アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月30日)は、株式会社宝島社 第1編集部のMさんから『7日間で身につける!アドラー心理学ワークブック』(1,000円+税)の4,000部重版のお知らせが入りました。

7日間で身につける!
アドラー心理学ワークブック
岩井 俊憲
宝島社

これで5刷、累計2万6千部に達します。

お陰様で私には今年の1月以来さまざまな本で毎月1万部以上の重版(新刊の部数は除く)がかかっています。

私の今年の重点施策「人おこし」が私自身に及んで嬉しさ一杯です。


ところで、私の最も身近な人にも「人おこし」効果が出ています。

何と私のカミさん、岩井美弥子にです。

5月29日(日)14:00 - 16:00には、山梨県甲府市に出かけて

アドラー心理学による「勇気づけの子育て講演会」

を行ってきました。

参加者が50数人もいたようです。


(場所:甲府市総合市民会館)

参加された方が次のようなご感想をブログに書いていらっしゃいます。

功刀京子さん(主催者)
岩井美弥子さんの「勇気づけの子育て講演会」でした。

深沢孝之さん
「勇気づけの子育て」講演会

橋口誠志郎さん
【感想編】『勇気づけの子育て講演会』(岩井美弥子講師)@甲府市総合市民会館

アドラー心理学による「勇気づけの子育て講演会」は、もともとは、私とジョイントで私たちの子育て体験をもとにした講演だったものが、私抜きでどんどん活躍するようになってきています。

今後の企画は次のようで、私は彼女のマネジャー役を引き受けようかな、とも思っています。

1.千葉県浦安市で美弥子単独講演会

日時:7月10日(日)14:00~15:30
会場:ホテルエミオン浦安ベイ 22階ルーチェ
(新浦安駅から徒歩7分)
受講料:2,000円(当日会場で)
主催・申し込み:ラーニングセンター新浦安(電話:047-353-8989)

2.岩井夫妻で大阪でジョイント講演会

8月7日(日)大阪の天満橋の國民會舘12階の武藤記念ホールにて

13:30~15:30 「私たちの子育てを語る」
    (岩井美弥子と岩井俊憲のジョイント)
15:45~17:15 「新しい自分の創めかた」
    (岩井俊憲単独)

参加費 4,000円

連絡先:憩いの部屋 辻本絹代さん

会場は大阪城がくっきり見える大ホールです。

 <お目休めコーナー>5月の花(31

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月29日)は、9:30~17:20にヒューマン・ギルドで 感情のコントロール法 のセミナーを行っていました。
参加者は15名と比較的こじんまりとしていましたが、遠くは福岡、神戸、大阪、岐阜からご参加の方がいらっしゃいました。

それだけでなく受講者の中にアンガ―マネンジメントのファシリテーターの方や大学のスポーツ心理学の講師がいらっしゃったので、補足のご意見を賜り、内容がより充実しました。


さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの8回目です。

今までの7回のシリーズは、以下のとおりです。

第1回目 5月20日 
第2回目 5月21日 
第3回目 5月23日 
第4回目 5月25日 
第5回目 5月26日
第6回目 5月27日
第7回目 5月28日

勇気づけのコミュニケーションの成立要件としての

1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号

今回は、2.の受信者について蜷川の「ダメ出し」によって短期的に勇気くじきとしてではなく、長期的にな勇気づけとして作用するには、どのような条件が必要かに注目します。

今まで名前の出ていた二宮和也、寺島しのぶだけでなく藤原竜也、小栗旬、勝村政信、松重豊などには、勇気づけと行け取れるどのような資質があったのでしょうか?

フェイスブックにコメントしてくださった方々のご意見も大変参考になりました。
ありがとうございました。

私は彼ら受信者側にプロを志す上で「ダメ出し」に耐える熱意がある、自我が強いなどの素質があったことが大きなポイントだと思います。

ひどい「ダメ出し」を受けたときは、「くっそー」「この野郎」と思いながら目標に到達するためにはそれなりの指導だと受け入れる要素があったのでしょう。
 
よく取り上げられる例として、読売ジャイアンツのV9当時の川上監督は、長嶋選手のことはこっぴどく叱ったけれど、王選手にはあまり叱ったことがなかった ― 叱ってもコーチがフォローしていた ー ことが言われます。

このことは女子マラソンの小出監督も同様です。

ここでのとりあえずの結論は、指導者(リーダー)と役者(フォロワー)間の勇気づけ/勇気くじきの効力が役者(フォロワー)の資質によるということです。

次回は、『嫌われる勇気』の「アドラー心理学は承認欲求を求めることを否定する」という説についてリーダーシップ、あるいはフォロワー側の発達段階の観点から言及します。
お楽しみに。

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昨日(5月28日)は、ヒューマン・ギルドで10:00~17:00にヒューマン・ギルド研修室で 夢を読み取る! アドラー心理学による「夢のワーク」1日講座 を行っていました。

A.アドラーは、夢解釈をライフスタイル分析の重要な糸口と考え、本にも書いていましたが、この日本では夢の講座をしっかりとできるのは、恩師ペルグリーノ博士の薫陶を受けている私だけだと言っていいほどです。

ポイントは、夢の固定的な象徴解釈を打破し、関連するライフ・タスクと結びつけて夢からのメッセージを受け取ることです。

 

私は、アドラー心理学による夢解釈のヒントとして次の点をお伝えしました。

1.象徴解釈の罠にはまっていないか?  
2.関連するライフ・タスクは?
3.舞台装置は? 登場人物(配役)は?
4.どんな感情が残ったか?
5.何のリハーサルをしようとしているのか?

