私は20才の頃、3年間西日本を旅したことがある。無目的で観光地は一切見物しない。一日五百円の食費以外お金を使わない。寝袋で駅・寺・神社などで眠る、歩いたりヒッチハイクしたり、お金がなくなると働く。
この三年間の旅から学んだことは、「世の中どうにでも生きていける」という自信と、将来への不安の解消だった。
あれから40年近く経ち、一昨年カナダのバンクーバーへ10日間の旅である。飛行機、車、船、ロープウェイなど、ほとんどが乗り物の旅だった。隔世の感あり、である。もう一度、昔のような旅をしてみたいのだが・・・
バンクーバーで、60句余り作句したが、ほとんどが写生句。掲句だけが異なり、人類に対する危惧、絶滅に対する危惧が俳句になった。ある思いが、俳句になるまでには、結構時間がかかるもので、思いだけで終わってしまうことも多い。
ちなみに、バンクーバーの野辺に咲くジギタリスは生命力が強く、薬にもなるが全草毒である。
ノハナショウブ(野花菖蒲)