句会でこの句を見た時、「海行かば」が何のことか分からず採らなかったが、後で聞いたり調べて、本当に驚いた。なんと大伴家持の詞に、昭和12年、NHKの委嘱を受けて信時潔が作曲したのだ。
海行かば 水漬(みづ)く屍(かばね)
山行かば 草生(くさむ)す屍
大君(おおきみ)の 辺(へ)にこそ死なめ
かへりみはせじ
太平洋戦争の時、ラジオで大本営による玉砕が発表される際、必ずこの曲が流れたという。当時を知る人にとっては、辛い経験だったのだ。しかし、曲が良いので第二の国歌とも言われていたという。
青山椒