私が5月25日の朝に見た夢を細かく分析してから、グループ内で全員の夢について解釈を施しました。
特に受講者のお一人についてサイコドラマを行いました。

子どもの頃からお母さんに包丁で刺されて死ぬ、というKさんが繰り返し見る夢を扱いました。

Kさんのライフスタイルが浮き彫りになりましたが、これで終われせず夢の書き換えを行いました。

Kさん夢の治療的な関与により事件が起きる前に食い止めることができました。

受講者たちの深い学びにつながる講座になったようです。

年内にもう一度やりたいと思うようになった私です。

◆アドラー心理学による夢解釈については、アドラー心理学による夢解釈講座 のカテゴリーをお読みください。
面白いですよ。

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昨晩(5月27日)の21:00過ぎに金沢から東京中野区の家に帰ってきました。
今月は、日帰りも含めて11日も出張していました。
列車の中で半分以上は眠っていました。
だから出張疲れはありません。

さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの7回目です。

今までの6回のシリーズは、以下のとおりです。

第1回目 5月20日 
第2回目 5月21日 
第3回目 5月23日 
第4回目 5月25日 
第5回目 5月26日
第6回目 5月27日

風呂敷を広げ過ぎた感があるので、そろそろまとめに入りますね。

勇気づけのコミュニケーションの成立要件としての

1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号

の4つのうちの1.の発信者としての蜷川についてかなり紙面を費やしてきました。

今回は、2.の受信者について簡単に触れておきます。

前回の最後に

最初は蜷川のダメ出しの連発によって奮起し、彼の指導を受け続けている間に長期的には「勇気づけられた」と蜷川をしのぶ人もいるのです。

このことは、蜷川のライフスタイルを棚上げしておいて、勇気づけ/勇気くじきの効力がそのコミュニケーションの受信者の熱意や資質や習熟度によって違っていることの格好の例かもしれません。

と私は書きました。

第2回目 5月21日 に書いた寺島しのぶがその一例です。

俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつける――。
稽古場での厳しい演出指導は有名で、19歳の時にその“洗礼”を浴びた寺島しのぶはかつて本紙のインタビューで「もうスリッパは飛んでくるわ、イスは飛んでくるわ、目の前で胃薬をボリボリ食べられ、“久しぶりだよ、女優の前でこんなに胃薬食うのは”とも言われました」「稽古中は“公開SM”のようでした」と語っていたこともあるほど。

しかし、その激しい演出の裏には舞台と役者に対する深い愛情があり、寺島が「感謝しかないです。思いっきり本音が言い合える人がまたいなくなってしまった。でも頂いた言葉は私の細胞に植え込んであります。書いている間も涙で字が見えません」と偲んでいるのが印象深い。

*日刊 ゲンダイ(2016年5月13日)

父は歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎、母は女優の富司純子、弟は歌舞伎役者の五代目尾上菊之助という演劇・俳優一家に生を受け、大学在学中より舞台、テレビドラマを中心に活躍し、父親の親友であった太地喜和子の勧めで女優を志し、大学在学中だった1992年(平成4年)に文学座に入団した、という本格女優です。

このような熱意や資質の高い人だったからこそ蜷川の厳しい演劇指導にも耐えられ、深い愛情を感じ、感謝の涙で蜷川を見送ったのかもしれません。

となると、指導者(勇気づけ/勇気くじきのメッセージの発信者)のライフスタイルや指導法いかんにかかわらず、また、指導の際に発せられるコミュニケーション媒体としての記号 ―「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつける、スリッパは飛んでくる、イスは飛んでくる ― がどうあれ、長期的には「勇気づけ」と捉える人がいることは理解しておかなければなりません。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨晩(5月26日)から金沢に来ています。
4年前から毎年3回、今回で12度目の石川県庁の課長補佐研修を担当します。


さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの6回目。

前回は、勇気づけのコミュニケーションの成立要件としての

1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号

のうちの蜷川の自分に対する「マゾヒズム」、他者に対する「サディズム」は、彼の劣等感によって強化されていることを明らかにし、そのことが俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつけるという行動に出ていることをあぶり出しました。

ところが、その蜷川は誰に対しても人格を否定してすべて「ダメ出し」で接しているかというと、そうではなく、一部の若い俳優に対して偏愛ぶりを示した報道も残っています。

女性自身 蜷川幸雄さん「また一緒に…」嵐・二宮に書いた“魂の手紙” (投稿日: 2016年05月17日 00:00 JST)
に目を通してみましょう。

蜷川さんと二宮、2人の出会いは14年前にさかのぼる。
 
「’03年に公開された映画『青の炎』で蜷川さんは監督を務めました。
その主人公を演じたのが、当時19歳の二宮だったのですが、まだ俳優としての実績も少なく、“人気アイドルが蜷川に抜擢された”といった報道が多かったですね」(芸能関係者)

だが最初の台本読み合わせは惨憺たる有様だったという。
どうしてもテレビドラマ風のイントネーションになってしまう二宮に、蜷川さんは厳しい言葉を放った。

「いまは『嵐』じゃねえんだぞ。本当の二宮君を見せろ、隠された喜怒哀楽を出せ!」

そして蜷川さんは、こんなアドバイスをしたという。

「怒っているときや悲しいときでも、逆に笑ってみせるほうが、より感情を表現できることもあるんだ」

二宮はそんな蜷川さんの一言一言をまるでスポンジが水を吸い込むように、どんどん吸収していったのだ。
無事撮影が終了したころ、蜷川さんは教え子・二宮へのメッセージをつづった手紙を本誌に公開している。

《いざ読み合わせすると下手で最悪、家へ帰って女房に言ったんだよ。「二宮君、下手でさァ」って(笑)。でも撮影に入ったらすごくよかった。勉強したんだね。頭よくて勘もいいから、“こうならないかな”って言うだけでわかってくれて、あとはほっとけばよかった》(本誌’03年3月25日号)

