一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

267   天空に争いもなく青田かな   要介

2011年06月05日 | 

天空とは広々とした空のことであるから、争いのないのは当然のことだ。それを敢て言葉にしているのは、天空に対する地上のことを暗喩しているからだろう。

我々の住むこの地上には、戦争や殺人事件が溢れ、毎日マスコミを賑わせている。マスコミが残忍な出来事を興味半分にことさら強調して報道し、人々の不安を煽っているように、私には思えてならない。

 

しかし,よく考えてみれば、人間社会には平安な場所の方がはるかに多いのではないだろうか。その代表が青田なのであって、そういう平和な田園風景に思いを馳せている作者の心が伝わってくる。それは、現在というよりも、作者の少年時代の回想なのかもしれない。

 

但し、厳密に言えば、青田にも鳥たちが虫を食べたり、という殺戮は繰り返されているのだから、平和とは言えない。

 

クワ(桑)の実

 

コメント
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