母の死は、いつまで経っても受け入れ難い。ところが、ある時ようやく受け入れた。それは、昼寝から覚めたときだ、という。母親の死からどのくらいの時間経過があったのだろうか。数日かもしれないし、数年かもしれない。
母が夢の中で死んでいたのが原因かもしれない。夢などとは関係なく、受け入れる気持ちになったのかもしれない。
いづれにしても、納得できないことを納得するには、時間の経過やある人との出会いや事件など、何かが必要であって、この句の場合は昼寝が誘因して、ある日突然納得した。煩悩からの脱却、悟りに似ているかもしれない。
尚「ほんたう」は、「ほんとう」と読み、「本当」と書く。俳句をやらない方から、「どうして、今では使われない文語や難しい字をわざわざ使うのか」という質問or叱責を時々受ける。一般の方からは、そういうところを疎まれているようです。
「そうですね、本当に申し訳ありません、自慢気にしている訳ではないんですけどね」
センダン (栴檀)、花樗(はなおうち、はなあうち)とも