“世界のニナガワ”の指導で二宮は役者として覚醒する。
この手紙も、彼にとって大きな自信となったに違いない。
3年後の’06年には映画『硫黄島からの手紙』に出演し、その演技力がアメリカでも高い評価を受けた。
‘03年、本誌が映画会社で『青の炎』について、蜷川さんをインタビューしたときのことだった。

「ニノはね、すごいんだよ」

ニコニコしながらそのセリフを連発する蜷川さんへ挨拶するため、取材現場に現れたのが、藤原竜也(33)だった。
藤原といえば、’97年に蜷川さんが演出した舞台『身毒丸』でデビューしており、“蜷川門下生”の代表格だった。
そして彼が立ち去った後、蜷川さんは笑ってこう言ったのだ。

「アイツさ、実はニノに嫉妬しているんだよ。『青の炎』の撮影現場を見に来たときに、オレが『ニノの(演技が)がいいんだよ』なんて、言っちゃったものだからね。だから今みたいに、こまめに挨拶に来たり、本当に困っちゃうよね」

その心底楽しそうな口ぶりからは、弟子たちへの深い愛情が感じられた。
‘11年の蜷川さん演出の舞台『あゝ、荒野』には嵐・松本潤が出演した。

「劇場には、二宮君もやってきて、蜷川さんに挨拶をしていました。
蜷川さんは『また何かやろうよ』と誘いの言葉をかけ、それに二宮君もすごく乗り気でした」(舞台関係者)


実は蜷川さんの二宮への“手紙”はこんな言葉でしめくくられている。

《また一緒に仕事しような。早くしないと俺は死んじゃうぞ(笑)》

“約束の舞台”は実現しなかったが、蜷川さんからの魂のメッセージは二宮の俳優人生を炎のように照らし続けるに違いない。


長い転載でしたが、勇気づけ/勇気くじきのコミュニケーションの発信者である蜷川が、その受信者によってヨイ出し/ダメ出しを役者の熱意や資質や習熟度によって使い分けていたことがわかります。

おそらく蜷川のダメ出しによってパワハラのように人格を否定されたと思い、役者の道を断念した人たちが数限りなく存在することでしょう。

しかし、一方で最初は蜷川のダメ出しの連発によって奮起し、彼の指導を受け続けている間に長期的には「勇気づけられた」と蜷川をしのぶ人もいるのです。

このことは、蜷川のライフスタイルを棚上げしておいて、勇気づけ/勇気くじきの効力がそのコミュニケーションの受信者の熱意や資質や習熟度によって違っていることの格好の例かもしれません。

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの第5回目です。
いよいよ蜷川のライフスタイルに迫ります。

今までのシリーズは、以下のとおりです。

第1回目 5月20日 
第2回目 5月21日 
第3回目 5月23日 
第4回目 5月25日 

第4回目の最後に私は「私は蜷川幸雄をいろいろ調べた末、彼のパワハラまがいの振る舞いの源流を子ども時代からの劣等感と、それによって培われたライフスタイルにあることを突き止めました」と書きました。

今回は、その謎解きです。

私は蜷川の早期回想に相当するような記事を見つけました。
次のようです。

小学校のとき、こんなことがあった。
給食の調理につかう薪(まき)を役所から大八車に積んで運ぶのが日課だったが、なぜか車輪の下に足を突っ込みたくなる。

ある日誘惑に負け、実行した。
爪が紫色にふくれあがったが、黙って我慢し、学校に行った。
「深層心理的なコンプレックスなのかどうかわからない。ただ、ぼくにはどうも自己処罰の衝動のようなものがある」

あえて自分を引き裂かれるような危地においこむ。
40代から50代にかけての壮年期、わざと徹夜して意識をもうろうとさせ、アイデアがひらめくのを待った。
この自己破壊衝動は通常の仕事についた場合、手ひどい失敗を招くものかもしれない。
が、役者やスタッフの闘争心に火をつける演出という天職がこの衝動によって花開いた。
怒りを創造のバネとした。

日経電子版 『「理解されない」演劇の闘士、蜷川幸雄3つの謎 』(編集委員 内田洋一 2016/5/16) 

 アドラー・カウンセラー養成講座 を終えて関心のある方は、以上から「自己概念」「世界像」「自己理想」をまとめることでライフスタイル分析をしてみるのもいいのですが、一般に通じやすい表現を用いると、蜷川の「マゾヒズム」が前半の文章で浮き彫りになります。

この時は、相手役が他者でなく自分自身であることにご注目ください。

爪が紫色にふくれあがるほどの自己処罰に興奮を感じている蜷川少年がいたのです。

この傾向は40代から50代にかけての壮年期でも変わらず、自己破壊衝動をもとに、あえて自分を引き裂かれるような危地においこむのです。

その蜷川は他者に対して役者やスタッフの闘争心に火をつける演出という天職がこの衝動によって花開き、怒りを創造のバネとしたことは、蜷川の自己処罰・自己破壊の衝動に基づく「マゾヒズム」が他者に対する「サディズム」へと転換したことを表します。

このことを理解しないで、俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつけるという行動だけにしか着目しないでいると、蜷川の深層(あるいはライフスタイル)を理解できないままになってしまいます。

もう1つ注目しておきたいことは、蜷川の自分に対する「マゾヒズム」、他者に対する「サディズム」は、彼の劣等感によって強化されていることです。

蜷川は開成高校から東京藝術大学を受験したのですが、不合格に終わり、浪人することもなく役者の道に入ります。
しかし、役者としては目が出なかったことが「
Asagei plus(Posted on 2016年5月13日 2:20 PM)」で明らかです。

