に戻るべきなのである。ここでもう一旗揚げようとすれば、晩節を汚すだけだ。老兵は黙って去るしかないのである。
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