禅宗には、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗などがある。全国には計二万余の寺があり、専門修行道場も数多い。しかし、何と言っても曹洞宗が圧倒的に多い。
永平寺などの山間地と異なり、京都や鎌倉など市街地の禅寺の中には道場を抜け出して、巷間に出かける者もいないとは限らない。それは単なる街への近道ではなく、あくまで雲水たちの抜け道なのだ。
季語に七変化を斡旋したのも一理ある。つまり、いくら禅の修行が厳しいと言っても、あくまで本人の自覚に委ねているのだろうし、怠惰や放蕩も、場合によっては修行にプラスすることもあるのかもしれない。
まして老師と言われる指導者は、相手の年齢や性格、時と場合によって、優しく諭したり、厳しく叱咤したり、その対応は自由自在の七変化なのである。
七変化は、紫陽花(あじさい)のことで、白から淡緑、青、紫、赤などに次第に変化するので、名付けられた。
カキツバタ(杜若)