役者としては目が出なかった演出家・蜷川幸雄

今でこそ誰もが知っている演出家だが、もともと役者を目指していたことはあまり知られていない。
67年には俳優の石橋蓮司や故・蟹江敬三らと小劇団を作り、69年からの約10年間は役者と演出家という二足のワラジを履いて活動していた。
役者を辞めて演出家1本に絞ったのは、女優の故・太地喜和子からダメ出しをされたから。
当時の蜷川がテレビドラマ「水戸黄門」(TBS系)で公家を演じているのを見て、太地が「あんなヘタな演技を見てしまったら、演出家としてのダメ出しが聞けなくなる。頼むから役者は辞めてちょうだい」と進言したのだ。

「蜷川演出は厳しいことで有名です。だから心が折れてしまう役者もたくさんいる。そんな役者には、92年に公開された映画『きらきらひかる』で、主演の薬師丸ひろ子が演じた翻訳家の担当編集者として出演している蜷川さんを見てみろ、と勧めます。すると、大抵の役者は演出家として優れていても役者としてはそうでもない蜷川さんを見て安心して、折れた心が再生するんです」(演劇関係者)

約10年間は役者と演出家という二足のワラジを履いて活動していた蜷川は、太地喜和子からダメ出しをされたことがキッカケになって、その後は自らダメ出しの演出家になったのです。

<お目休めコーナー>5月の花(26

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月24日)の午前中にオフィスに『自分を勇気づける アドラー心理学7つの知恵』ベストセラーズ、1,400円+税、5月26日発売)の著者見本が10冊、出版社のベストセラーズから届きました。

 

この本は、2013年11月に同文館出版から『カウンセラーが教える「自分を勇気づける技術」』として出版されていた本ですが、絶版になってしまったために、大幅に加筆・修正だけでなく章立ても変更し、「自己勇気づけの決定版」として蘇った本です。

構成 
第1の知恵 自分自身を最大の味方にする人間関係を築く
最2の知恵 気分や雰囲気に左右されない自分の意志を持つ
第3の知恵 あなたを作ったのはあなた、あなたを変えるのもあなた
第4の知恵 感情を味方につけて、心を整える(旧第5章)
第5の知恵 未来の目標を持つことによって現在の状況、境遇を変える
第6の知恵 他者に対して勇気をくじく言動はしない
第7の知恵 「ダメ出し」を止めて「ヨイ出し」をする

アマゾンでも予約受付中です。

自分を勇気づける
アドラー心理学7つの知恵
岩井 俊憲
ベストセラーズ

昨日の午後から仙台に来ています。

仙台では、19:00~21:00にリーダー向け講演会「アドラー心理学による『勇気づけ』リーダーシップ」を行いました。

100名の定員を上回る120名にお集まりいただきました。

主 催:株式会社セールスリンク/共 催:アドラー東北/協 力:有限会社ヒューマン・ギルド
会 場:アエル仙台 情報産業プラザ6F セミナールーム


講演は大盛況。

「アドラー心理学の本を読んだことがある人?」と尋ねたら8割以上、「私の本を読んだことがある人?」と聞いたら7割以上の人が手を挙げたのは驚きでした。

レベルの高い受講生に2人一組で時々討議・演習を交えながら進めるやり方が大受け。

私としては「大満足」で講座を終えました。



その証拠の1つが持参した本40冊がすべて売れたこと。

お買い求めに方々に私はサインをさせてもらいました。

講座が終えてからは、居酒屋で魚介類をいただきました。
それがまたおいしいこと。

大満足の仙台の夜でした。

主催の株式会社セールスリンクの 佐藤なな子さん、共催のアドラー東北の 高橋直子さん、ありがとうございました。

さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの4回目です。

勇気づけのコミュニケーションが成立するためには、次の4つの要件が必要であることを アドラー心理学ベーシック・コース で伝えていることは、3回目で書きました。

1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号

勇気づけは第1に、誰からそのメッセージが発せられるか、の発信者によって決まります。

稽古では怒鳴りまくり。駄目ならキャストもすぐ入れ替える。その繰り返し。
俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつける。

以上は、蜷川自身が語った言葉です。

もし、蜷川が職場においてこのような振る舞いに及んだら、「パワハラ」で訴えられてもおかしくありません。
   
ちなみに、「パワハラ」とは、パワーハラスメントの略で、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいいます。
うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあるとされています。

平成24年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義されています。
上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれます。

職場のパワーハラスメントの行為類型は以下のとおりです(ただし、職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではありません)。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

それだけではありません。
次のような法的な責任も負わなければなりません。

<民事上の責任>
加害者責任 人格権の侵害・・・・不法行為(民法709条)
使用者責任  
(1)不法行為責任  損害賠償責任(民法715条)  
(2)債務不履行責任(民法415条)  職場環境整備義務、職場環境調整義務

<刑事上の責任>
傷害(204条)、暴行(208条)、名誉毀損(230条)、侮辱(231条)、脅迫(222条)


私は蜷川幸雄をいろいろ調べた末、彼のパワハラまがいの振る舞いの源流を子ども時代からの劣等感と、それによって培われたライフスタイルにあることを突き止めました。
このことは次回に。

 <お目休めコーナー>5月の花(25

 

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨晩(5月23日)は、心の養生のためにカミさんとサントリーホールに行きました。

ウィーンの名門<トーンキュンストラー管弦楽団>音楽監督に就任した佐渡裕さん による同楽団のお披露目公演でした。

ステージに向かって右側の2階RC席からの眺望はよかったです。
曲目は次のとおり。

ベートーヴェン:
ヴァイオリン協奏曲 二長調 作品61
(ヴァイオリン:レイ・チェン)
R.シュトラウス:
 交響詩「英雄の生涯」作品40

その他、アンコール3曲。

佐渡さんは、開演前に熊本地震の義援金を呼びかけ、演奏が終わってから、義援金を支払う人一人ひとりと握手を交わしていました。

 

もちろん私たち夫婦も握手してきましたよ。


さて、昨日はまたアドラー心理学が「あさイチ」で取り上げたりしたことが話題になっていました。
今日は、「おはよう日本」でも特集。

ところで、もう1つのアドラー心理学の話題。

『週刊 ポスト』(6月3日号、5月23日発売)の「本は事件だ 重版出来」

大ブーム継続中!嫌われる勇気「アドラーの孫娘は”魔女”になっていた

と書かれていました。

厳密に言うと、「魔女研究家」が正しいのですが、取材を受け、文章をチェックした私は、本文だけで見出しのチェックはさせてもらっていませんでした。

ただ、本文には、次のように書かれています。

(アドラー)の孫娘の経歴が興味深い。ニューヨークでラジオ局のレポーターとして活躍していた一方、自然崇拝の一種である「魔女術(ウィッカ)」に傾倒していたというのだ。
米紙ニューヨーク・タイムズは彼女の生活ぶりを本人インタビューを交えながら報じた記事で「レポーターであり魔女」と紹介している(91年10月31日付)。

「魔女」というと怪しげに聞こえるが、欧米ではよく知られた新宗教の一種で、季節ごとに自然の恵みに感謝する儀式を行なう。
2014年にマーゴット氏が亡くなった際の訃報などでは、彼女は20代後半から魔女術に傾倒し、魔女術について複数の著作を残していたとある。

アドラー本を「孫の教育に役に立てようつ」と思って読んでいた人には、結構びっくりな話? 


(マゴット・アドラー、1946~2014)

ところで、ウィッカ Wicca とは、欧州古代の多神教的信仰、特に女神崇拝を復活させたとする新宗教で、古代の風習にその源流を持つと信じられている信仰と儀式にもとづき、宗教の一種というよりは自然や自然現象と霊的基礎を共有していると見なすほうが正しいようです。

ウィッカ信者は、崇拝のために石造りの寺院や教会を建てることもなく、儀式を広い野外で行うようです。

カール・グスタフ・ユングも一時期ウィッカを研究していたとして知られ、ユングとアドラーの孫にこんな共通点があったというのも驚きです。

<お目休めコーナー>5月の花(24

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昨日(5月22日)の11:00~13:00にヒューマン・ギルドで アドラー心理学ゼミナール を行っていました。

講師に佐藤 健陽さん(障害者就労支援コーディネーター)をお招きし、

「大切なことは森田正馬とアドラーに教えてもらった!」

のタイトルでご講義をいただきました。



講師の体験をライフラインを用いて赤裸々に語るなかで、森田療法とアドラー心理学を絡めながら、あがり症克服の核心として「あがり症は治すな!」は、28人の受講者の胸を打ちました。

◆6月度の  アドラー心理学ゼミナール は、講師を小島 まり子さん(SMILEリーダー、ELM勇気づけトレーナー)にお願いし、6月26日(日)11:00~13:00に「子どもから学んだ10年間とこれから」としてお願いしております。


さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの3回目です。

2回目の投稿に対するコメントとしては「スパルタ教育」への批判が目立ちました。

なお、『広辞苑』で「スパルタ教育」を引いてみたら、次のことが書いてありました。

厳しい規律・鍛錬を重視する厳格な教育。
古代スパルタの勤倹・尚武を目指した教育法から採った呼称。

前置きが長くなっている嫌いがしますので、そろそろまとめる方向に入ります。

私は、勇気づけのコミュニケーションが成立するためには、次の4つの要件が必要であることを アドラー心理学ベーシック・コース で伝えています。

1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号

勇気づけは第1に、誰からそのメッセージが発せられるか、の発信者によって決まります。
嫌っている人からどんな美辞麗句を投げかけられても勇気づけとしては作用しません。

第2に、誰がそのメッセージを受け取るか、です。
せっかくの勇気づけのつもりの言葉も受け取る側の人が皮肉として聞いたり、プレッシャーを感じたりすると、勇気づけになりません。

第3に、勇気づける人と勇気づけられる人との間の相互関係が成り立っていないと、基盤として勇気づけ関係が成立しません。

第4に、言葉以外の表情、アイコンタクト、ボディランゲージ、口調などのコミュニケ―ション媒体(記号)も重要な意味を持ちます。
「あなたには、心から感謝しています」という言葉も、誠意の伝わらない表情や、皮肉っぽい口調であったりすると、「ちっともありがたい気持ちが伝わってこない」ということになります。

次回は、発信者のメッセージが勇気づけとなるか、勇気くじきとなるか、蜷川幸雄に迫ってみます。
ついでに、蜷川幸雄個人にも迫ります。

<お目休めコーナー>5月の花(23

 

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(5月21日)は、家で一生懸命仕事をしていました。
かなり仕事がはかどりました。

そんな昨日、増刷の情報が2つ。

1つは、『アドラー心理学によるカウンセリング・マインドの育て方-人はだれに心をひらくのか』(コスモス・ライブラリー、1,600円+税)の重版の連絡が入りました。
地道に売れていて、累計すると確か2万部くらいになるはずです。

アドラー心理学によるカウンセリング・
マインドの育て方
―人はだれに心をひらくのか
岩井 俊憲
コスモスライブラリー

 

2つめは、通信教育『リーダーのための心理学入門コース』(岩井俊憲編著、宮本秀明・永藤かおる共著、PHP研究所)のテキストが増刷になり、家にサンプルが送られてきました。

 

さて、新聞記事や週刊誌でアドラーのことが盛んに取り上げられるようになっています。

その中の文章を読んでいて、アルフレッド・アドラー自身に聞いてみたいことが2つあります。

1.「トラウマは存在しない」と本当に言ったの?

2.あなたの孫のことはご存じ? 


1.「トラウマは存在しない」と本当に言ったの?

毎日新聞特集ワイド 「アドラー心理学」今なぜブーム?(2016年5月19日 東京夕刊)に

トラウマの否定はアドラー心理学が最も批判を受けやすい点だ。
岸見さんは「実はアドラー自身、第一次世界大戦中、軍医として、戦争による心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にあたっていました。トラウマの存在を知っていたのにあえて否定したのは、過去にとらわれず、これからをどう生きるかが重要と考えたからです」と語る。

と書かれています。

「戦争による心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にあたって」いたアドラーが「過去にとらわれず、これからをどう生きるかが重要」とは言いそうですが、「トラウマの存在を知っていたのにあえて否定した」というのは、論理的におかしな話です。

「トラウマの存在を知っていた」ならば、「トラウマは存在しない」と言って、トラウマをどうして否定できるのでしょうか?

例えば、犯行現場を目撃して「私は犯人を知っていた」と語る人がどうして「犯人は存在しない」と言えるのでしょうか?
自分で偽ったことを言っているのでしょうか?

岸見さんが「トラウマは存在しない」と語る根拠は、『人生の意味の心理学 上』(アルテ)P.21の次の記述です。

いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分自身の経験によるショック ― いわゆるトラウマ― に苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。

ここでアドラーが言っているのは、「トラウマが存在しない」ではなく、トラウマの経験をしたことに対してどういう意味を与えるか、ということなのです。

そもそも存在しないトラウマに苦しむ人がいるのでしょうか?

トラウマという経験が存在しないならば、その経験をどう意味づけできるのでしょうか?

アドラーの原典からは、どうしても「トラウマは存在しない」が出てこないのですが、本当はどうなのでしょうか、アドラーさん?

毎日新聞特集ワイド では、悩む子どもや若者の相談に乗ってきた「夜回り先生」こと水谷修さんは「アドラーで救えるのは心を深く病んでいない比較的元気な約3割という印象です。親から性的虐待を受けた子どものトラウマを否定できるのか。『病んだのは本人のせい』という安易な『自己責任論』が広まり、より生きづらい社会にならないか心配です」と案じているようです。

アドラー心理学の主要な理論として「自己決定性」を重視する私でも、安易な『自己責任論』はアドラー心理学の本質から外れると思いますが、アドラーさんはどう考えるでしょうか?

2.あなたの孫のことはご存じ?

アドラーが1937年にこの世を去ってから9年後の1946年に、アドラーの一人息子のカート(Kurt Adler)のところに娘が生まれました。

一人娘はマーゴット・アドラーの名でジャーナリスト、ラジオ/TVレポーター、本の著者としてアメリカで活躍し、2014年7月28日に68歳で死亡しています。

Margot Adler has passed away. She was a longtime National Public Radio (NPR) correspondent, author, and the granddaughter of community psychologist Alfred Adler.

と英文で書かれた記録がありますが、詳しくは5月23日(月)発売の『週刊ポスト』でお楽しみに。

こんな顔をした人でした。

アドラーは、孫娘と天国で会ったとしたら、どんな会話をしたのかな?

<お目休めコーナー>5月の花(22

 

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月20日)のブログの内容に対してフェイスブック(一部ブログ)にたくさんのコメントが寄せられました。
「なーるほど」と思える内容で、私自身も大変参考になりました。

コメントを集約すると、次のキーワードが浮かんできます。

勇気づけ/勇気くじき
ヨイ出し/ダメ出し
アメとムチ
信頼関係
愛の鞭
人格尊重/人格軽視
パワハラ

キーワードのうち「勇気づけ/勇気くじき」「ヨイ出し/ダメ出し」は、アドラー心理学特有の言い回しなので、厳密に定義をしておく必要があります。

勇気づけ…・・困難を克服する活力を与えること

勇気くじき…・・困難を克服する活力を奪うこと

ヨイ出し・・・・・長所・持ち味・強みに焦点を当てた対応をすること

ダメ出し・・・・・短所・欠陥・弱みに焦点を当てた対応をすること
もともとは演劇用語で、「仕事や行為を不採用・不可とすること」と『広辞苑』に記載されている。


ここで、蜷川幸雄がとにかく「ダメ出し」で「勇気くじき」の指導法であったか、それとも、「ダメ出し」ではありはしたが、「勇気づけ」の指導法につながっていたか、が論点になります。

蜷川の「ダメ出し」のエピソードを読んでみよう。

俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつける――。
稽古場での厳しい演出指導は有名で、19歳の時にその“洗礼”を浴びた寺島しのぶはかつて本紙のインタビューで「もうスリッパは飛んでくるわ、イスは飛んでくるわ、目の前で胃薬をボリボリ食べられ、“久しぶりだよ、女優の前でこんなに胃薬食うのは”とも言われました」「稽古中は“公開SM”のようでした」と語っていたこともあるほど。

しかし、その激しい演出の裏には舞台と役者に対する深い愛情があり、寺島が「感謝しかないです。思いっきり本音が言い合える人がまたいなくなってしまった。でも頂いた言葉は私の細胞に植え込んであります。書いている間も涙で字が見えません」と偲んでいるのが印象深い。

*日刊 ゲンダイ(2016年5月13日)

寺島の印象では、蜷川から受けたダメ出しが長期的には勇気くじきとして作用せず、感謝となっているのです。

もちろん、蜷川のダメ出しによって人格を傷つけられ、演劇の道を断念した人も数えきれないほどいることでしょう。
現実に「蜷川幸雄 パワハラ」を検索すると、たくさん出てきます。

それでも、一流になった役者に蜷川のダメ出しが長期的に勇気づけとして残るのは、いったいどんな心理的メカニズムなのでしょうか?

演出家としての蜷川と役者との間の関係はどのようなものなのでしょうか?

あなたもご自身の体験を踏まえて、その時は「ダメ出し」されたけれど、後に「勇気づけ」と受け取れた体験を振り返ってみていただけますか?

<お目休めコーナー>5月の花(21

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

日本を代表する舞台演出家の蜷川 幸雄(にながわ ゆきお、生年月日, 1935年10月15日. 没年月日, 2016年5月12日(満80歳没 )のニュースが盛んに取り上げられていました。

ウィキペディアには、早速次のとおり書かれていました。

2016年5月12日午後1時25分、肺炎による多臓器不全のため死去[4]。80歳没。
2016年5月15日東京・青山葬儀所で通夜が営まれ、田原総一朗、松本幸四郎、北大路欣也、宇崎竜童・阿木燿子夫妻、本田博太郎、名取裕子、吉田鋼太郎、堤真一、東山紀之、中嶋朋子、木村拓哉、宮沢りえ、綾野剛、藤原竜也、小栗旬、亀梨和也、溝端淳平、岡田将生、多部未華子、前田敦子ら演劇関係者やファン約1600人が弔問に訪れた。
5月16日の告別式では、渡辺謙、二宮和也、松本潤、生田斗真、松坂桃李も参列した。
平幹二朗、大竹しのぶ、吉田鋼太郎、小栗旬、藤原竜也の5人がリレー形式で弔辞を読んだ。

若い頃は、やる気のない俳優に灰皿を投げる激しい稽古でも知られた。

このことに関連して岡山のフリーアナウンサーグループ f a i t h~フェイス~ 代表者の 山田 響子さん から私宛に次のようなご質問が寄せられました。

気になることがあってご質問したくメッセージ致します。

蜷川幸雄さんが死去されたくさんの方が蜷川さんとの思い出を語っていました。

「とにかくダメ出し」「人格を否定される」「誉めてもらったことは一度も無い」と皆が声を揃えるのに、なぜここまで素晴らしい舞台人を育て素晴らしい作品を世に送ることが出来たのでしょうか?

良いところに注目する指導法をとお伝えするものとして、どう考えたら良いのかわかりません。

岩井先生はどのようにお考えになりますか?

もしも岩井先生のお答えをブログなどに書いていただけたら嬉しいです。


次回から私なりの回答をするつもりですが、山田さんのご質問は勇気づけ/勇気くじきについて考える絶好の機会ですので、どうかあなたも、時には周囲の人たちと共に蜷川氏のケースをもとに考えをまとめていただけますか?

おそらく4~5かいくくらいの連載になるでしょう。

<お目休めコーナー>5月の花(20

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(5月18日)は、某セミナー会社で10:00~17:00に公開講座「変革型リーダーシップ」を担当していました。

アドラー心理学に基づく勇気づけのリーダーシップを20人の受講者を対象にしっかりとお伝えしました。

昨日はまた、2つの出版社から重版のご連絡が入りました。

まずは、朝日新聞出版の編集部の大田原恵美さんから『働く人のためのアドラー心理学―「もう疲れたよ・・・」にきく8つの習慣 』 (600円+税)が発売以来2週間で増刷決定のご連絡。

働く人のためのアドラー心理学
「もう疲れたよ…」にきく
8つの習慣 (朝日文庫)
岩井 俊憲

朝日新聞出版

続いて、日本能率協会マネジメントセンター出版事業本部の久保田 章子さんから『マンガでやさしくわかるアドラー心理学2 実践編』 (1,500円+税)の11刷、2,000部増刷のご連絡。

マンガでやさしくわかる
アドラー心理学 2 実践編
岩井俊憲、星井 博文、深森 あき
日本能率協会マネジメントセンター

今月だけで『感情を整えるアドラーの教え』(大和書房、1,400円+税)を皮切りに3冊目の重版になります。

感情を整えるアドラーの教え
岩井 俊憲
大和書房

さらに、今月の26日には、『自分を勇気づける アドラー心理学7つの知恵』(1,400円+税)がベストセラーズから発売になります。

自分を勇気づける
アドラー心理学7つの知恵
岩井 俊憲
ベストセラーズ

アマゾンでも予約受付中になりました。

この本は、2013年11月に同文館出版から『カウンセラーが教える「自分を勇気づける技術」』として出版されていた本ですが、絶版になってしまったために、大幅に加筆・修正だけでなく章立ても変更し、「自己勇気づけの決定版」として出る本です。


さて、今月末の土日に行われる開催頻度の少ない2つの講座のご連絡です。

1.夢を読み取る! アドラー心理学による「夢のワーク」1日講座
日時:5月 28日(土 ) 10:00~17:00 
講師:岩井俊憲(ヒューマン・ギルド代表)
料金:プレミアム会員:16,200円(税込み)、一般:19,440円(税込み)

私たちが日々見ている夢についてアドラー心理学の立場からわかりやすく、しかも実践に結びつくよう「夢のワーク」の1日講座。
アドラー心理学で夢はライフスタイルを知る重要な分析ツールです。

(1)夢からのメッセージを受け取り、夢を読み取る
(2)意味を理解する、夢にはあなた独自の意味がある
(3)夢の意味を知ると、今の生活を良い方向へ導ける

2.感情はコントロールできる!「感情のコントロール法」セミナー
日時:5月29日(日) 9:30~17: 30  
講師:岩井俊憲(ヒューマン・ギルド代表)
料金:プレミアム会員19,440円 (税込み)、一般22,680円(税込み)

自分が感情とどう付き合っているか、主に使っている感情は何か、その目的は何か、より建設的な対応法はどうすればいいか、感情を味方に付けるには、などについて次の3つの視点に基づき念入りに展開します。

(1)感情は、ある状況で、特定の人に、ある目的(意図)を持って使われる。
(2)感情は、コントロールできる。
(3)感情は(劣等感ですら)、自分のパートナーだと実感できるようになる。

*それぞれの申し込みフォームから

<お目休めコーナー>5月の花(19

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(5月17日)は、独立行政法人 国立病院機構 水戸医療センター 附属桜の郷看護学校 の77人の学生を対象に「人間関係論」の最終講義を行っていました。

1時限目は教室で行いましたが、2時限、3時限は体育館に場所を移して体を動かすワークも採り入れながら進めていきました。

チームがよくまとまっていて、自然に全体が同じような動きになりました。

なお、この講義には、もう一人の講師が存在しました。
長谷静香さん です。

 長谷さんには、4時限目の「勇気づけ」の講義をお任せしたところ、完璧にこなされました。

私は、この学校の前身の国立水戸病院附属看護学校時代から非常勤講師として20年間「人間関係論」の講座を担当していましたが、この日をもってその職を辞することにし、完全に長谷さんにバトンタッチすることになりました。

ほんの少し寂しさが残りましたが、私にはまだまだなすべき課題があります。

ひたち号に乗って家に帰ると、サプライズが待っていました。
今年から独立行政法人 国立病院機構 栃木医療センター附属看護学校の講師をバトンタッチしていた 高澤貴子さん と共に長谷さんから家にお花と入浴剤が届いていたのです。

「20年間、看護師の卵ちゃんへの勇気づけ、ありがとうございました。
先生の想いを私たちも続けていきます。  

高澤貴子、長谷静香」

とのメッセージも添えられ、私はジーンと来てしまいました。

思えば、ヒューマン・ギルドの代表者もしながら大学や専門学校の非常勤講師をすることは私の夢でした。

夢は、恩人たちのご厚意によって実現し、函館大学、青森公立大学の他に計4つの看護学校の講師歴を経ることで実現しました。

看護学校の講師の夢をお二人にバトンタッチできたことを私は誇りに思います。

アドラー心理学の勇気づけが私以上の熱意によって看護学生に伝えられることでしょう。

長谷さんは、メールでこんなメッセージをくださいました。

実は、勇気づけを学び始めた頃、3年くらい前になりますが、先生が水戸の看護学校で講義をされている様子をブログで読んで、付き添いでもいいから、一度、ご一緒させていただきたい。。。と思っていたのです。
その夢が、こんな形で実現し、またバトンまで渡していただけて。
来年から、心を込めて看護学生さんたちに勇気づけをお届けします 。

私の看護学校講師の夢は、昨日をもって終了しました。

後は、夢の続きでなく新たな夢を見始めます。
見始めた夢の実現を図ります。

私が生きている限り夢を創り続けます。

現実をうまくやりこなす人間であるよりも「夢追い人」でありたい。

<お目休めコーナー>5月の花(18

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おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(5月16日)は出張の谷間、大和書房の編集部の高橋さんから

『感情を整えるアドラーの教え』重版決定
2,000部増刷、累計1万部突破!

のご連絡をいただきました。

感情を整えるアドラーの教え
岩井 俊憲
大和書房

発売からちょうど1カ月の重版決定で、かなり好調の滑り出しのようです。

大阪の 辻本 絹代さん(憩いの部屋 代表)からフェイスブックのあるグループで次の情報が流されました。
 
こんにちは、憩いの部屋の辻本絹代です。

岩井さんご夫妻にお願いして大阪でジョイント講演会をすることにしました。
広報にご協力いただけたら嬉しいです。
詳細が決まりましたら、またご案内しますが、
日程だけでも決まったことをいち早くお知らせです。

8月7日(日)の大阪の天満橋の國民會舘12階の武藤記念ホール

13:30~15:30 「私たちの子育てを語る」
    (岩井美弥子さんと岩井俊憲さんのジョイント)
15:45~17:15 「新しい自分の創めかた」
    (岩井俊憲さん単独)

参加費 4,000円

(後略)

なお、会場の國民會舘12階の武藤記念ホールは、大阪城が間近に見える最高のホールです。


昨夕、18:00発のひたち号で水戸に来ています。

19:15頃にホテルに入って、東国原英夫氏のしくじり先生ぶりをテレビで観ました。

東国原英夫氏は、若い頃からのさまざまなしくじりを語った後、一番危険なのは追い風で、宮崎県知事時代の気の緩みから嫉妬を受けてハニートラップにかかった体験を語っていました。

最後の場面で「すべては夢の途中」の言葉が印象に残りました。

人によったら、「夢があるから生きていられる」と語る人がいますが、私は違う見解を持っています。
「生きているから夢が生まれる」のだと思います。
夢は更新されて当然なのです。


ところで、東国原英夫氏のしくじり先生ぶりから連想した2つの言葉があります。

私のこだわりのある本のベスト・スリーの1つの『失意の時こそ勇気をー 心の雨の日の過ごし方』(コスモスライブラリー、1,600円+税)にも引用した言葉です。

失意の時こそ勇気を
―心の雨の日の過ごし方
岩井 俊憲
コスモスライブラリー

得意泰然

得意の時もおごらず誇らずさらりとしていることが望ましい態度であるということ

勢い、尽くすべからず。勢い、使い尽くせば、禍、必ず生ず。
福、受け尽くすべからず。福、受け尽くせば、人これを疎んず。

禅の五祖、法演の言葉。
「時の勢いを使い尽くしてはならない。勢いを使い尽くしてしまうと、災いが必ずやって来る。
幸せを受け尽くしてはならない。幸せを受け尽くしてしまうと、人は、あなたを疎んじるようになる」の意


私は今、「こんなに幸せでいいのだろうか」と思えるような日を過ごしています。

そんな時こそ、この2つの言葉で自分を戒めます。

<お目休めコーナー>5月の花(17

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